信頼関係は尊敬と感謝を向け合うことで生まれる
コロナ禍で長らく会えていなかった、一人暮らしをする父方の祖父の家に、両親と3人で訪ねた時のこと。
祖父の家に着いて部屋に入ると、そこに居るのは会わない間にぐっと歳を重ねた祖父でした。
今回は、ただ久しぶりに遊びに来たわけではなくて、ヘルパーさんの契約をしたり、銀行周りの用事を済ませたり、いくつかのやるべき事をするための帰省でもありました。
広い畳の居間には古新聞やチラシが散乱していて、窓の外に目をやると荒れ放題の畑。もう初夏なのに冬用のお布団が敷きっぱなしの寝室。
ヘルパーさんがいなくてもまだまだやれると一点張りの祖父。だけど、銀行印も通帳もどれがどれだかわからない様子。
家のことや祖父の身の回りを整える母と、実の父とコミュニケーションしながら一つずつ祖父が納得できる形で物事を前に進めようと向き合う父。
2人とも相当心を砕いて過ごしていたと思います。(祖父も色々な感情だっただろうなと、今になって思います。)
あれは帰る日の食卓だったと思うのですが、父がふと、
「あんたのお母さんはすごいよ。時々本物のヘルパーさんに見えるんよ。おじいちゃんに、優しく、聞き取りやすいように、大きい声で話しかけてあげててさ。」
と言うのです。尊敬と感謝が混じったような幸せそうな表情で。
心身共に疲れていただろう父がそんなことを感じていたんだと知って嬉しかったし、素敵だなと思いました。(父をそんな気持ちにさせた母も素敵だなぁと。)
普段はしょうもないことで口喧嘩している両親だけど(笑)、節目節目でお互いに支え合って尊敬と感謝を向ける。そうやって信頼関係を築いてきたのかな、なんて思ったひとコマでした。
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