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【エッセイ】2024年の始まりに…。

きっと私はあの日を忘れないだろう。
好きが仕事になった日。

いつの頃からか、書くことが私の生活の一部になっていた。心の中を文字にすることで、どれだけ救われてきたのだろう。書くことは日常であり、私そのものであり、生きる意味であり術であった。


ふーっ。
ここまで書いて、パソコンを打つ指が止まる。
noteの更新を休んでいたこの数ヶ月を、どう伝えたらいいのか‥。


毎日毎日、仕事でパソコンに向かい文字を打っているのに、こうして「自分」と向き合うのは久しぶりだと思った。
同じ「書く」という作業なのに、仕事のそれと、こうして自分の心情を文字にすることは、どうやらまったく別の作業のようだ。


昨年は多忙な日々の真ん中で、自分について考えることも振り返る余裕もないまま、noteも開けずにいた。



年明け束の間の休日。
テレビから流れてくる悲しいニュースに心が痛む。どんな人もそう。ここにある毎日がいつ無くなっても不思議ではないのだ。
いつでも書けるわけじゃない。今しか書けないことがある。


「一緒に働きませんか。」
2023年4月。現在所属している会社の社長の一言で、私の運命は大きく大きく動き、それはまったく想像していなかった道へと導いてくれた。


まさに運命の分かれ道だった。
あの日を境に書くことが本業になったのだ。
奇跡だと思った。
「書きたい」そう強く願う気持ちが奇跡を呼んだのだと。


その後、7年半勤務していた会社を退職。今はライターとして、グルメ記事を主に、インタビュー記事、体験記、イベントの告知諸々、その他、Instagramのリール制作、サムネ画像制作などをしている。

これまで全く別の業種で働いてきた私にとって、好きな事とはいえ未知の作業の連続。幾度も不安で押しつぶされそうになった。
楽しいのに苦しいのだ。
「大丈夫、絶対できる」何度そう唱えただろう。


ひとつひとつの作業を終え、完成し形となり自分の手を離れ、世に放たれる。姿かたちは違えど、すべて私の大切な宝物だ。



見上げた空に浮かびあがる真昼の月を見ながらあぁ‥そういうことなんだ、と思った。

一個一個はいつも心許なくて、頼りない小さなピース。根気よくコツコツと向き合い進んでいくことで、得られるものが確かにある。
決していつも見える訳ではない。手応えも感触も掴めなくて不安になる。

 

それなのに分かるのだ。
時折こうして姿を現し、その存在を教えてくれる。確かにここにあるのだと。

すべて満たされることなどなくていい。


好きだと思えることがある。この瞬間がある。それでいいと思った。

きっと私は忘れないだろう。
好きが仕事になった日。


小さなピースを握りしめ、もがきつづけるこの毎日を忘れないだろう。

白く浮かぶ真昼の月が遠くに見える空の下。


狂おしいほどに澄んだ空の青さを忘れることはないだろう。





今年も宜しくお願い致します。
被災された皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。


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