主人の休職開始後、夫婦の立場が逆転してしまった話

前回の続き

主人が体調を崩して休職を余儀なくされてしまった。そして休職中、暇を持て余したのか家事に精を出す主人。私はここぞとばかりに仕事に打ち込むようになっていったのだった。

主人の代わりに私が仕事に没頭するようになった

すっかり主夫業が板についてきた主人に甘え、私は「代わりに稼いでくるぜ」と言わんばかりに仕事に打ち込んだ。

正直なところ、子どもたちと向き合うことよりもパソコンに向かっているときのほうが数百倍も数千倍も気持ちが楽なのだ。丁度いい「逃げ場」ができたと言っても過言ではない。

主人が仕事をしている頃は、朝9時頃に子どもたちを保育園に送りに行き、必要なものがあればその帰りがけにスーパーやホームセンターに寄って買い出しを済ませ、帰宅後一通り家事をして10時半〜11時頃に仕事を開始するような調子だった。

(ちなみに、このように note などでアウトプットしたい時も仕事開始前に時間を確保するようにしている。)

夕方も16時頃には仕事を切り上げて夕飯の支度や風呂掃除・お湯はり・洗濯物を取り込んで畳んで仕舞って...と1時間くらい家事をしてから17時頃にお迎えに行く、というような流れ。

それが、主人が主夫をはじめてからはガッツリ9時17時で仕事できるようになってしまったのである。丁度その頃稼働し始めたプロジェクトも重なっていたので願ったり叶ったり。とても集中できる環境をありがとうと言わんばかりだった。

甘えに拍車がかかるシステム

しかも保育園のお迎えから家に到着してみると、もう夕飯がセットされているのである。お風呂も湧いている(まはた夕飯のあいだに沸かしている)、夕飯を食べ終われば自動的にお風呂へGOの段取りが出来上がっているのだ。

すごい。よくぞここまでスムーズなフローを確立されましたね!

と全力で褒めるレベル。(実際主人には都度都度「すごい!」「ありがとう!」と伝えたいた。)

しかも夕食のバリエーションも休職半年間で増えていき、圧力鍋で炊いたごはんにお出汁から取った上品なお味噌汁にもう1品、というほっこりメニューの日もあれば、ビーフシチューに厚切りバケットという子どもも大人もテンションだだ上がりな鉄板メニューな日もあるのだ。和洋中一通りこなすしどれも毎日美味しいのだ。

主人が元々料理好きだったのもあるが、この半年でその腕に磨きがかかったことは間違いはなかった。

出張にも何度も行かせてもらった

甘えに甘えて、出張にもちょくちょく行かせてもらっていた。子どもたちを主人に任せて、自分は東京へ1泊2日の弾丸旅行。

以前も書いたが、普段オンラインで話している人たちとリアルで会えるのだから「オフ会」そのものである。楽しい以外の何物でもない。その上、普段の田舎生活では得られない刺激に満ちあふれているのだ。出張というより、もはや「旅行」である。

「そんなに東京に行って何が違うのか?」と思われるかもしれないが、田舎住みのデザイナーの端くれにとって、東京は「情報の震源地」以外の何物でもない。田舎にずっと籠もっていても、新しい情報を得られる機会というのはそうそう無い。

この点については話がそれてしまうので、また別の機会に詳しく書いてみようと思う。

ともかく、休職中の主人のおかげで、仕事も出張も大層楽しんでいる妻がそこにはあったのだ。何とも皮肉なものである。

とうとう「家事に協力して!」と言われてしまう

そして悲劇は訪れた。復職も視野に入れて、諸々調整に入った頃のことである。

「タオルを畳むときはこう!」「靴は揃えて!」「洗濯物出すときはこうして!」「何でお茶碗すぐ洗わないの!」「子どもたちのオモチャを片付けるときはこのボックスに入れて!」

などなど、家事に対する「注文」が入るようになったのである。

あ、これ、普段の私の逆バージョンだ。

とすぐに気付いた。私たち、入れ替わってる〜〜〜!!!(何)

おそらくは私があまりにも家事をしなさすぎて、嫌気が差したのだろうと思う。少し前の主人の姿と重なった。

言わずもがな、夫婦はチームだ。子育てはチーム戦。どちらか片方の負担が大きくてはダメだし、かといってお互いに共倒れになるようなこともあってはならない。

子どもが生まれると「稼いでくるのが男の仕事。」と言わんばかりに残業に勤しむようになるパパさんたちも何人も見てきたが、おいおいそれは違うだろう、目の前の妻と赤子を何とかしてくれ!何でもいいから手伝え!と思っていたものだ。

それなのに今。現実問題として。主人の主夫業に甘えて家のことをおざなりにしている自分がいる。

これは由々しき事態だ。

とはいえ同時に「なるほどこれが一般的な夫婦間でのギャップか」という気付きにもなった。

ここから先はまた長くなってしまうので、別の記事としてアップしてみたいと思う。

もう少しだけつづく。


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