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もし自分の人生に値段がつくとしたら、あなたは寿命を売りますか?

こんにちは🌞 こうのさきです。

突然ですがこんなことを考えたことはありませんか?

「人間の命」は、実際の金額にすると、いくらくらいのものだと思っていますか?

サラリーマンの平均的な生涯賃金は2〜3億円ほどだとすると、普通の人の価値はそれくらいでしょうか? それともこのような答えにたどり着くかもしれません。

人の命に値段なんてつけられない。

私も正直そう考えました。しかしこの小説では違いました。人の寿命を買い取る店が存在していたのです。


それでは今日はこの作品を紹介していきます。

三日間の幸福 / 三秋縋

これは大学生のクスノキの物語です。10歳の頃、自分の人生は30億くらい価値のある人間になると思っていた彼ですが、お金に困り、平凡で退屈な人間になっていました。

自分のつまらない人生が嫌になっていた彼。そんなとき、寿命を買い取ってくれる店に出会います。

今更、失うものなどほとんどない。

そう考えた彼は自分の寿命を売ることにします。幸福度、実現度、貢献度などをふまえた査定価格は1年あたり1万円。最低買取価格であり、彼は将来の自分の価値の低さを知ることになります。


そして残された余命3ヶ月で「やりたい」ことを叶えていきます。しかし親しい友達もおらず、以前好きだった人との関係も上手くいかず...

いくら死期が近いからといって、世界が急に優しくなるなどということはないのだ。

そう感じたのでした。


しかし彼は別の幸せを手に入れます。

それは彼の観察を続ける監視員、ミヤギの存在でした。

クスノキと近い年齢でありながら、時間を売って、監視員となった彼女。似た境遇を持つ2人は次第に近づいていきます。


ミヤギといるときのクスノキは、本当に幸せそうでした。周りからは見えないミヤギを彼女として、端から見るとひとり芝居のようですが、色んな場所へ連れていきました。

そして彼らは最後の、「三日間の幸福」を手に入れるのです。



最後の最後にこのタイトルの意味がわかります😌 初めて三秋さんの本を読んだのですが、論理的な綴り方に巧みな伏線回収。どんどん引き込まれていきました。

また別の作品も読んでみたいなと思います📚

それでは今日はこのあたりで。


#三秋縋 #三日間の幸福 #メディアワークス #大学生 #恋愛小説 #読書感想文 #推薦図書

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