「あまり眠れないんです」という高齢者さん。実はあなた、眠れているかもしれないですよというお話②
こんにちは、上田です。
昨日に引き続き、睡眠のお話。
昨日は、「そもそも寝つきが悪い時の習慣」のお話を書きました。
そして、今日は寝てもすぐに起きちゃうというパターンのお話。
おさらい(昨日も書いたこと)。
薬局で薬剤師をしていると、不眠と便秘はスタンダードという65歳以上の方と多くお会いします。
そういう方にまずお伺いしているのは、「寝れていない」というパターンについて。
・そもそも寝付きが悪いのか。
・寝てもすぐに起きちゃうのか。
それぞれのパターンによって、アプローチが変わるんです。
◆寝てもすぐに起きちゃう場合。
「寝てもすぐに起きちゃうのよ」という方の方が多い気がしますが、そういう方には、
「ちなみに、何時間ぐらい眠れてます?」
と聞いています。
なぜか。
厚生労働省が運営している健康についての情報発信サイト「e-ヘルスネット」でも取り上げられていますが、
そもそも、眠るのには体力が必要なので、年齢を重ねると連続して眠れること自体が珍しくなるんです。
出典:e-ヘルスネット「高齢者の睡眠」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-004.html
なので、「眠れない!!!」という65歳以上の方で、
「3時間~4時間しか眠れてない」という方には、
「あ、それ、眠れてますね」
と、「眠れている基準」のギャップを修正するようにしています。
上記のe-ヘルスネットの図の話をして、これは僕が勝手に名付けてるんですが「連続睡眠時間」としては、ご年齢からすると3時間でも十分であること。
寝付けないときは布団から出て、眠くなったら布団に入る。
その結果、合計で6~8時間眠れたらいい感じ、という、
胃を切除した人が小分けにして1日6食ほど食べる「分食」のように、
「分眠」という概念をイメージしてもらうと、
「今までできていないと思っていたこと」が「実はそれでOKなんだ」という認識に変わるので、その安心によって睡眠の質が変わるという方もいらっしゃいます。
睡眠薬を飲まないと2時間も眠れないという人は、もちろん飲んである程度眠れる状態を作った方がいいと思っていますが、
実は年齢的にいうと眠れているのに、それを眠れていないと勘違いして不要に睡眠薬を飲むのは、結論は出てないとはいえ一般的に言われている認知機能低下のリスクの観点からもオススメできないなと感じています。
あと、e-ヘルスネットでも書いていますが、寝付けないときは布団から出るのも結構重要かな、と。
自転車の乗り方みたいに、人間は体で覚えていることって多いですが、
「布団に入っているのに眠れない」
というのも、体で覚えてしまっているんだろうなと。
なので、逆に「布団に入ったら寝る」というのを体に覚えさせると、のび太君のように一瞬で寝付くという習慣が出来上がります。
ええ、最近の僕がそうなので間違いないです 笑
あ、あと、僕が働いている地域が大阪の西成という地区特有な案件ですが、
「どんな睡眠薬を飲んでも眠れない」という方が稀にいらっしゃいます。
これは、以前、阪神の尼崎で勤務していた時にも稀にいらっしゃいました。
覚せい剤をやっている方、睡眠薬の効果を期待しないでください。
以前やっていた方も、受容体が壊れてて復活していない可能性があるので効きが悪くて当たり前です。
覚せい剤、ダメ、ゼッタイ。
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