見出し画像

【構成課題】桃太郎 セカンドチャレンジ

ありがたいことにお師匠様から昨日の「キジから始まる桃太郎」にコメントを頂きました。

①「その青年」の「その」は何を指すのか。「その」はすでに出てきた何かを指す言葉。読者の頭の中はまだ情報量ゼロなので、アウト。奇妙な格好をした青年が~とか、3人称的に描写してみてください。
②語り手は誰?「~そうだ」は誰が誰に聞いたのか不明。誰が誰に聞いたのかという枠を設定しないのであれば、人格のない三人称(ライター的文章)に徹しましょう。「土産にしようと持ち帰った」でOK.「ここで冒頭のシーンとなる」は使わずに自然につなげてほしい。
③同じシーンを2回書かない。2回書くのなら冒頭に書く意味はない。キジとの出会いから始めた甲斐のある文章にしてほしい。

ぐうの音も出ない

ぎゃふん。


書き直してみました。キジスタートで、三人称を保ち、キジの登場に意味を持たせ(?)、繰り返し書かないように意識します。

キジから始まる桃太郎

青年は1匹のキジに向かってハッキリと言った。「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」。キジは答えた。その答えは図らずしも既に青年の仲間となったイヌ・サルと同じものであった。「お腰に付けたきび団子を1つ下さい。お供しますよ」。

青年の名は桃太郎という。粗末ではあるが丁寧に作られたことが一目で分かる服を着ている。体つきはがっしりしており、眉は濃く、意志の強そうな顔立ちだ。元服はしているようだが、赤く染まった頬には幼さを残している。

桃太郎という名前だけでも風変わりであるが、なにより珍妙なのは仲が悪いことで有名なイヌとサルを従え、さらには腰にきび団子をつけていることだ。古今東西、旅装には様々な形があるが、きび団子を携えるのは吉備の年寄りくらいではないだろうか。


青年に桃太郎という妙な名前がついたのには大きな理由があった。見た目が桃のように丸々としているからでも、桃が大好物だからでもない。桃から産まれたから「桃太郎」なのである。この名をつけたのは、川で桃を拾ったおばあさんと、おばあさんと共に住むおじいさんの二人だ。

桃太郎が幼い頃から何度も聞かせられてきた、二人と桃太郎の出会いはこうだ。

おじいさんとおばあさんが桃太郎と出会った日も、二人はいつも通りの日常を送っていたらしい。おじいさんは山へしばかりに行き、おばあさんは川で洗濯をしていた。そこへドンブラコ、ドンブラコと上流から大きな桃が流れてきた。おばあさんは桃を川から拾い、土産にしようと持ち帰った。

二人が桃を食べようとして切ったところ、中から元気の良い男の赤ちゃんが出てきた。おじいさんとおばあさんの二人には子供がいなかったので、神様からの贈り物だと考え、とても喜んだ。そしてその赤ちゃんを「桃太郎」と名付け、育てることにしたのだった。


強く逞しく育った桃太郎は、村を襲い食糧や宝物を奪っていく鬼たちの噂を行商人の男から聞いた。鬼たちに襲われた村は10をゆうに超えた。鬼たちが田畑を踏みつけたためにその年の実りも少なく、食糧を買うこともできず、年をまたいでも飢えに苦しんでいるという。鬼たちは丸々と肥えており、どう見ても遊びに村を襲っているとしか思えない、と、苦々しげにその行商人は言った。

正義感の強い桃太郎は、鬼ヶ島へ行き、鬼たちを退治すると決意した。

旅立つ桃太郎のために、おばあさんはきび団子を作った。受け取ったきび団子を腰に付け、刀も持ち、桃太郎は家を出た。

旅の仲間が欲しいと思っていた桃太郎だったが、鬼退治に行くと聞いて話に乗ってくる人間は一人もいなかった。例外がイヌとサルの2匹だ。桃太郎の持つきび団子をくれるなら、ともに鬼退治へ行くと約束し、仲間となった。イヌとサルによれば、彼ら動物にとってきび団子は滅多に食べられないご馳走らしい。

プライドが高く日々鍛錬に励むイヌと、手先が器用で知恵も働くサルは、どちらが鬼ヶ島で桃太郎の役に立てるかといつも言い争っていたため、宥める桃太郎にも心労が溜まっていた。仲間が必要だった。

キジから行き先を尋ねられ、鬼ヶ島へ鬼退治に行くと答えた桃太郎。腰につけたきび団子の効果もあってか、キジもイヌ、サルに続いて3匹目の仲間となった。キジは争いを好まない性格で、常に達観していた。イヌとサルがつまらない争いを始めると、羽をバサバサとふり、ふたりを6秒間黙らせた。イヌもサルも、なぜだかキジの羽音を聞いたあとはスッと冷静になれた。


きび団子3つと引き換えに、3匹目のキジの仲間を手に入れた桃太郎は、遂に鬼ヶ島に到着した。朝靄のなか、鬼ヶ島では、鬼たちが派手に酒盛りを行なっていた。キジが偵察に行き、酒盛りで並べているご馳走や宝物はすべて近くの村から盗んだもののようだと報告した。

鼻の良いイヌが言うには、腐った食べ物の匂いもしているという。村から持ち帰り、食べきれなかった食べ物はそのまま放置しているに違いない。と冷静にサルが分析した。

許せない。覚悟を決めた桃太郎は仲間たちに声をかけた。
「みんな、ぬかるなよ。それ、かかれ!」
イヌは鬼のおしりにかみつき、サルは鬼のせなかをひっかき、キジはくちばしで鬼の目をつついた。桃太郎も刀をふり回して暴れに暴れた。

鬼ヶ島へ復讐に来る人間などいないと鷹を括っていた鬼たちは、金棒を船に置き忘れていた。
たらふく食べて呑んでいたために千鳥足だった鬼も多く、島の洞窟へ逃げ込むこともできず、桃太郎たちから一方的に攻撃を受け続けた。それでも、桃太郎たちは鬼の親分が「まいったぁ、まいったぁ。こうさんだ、助けてくれぇ」と、手をついて謝るまで闘い続けた。

桃太郎と3匹の仲間は、二度と人間の住む村は襲わないことと、孫のそのまたひ孫までずっと、イヌとサルとキジは口にしないと鬼たち一人ひとりに誓わせた。


鬼たちとの闘いに勝った桃太郎とイヌとサルとキジは、鬼から宝物を取り上げくるまに乗せて、鬼ヶ島を出て自分たちの住む村へと元気に戻った。

おじいさんとおばあさんは、桃太郎の姿を見て無事を知り、大喜び。持ち帰った宝物を鬼に襲われた村に配り、いつまでも感謝され続けながら幸せに暮らしたという。



描きたいところだけ盛り盛りに書き込んでしまった。オラ、小説家にはなれねえ・・・(知ってた)。

時代考証(?)は全くできないので、かなり適当です。中学歴史と高校古典のイメージだけで書いてます。持ち物とか顔とかきび団子を持って旅に行くのはフツウなのか?とか、すべてテキトーです。ごめんなさい。というか桃太郎って幼名なのでしょうか?わからない。




お師匠様へ。

三人称の物語なんて、書いたことないですよ?!簡単に言いましたね?!書き始めてから難しさに気づきましたよ!?
(昔ノートに書いていた燃やしたいほど恥ずかしい二次創作のような何かはカウントしない)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?