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中目黒と発泡スチロールとペッパピッグ

10月23日

娘の髪を切りに、朝から中目黒へ。
昔からの馴染みの友人に切ってもらうのだ。

カット中、悟りでも開いたのかと思うくらい、石のように静かに座っていた娘。
数ヶ月前まではNetflixを見せて釣っていたのに、何だか急に大人になったみたいだ。たくましい。

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まだ朝の10時前だったので、近くの公園で遊ぶ。

いつもと違う遊具、はしゃぐ娘、水溜りにバシャン。あ、革靴濡れたな。

前日の雨で湿った滑り台を、すかさずポケットに入れたタオルで拭く。我ながら準備がいい。ニヤリとする。しかし蝶々に夢中な娘は、結局滑り台を滑らなかった。いいんだよ…青い蝶々、綺麗だね。

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お腹が減ったのかバッグに向かい、手を突っ込み食べものを物色し始めた娘。「アペル、アペル〜!!!」と泣く。仕方がない、週末なので特別にアップルジュースを出す。満足そうだ。

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その後は、ひたすら予定もなくぶらぶら。基本的に予定は立てないスタイルだ。

急に乗っていたベビーカーから身をよじって這い出した娘、目黒川沿いの道路を歩き初め、急に走り出し、何度か自転車に轢かれそうになった後(母は片手でベビーカーを押しているので、手を繋いでても逃げられたらすぐ対応できない。車が通ると流石に飛び出すが。)そうこうしているうちに「まんま!!」と言い出したので、まだ10時半だったがランチを食べに行くことにした。さっきのアップルジュールは体内で蒸発したらしい。どうでもいいが、まんま、という言葉は最近になって急に言い出した。家で教えたことはないし、私たち夫婦は言わない言葉なのだが、先週から通い出した託児所で覚えたのだろうか。娘が経験していることの全てを知っているわけではないということを改めて実感させられて、少し寂しく思う。が、そんな気持ちも走り回る娘への対処でどっかいく。色々忙しいのだ。

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昔から好きなベーカリーカフェで、ゴルゴンゾーラと蜂蜜のピザを分けて食べた。凄まじく美味しい。せっかくなので旦那へお土産に一個追加で買っておく。娘はパンと一緒にキッズミルクをグビグビ飲んでいる。家では無脂肪乳を飲ませているからか、外で飲むフル脂肪牛乳への食いつきはすごい。

お腹いっぱいになって、また近くをブラブラする。
娘はいつでもどこにいても楽しそうだ。

セブンイレブンの近くに発泡スチロールの箱が落ちているのを発見すると、まるで宝物を見つけたようにはしゃぎ、その上に登り始める。てーかして!と言わんばかりに両手を伸ばしてくるので差し出すと、私の両手をぎゅっと握って、箱の上でジャンプを始めた。笑顔がすごい。その度に発泡スチロールの箱がポン!ポ!パン!と鳴る。何度も何度も。今まで感じたことのない感覚や音が楽しいのか、その後もひたすら登ったり降りたりジャンプしたりを繰り返した。よく飽きないな〜と思いながら、そんなことを全力で楽しめる娘を羨ましく、誇らしく思った。

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目の前に定期的に通り過ぎる東横線の電車を発見するたびに、発泡スチロールの上から「ばいばーい!」と手を振る娘。都内に住むとコンクリートジャングルで楽しくないんじゃないか、と思い鎌倉や逗子の物件を必死で探していた私は、多分彼女のことをみくびっていた。なめんなと。どこでも遊べるんだぞと。そういうことらしい。

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そんなこんなでセブンの前で気付けば30分は経っていた。満足そうに歩き出した娘の先に今度はタイ料理屋があり、そこでも立ち止まる。象と鹿がいたからだ。象の目を指刺して私を見る。これは?と言っている。「目!」と言うと、嬉しそうに自分の目を指差す。その時、反射で目を閉じるのがひたすら可愛い。脳内でオキシトシンが出てる気がする。その後も鹿の頭をポンポンして、象の耳を動かす。なんと象の耳は動くタイプだった。全く知らなくていい情報だが、おかげで今まで何十回と素通りしていたこの象と鹿に親しみを抱くようになった。こうして娘の存在が街の至る所に刻まれていく。

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私がぼーっとしていたら、トタトタと路地裏に入り、使われていない通用口の入り口で登ったり降りたりを始めた娘。本来は「ここは遊んじゃダメなんだよ」と言わなきゃいけないのかもしれないが、どう考えても誰かの不利益にならないので何も言わない。言われたらやめるが、99%言われないだろう。一生懸命遊ぶ娘の好奇心やワクワクを、他人の目が気になる、多分ルールだからという理由で無闇に消したくはないのだ。

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その国のソーシャルノーム(社会規範)の違いだろうが、オランダではほとんど聞かなかった親の「ダメ!やめなさい!」という声を、東京ではしょっちゅう聞く。改めてクレヨンしんちゃんを観ると、みさえが怒ってダメダメ言いすぎててしんちゃんが可哀想になった。Peppa Pig(ペッパピッグ)のみたいな大らかな子育てが良い。マミーピッグとダディーピッグはいつも笑っていて、ジョージとペッパはとても自由で幸せそうだ。

気づいたら娘は石遊びを始めていた。私の手のひらに一つずつ乗せていく。

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のせすぎて、溢れてしまった。

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今日もいい天気だ。

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おやすみ。



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しばらく更新できておらず、失礼しました。日本帰国、隔離、引越し、田舎帰省、保育園探し、仕事…と翻弄されていました。東京の保活まじ半端ないです。

本文中にも触れましたが、オランダに比べ東京では子供をコントロールしようとする親がとても多い気がします。コントロール、というと強い言葉ですが、例えばもう少し遊びたいのに「もう帰るよ!」と、子供の話も聞かずに自転車に乗せてしまうようなことです。もちろん早く帰らないと夕飯の支度が、上の子のお迎えが、などあると思いますが、もう少し対話をしても良いんじゃないかと思うのです。オランダにいると、親が子供を一人の人間として尊重しているのがよく分かります。もう十分遊んだでしょ!というのは親の考えで、子供にしたら「あとすこしで完成する…」「これだけはやりたい、どうしてもやりたい」というのがあるのかもしれません。それを有無も言わせず引っ張られたら、こどもは悲しいし、傷つくんじゃないかと。そうではなく「まだ遊びたいの?」と聞いて「わかった、でも今帰らないとご飯食べるのが遅くなっちゃうから、後一回だけ滑って、そしたらさようならしよう?いい?」「また明日来るからね。続きはそのあと。楽しみだね。」という風に、代替案を提案したらどうでしょうか。

というのもまだ一歳九ヶ月の娘でさえ、イヤイヤ期特有の頑固さの中、ちゃんと話したら分かってくれるから驚いてるんです。最近自分でズボンを履くことに一生懸命で、お風呂の前にせっかく脱がしたズボンをすかさず履きたがるのでまぁまぁ困るんですが、試しに一回何も言わずに履かせてみて、ついでに褒めたら、満足そうでその後は文句を言わずにお風呂に入ってくれました。きっと無理矢理剥ぎ取ったら、お風呂どころじゃなかったと思います。それでもグズグズ言う時でも「これはお風呂出た後で履くからね。あ・と・で!」と言うと、素直に脱がせてくれます。「あ・と・で」は魔法のワードです。

イヤイヤ期の行動は、ちゃんと話したら半分くらいは実は解決するんじゃないかと思う今日この頃です。


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