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挑戦の時の不安時に●●●●を思い出してみる

「おじいちゃん、ちゃんと後ろ押していてよね」記憶の片隅に残っているおじいちゃんへ投げかけた言葉を時々思い出す。

母のお父さん、私にとっての祖父である。私がほんとに小さかったけど、おじいちゃんとは楽しい想いでしか残っていない。
私が疲れたら、おじいちゃんは私をおぶってくれた。

おじいちゃんの家は自転車屋さん。

油の臭いがいつもしているのがおじいちゃんの仕事場だ。パンクして困っている人たちを助けてあげていたのは、少しだけ覚えている。困った顔のお客さんもおじいちゃんに自転車を直してもらい笑顔で帰っていく。
「おじいちゃんは人を幸せにするんだな」と小さい私は思っていた。おじいちゃんには魔法の手があるんじゃないかとも思っていたに違いない。

おじいちゃんがある日、三輪車よりも大きい自転車を私にくれた。二輪車というやつだから乗ってみろ、と私の体よりもちょっと大きなものだった。
「後ろに補助輪という小さなタイヤが付いているから心配ないよ」と自転車が変わったことに不安な顔の私におじいちゃんは言った。

乗ってみると大きい割には乗りやすい、後ろの小さな二つのタイヤが私を守っているように思えた。どのくらいの期間、乗っていたかは忘れてしまったけれど。

乗る練習は近くの小学校の校庭だ。夏休みで人は少なくて広い場所が練習するにはぴったりだった。

ある日、おじいちゃんは、私の自転車をいじっていた。後ろの小さなタイヤを外していた。私は何が起きるのか予想もできなかった。いつものように「麻美、自転車に乗りに行くぞ」とおじいちゃんは言った。夏の太陽がギラギラと輝いていたけれど、自転車に乗った時の風で暑さなんて忘れてしまう。
「今日は、小さいタイヤを外したからおじいちゃんが後ろを押してあげるから、心配しなくていいよ」と言う。小さな私はその言葉が何を意味するのかまったくわからなかった。

おじいちゃんが後ろを押してくれているけど、そんなに速くは走れない、そして急にフワッと自転車の後ろが軽くなった。ペダルを踏めば踏むほど速くなる。
その時、はるか向こうの方でおじいちゃんの声がした「麻美、一人で乗れているよ、小さなタイヤなしで」。

体は覚えているのだ、フワッと心地よかった、風に乗った瞬間。

最近、ある企業様から瞑想講座の立ち上げのお声をいただいた。新しいことへのドキドキ感。不安で押しつぶされそうになる。
私は目をつむり、あのフワッと風に乗った感覚に身を委ねる。次第に心が落ち着いてくる。

か ん か く (感覚)は挑戦する時の気持ちを助けてくれる私にとっては最強の仲間だ。


自分を受容できるようになったマインドフルネススキルを皆さんにシェアして社会に貢献していきたいです。これから色々なことを発信していこうと思います。サポートは、これらの発信活動と学びに使わせていただきます。