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親になってから感動ポイントが変わった話

この間、小3の長男とドラえもんの映画を見に行きました。親子揃って感動し、シクシク泣きながら見たわけですが(笑)、見終わった後、ふと自分が感動するポイントが少し変わったことに気がついたので忘れないうちにそれを言葉にしてみようと思います。


映画を見に行くようになったきっかけ


ウチの家庭では映画館で映画を見る習慣はありませんでしたが、いつの日か長男がドラえもんの映画CMを見て、「見に行きたい!」と言い出したことがきっかけでドラえもんだけは毎年一緒に見に行っています。
ボクが子ども時代のドラえもんと今のドラえもんとでは、声優の方が変わっていること、声もフォルムもボクの時代よりも可愛らしくなっている?ぐらいでその他の設定は大きく変わっていません。映画の中身も、なぜかいつもより優しいジャイアン、のび太よりも臆病な面が強調されるが最後は一歩踏み出すスネ夫、いつも優しいしずかちゃん、そして普段は弱虫でドラえもんに頼り切りだけど困難に勇ましく立ち向かうのび太というところも基本的には同じです。
長男は割と感受性が高いタイプで、のび太が一生懸命にドラえもんや友達、周りの人のために頑張る姿を見て毎回涙を流しています。ボクも息子の涙に誘われ泣いてしまうこともしばしば(笑)。ベタですが、のび太の普段の姿と大きな壁にぶつかった時に見せる勇気あふれる姿とのギャップに感動してきたわけです。

映画のあらすじ


今年は音楽にまつわる映画でした。

学校の音楽発表会に向けてリコーダーの練習を頑張るのび太ですが、一向に上達せず周りから笑われる始末。見るに見かねてジャイアン、スネ夫、しずかちゃんが一緒に練習をしてくれることとなりましたが、そんなときに宇宙からやってきた少女と出会い、そこから様々な出来事に発展していきます。

今までと違う感動ポイント


ここから先は、今までのシリーズと同様にみんなで困難に立ち向かう展開が待っています。ボクと長男はやはり、のび太の勇気あふれる行動に心打たれるわけですが、今回は違う感動ポイントがありました。
映画の最後に音楽発表会当日を迎えます。セリフはありません。今まではみんなと比べて上手にリコーダーを演奏できないことに泣きわめいていたのび太でしたが、当日はにこやかな表情で頑張るのび太の姿、そしてそれを優しく見守るのび太のママの姿がスッと目に飛び込んできました。その瞬間ボクは号泣(笑)。わずか数秒のシーンだったのでその時は自分が何に感動しているのかピンときませんでした。
正直、今回のシリーズでのび太ママが特別に多く登場するわけでもなく親子愛を強調したシーンもありません。でも、ボクはあののび太ママの優しい眼差しに一番心を動かされました。

感動ポイントを深堀りしてみる


のび太はとにかく周りと比べて上手にできないことが多く、それを周囲からバカにされたりします。そして困ったときはすぐにドラえもん頼り。自分がのび太の立場だったらと考えると、自己肯定感はダダ下がり、周囲の評価も低い、おまけに人に頼るクセが付いてしまって自分に自信がない。結構毎日がしんどそう(笑)。
でも、自分の大切な人が困っていたり落ち込んでいるときにはそっと手を差し出してくれたり、気持ちに寄り添った優しい言葉をかけてくれる。時には自分の身の危険も顧みずに助けてくれる、そんな一面もあります。そんな行動を起こさせるものは何なのか不思議に思っていましたが、今回の映画のラストシーンを振り返ったときに、お母さんの大きな愛に包まれているからなんじゃないかと感じました。のび太ママはいつもガミガミ口うるさいイメージですが、数秒のシーンで見たのび太ママのあの穏やかな表情に、ボクは母親の息子に対する深〜い愛情を感じ取りました。失敗ばかりで落ち込むことが多いのび太が、なんだかんだいつもニコニコしてすくすくと育ち、ときに人のために勇気ある行動ができるのは、いつも何をしても受け止めてくれるママ(パパ)の存在があるからじゃないか、そんな背景を勝手に想像して泣けてしまいました。

親として子どもにできることとは


親になってから早8年ほど経ちました。子どもが自分でできることが増えてくるにつれて、他の子と比べてしまうことも増えたように思います。我が家では、「〇〇(友達、兄弟など)と比べて〇〇だ」ということを本人の前で言うことはNGとしているので、本人に向かって言うことはありませんが、夫婦の会話では人と比べてこういうところがあるから少し心配だねというような話はしたりします。
でも、今回の感動ポイントを振り返ると、「いつでも僕たち私たちは君たちを応援しているよ」という親の姿勢が子どもに伝わっていれば、親が人との比較論に囚われずとも、来る人生の困難に立ち向かっていけるんじゃないかと感じました。そして、その困難の乗り越え方は人それぞれであって人と比べるものではない。当たり前のことかもしれませんが、そんな気付きがありました。子どもが成長していく過程で、人と比べて自分はどうかという意識に苦しみ、ときに落ち込むことがあるかもしれません。でも、たとえ心が沈み込んでも、グッとそれらの気持ちを押し返して再び這い上がる力を持てるかどうか。それは親が子に対してあれこれ口や手を出すのではなく、あののび太ママのような温かい眼差しで普段から子どもを包んであげられているか。そんなことを振り返るきっかけとなった出来事でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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