はじめに
こんにちは!今回の番外編はPRチームより鈴木が担当します。
気づけば文フリまで2か月を切りました。びっくりですね。
当合同編集部では、延びたり延びなかったりする〆切と共に原稿執筆や様々な作業が進行し、着実に本が作られてきています。
その模様をお伝えしたいところなのですが、いかんせんそれぞれのチームの担当者は作業真っただ中でインタビューなり記事作成なりを依頼する余裕がない……!
ということで、今回も番外編。テーマは『執筆環境』です。
同人作家って、どんなふうに小説を書いているの?
さて、小説の執筆というと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
静かな書斎、俗世から離れた宿、締め切り直前のカンヅメ、カフェや図書館。
小説に限らず、アイデアを思いつきそれを形にするというというなんともつかみどころのない行為に集中するためには、より良い環境で作品と向かい合いたいものですよね。ちょっとインターネットを見回してみると、なんと原稿執筆プランなるものが存在する旅館などもある模様です。
しかし実際のところ、できる範囲でやっていくしかないわけで……。
Quantum合同編集部のメンバーは仕事をしながら小説を書く5人と、研究にいそしむ大学院生の集まりなわけですが、いったいどんな環境から文章を生み出しているのでしょう?
同人作家の実像に迫るべく、そして、合同誌のテーマでもある「小説はどのようにして生まれるのか」という問いにハード面からも考えてみるために、編集部員のみなさんにアンケートをとってみました。
質問項目は以下の通り。
①なにで(どうやって)書いてる?
②どこで書いてる?
③いつ書いている?
④一番捗ってるときはどのくらい書ける?
⑤執筆のお供といえば?
⑥アイデアが思いつくのはどんなとき?
⑦執筆に詰まったとき、何する?
⑧執筆中、おろそかになりがちなことってある?
⑨自由記述欄
回答期間は3月12日~15日。執筆期間真っ只中。
みなさん原稿に研究に生活にお仕事にと、お忙しいなか回答ありがとうございました!
回答編
ちなみに鈴木の回答はこんな感じです。
ケースⅠ:鈴木三子
執筆に慣れない、というか集中力が散漫なもので、書かなきゃな~~と思う気持ちばかり膨らむ中、なんとか原稿にしがみつき、時によそ見をし、絞り出しています。最近の逃避行動のムーブメントはXのインプレゾンビスパム報告。Xを開くな。
正直、今回『執筆環境調査』記事を思いついたのも、いったいどうすれば集中できるの?普段から小説書いてる人ってどうしてるの!?という個人的興味がきっかけです。あわよくば参考にしたいものですが……。
ここからは前回の『編集部員紹介』と同じく、名前の50音順で見ていってみましょう!
ケースⅡ:石田幸丸
わあ。いきなりボリューム感のある回答が出てきました。
コワーキングスペース、都会的ですね。自ら集中できる、しなければならない空間に身を置くのは確かに大事な事かも。自由記述欄には自由とありますが、⑤にあるように、むしろ自分を律する様子が見受けられます。
これが今回の合同誌でただ一人すべての作品を〆切当日(一日を24時間とした場合)までに提出できた人間の貫禄……。
一方で、何だか教養漂う身の滅ぼし方をしているようです。
ケースⅢ:岡田 進之介
今回企画を担当する岡田さん。発想し、書く、という点では小説書く人も研究する人も同じ、ということで遠慮なく聞いてみました。
Notion?メモアプリかな?と思ったら、メモもタスク管理もwiki作成もできるというクリエイティブなクラウドツールのようです。情報の整理方法も進化しているんですね。
ひとつの論文が世に出るまでにかかる時間や労力に迫力を感じます!
ケースⅣ:那智
踊っているようです🕺
音楽などの感覚的なところが執筆と共にあることがうかがえます。書くとき音楽がある方がノる人と、静かじゃないとダメな人って結構はっきり分かれる気がしますね。
身体のことが邪魔に思えるほど小説に没頭する集中力がすごい。
真夜中の自意識は信用ならない問題は私も感じるところです。勢いよく書けるのは良いものの読み返してみると……という。「読み返す」という工程もなかなか難儀ですよね。
ケースⅤ:原石かんな
ポメラ!小さいワープロみたいなやつですね。ポメラニアンの怪獣みたいな名前でいいなあと前々から思っていたら「ポケットメモライター」の略称なんですってね。今調べて知りました。ああいう単機能のガジェットってモノとしての佇まいがプロフェッショナルな感じで憧れます。
画面の中で文をつなげていって全体像を描く書き方はデジタルならですね。
アイデアを思いつくタイミングには、那智さん同様「寝る直前」があります。意識が無意識のそばにある時に掴みやすくなるのでしょうか……。
ワニ料理調べてみたらお腹減ってきました。
ケースⅥ:久湊有起
①の創作ステップに並々ならぬこだわりを感じます。経由するアプリケーションが多い!Scrivenerって何?すくらい……すくりべ……?(スクリブナー〈代書人〉って読むんですね。執筆から構造化まで、さまざまな形式の資料を参照しながら作業できる文章作成ツールだそうです)
彼もまたコワーキングスペースの使い手です。始業前にも書く時間をとっているとは、当合同誌の中ではめずらしく朝型というか、非夜型。
仕事と執筆でなんだかとても大変なことになっている様子がひしひしと伝わってきます。
おわりに よりよい執筆のためにできること
以上、アンケート結果でした!
前回の編集部員紹介に加えて、さらに執筆陣の解像度が高まったのではないでしょうか。
個人的にも大変面白く読ませていただきました。
執筆環境はまさに十人十色ですね。
スマホやPCが主要なツールであることは共通していましたが、その中でもそれぞれのやり方がありました。
言葉が人間の思考を広げたり狭めたりするのと同じように、道具が主人(だと思っているもの)に与える影響というものは少なくなさそうです。
同じ着想を持った同じ人が、異なる方法でアイデアを広げていったら、果たしてそれはどう変質するのか、あるいはしないのか……とか考えちゃいますね。
また、そういった実験が現実には不可能だという再現性の無さも人の生み出す創作の面白さであり、得体の知れないところかもしれません。
などとぼんやり思ってみましたが、執筆初心者としては
・意識して執筆に集中できる時間を日常に組み込むこと
・アイデアをとらえ育ててゆく方法を自分の中で確立させること
といったところが、書こうとするうえで大切なのかも、と感じました。
あと、④の質問に関しては素朴に知りたい枠でしたが、一番書けるときの文字量のことを考えすぎると、〆切に対して「逆算すればいける!」と思っちゃいそうでよくないな、と今回の執筆を経て思いました(自戒)。
一気に書けるときもあればどうしても書けないときもありますもんね。
自分でコントロールできるのは書く機会をつくるところまでなのかもしれない……。
それでは、長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
『文学の同人誌を作って頒布するまで』本編もお楽しみに!
こちらのnoteアカウントでは、「文学の同人誌を作って頒布するまで」と題して、合同編集部6名による制作過程のドキュメントを公開してゆきます。
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