見出し画像

職場にいたADHD/ASDの先輩について思うこと。

去年の冬にその先輩は辞めた。

本人はステップアップのための前向きな転職だと言い張っていたが、本当は違うような気がする。
ただ最後のプライドと、今まで受けてきた職場での仕打ちが彼をそうさせたのかなと思う。


私はその先輩がいた部署に配属になった時、奨学金返済のために地方都市で3年間出稼ぎに行き、帰ってきたタイミングだった。
田舎(というか地方都市だけど)の暮らしは予想以上にしんどくて疲弊していたのだけど、社内でも噂になるくらい厳しいとの場所だったので、新卒でそこへいけばしんどいのも当たり前だろうと思う。

話を戻して、地元に帰ってきた時に配属になったのが、その先輩のいる部署だった。


本で読んだ通りのADHD/ASD併発

その先輩に会って自己紹介をした時のことを覚えている。
ネームプレートで名乗り、よろしくお願いします、と言った。彼も名乗ってくれて、抑揚のない声で「珍しい苗字でしょ」と言った。
ちょっと理系オタクっぽいけど、悪い人ではなさそう。そう思った。悪い人ではない、というのはその通りでもあった。

しかし職場での他のスタッフの対応は、初めて見る私からするといじめやパワハラにみえた。なぜ…と疑問に思って観察していると、だんだん理由がわかってきた。

同じミスを連発し、怒られても意に介さず(そう見える)反省していないように見える。

ミスや欠点をざっと書くとこんな感じです↓

・挨拶ができない。
・敬語が使えない。
・身だしなみが整ってない。加齢臭というか疲労臭?がする。漂う不潔感。
・人とすれ違う時にどの相手でも譲らない、上司でも気にせずぶつかる勢いで向かっていく。
・そもそもミスしてはいけない業務でミス連発。
・そのミスが通常だと有り得ないもの。
・無意識のうちにミスをしてその時の記憶がない(数秒間意識が飛んでいる)。

そしてそれらを結構強く指摘されても一向に改善せず、同じことを繰り返す。

ただ、そのポンコツな先輩に対しての周りの扱いもなかなかのものでした↓

・お前は障害者だ言われる。
・臭い、と直接言う(ただし本当のことではある。言うのはちょっと憚られることだけど…)。
・ファブリーズを吹きかける。
・ロッカーに「人をじろじろ見ないで。次やったら上に報告します」との紙を貼られる。
・怒鳴る勢いで「何やってんだ!!」と叱責。
・昼休みに近くの席に皆座らない。
・ミス連発に便乗して他のスタッフのミスをなすりつけられたりもしていた。ただ本人も忘れっぽいのと自信がないようでやったかも…と言っていたけど。否定しろよ!

などなど。

正直配属当初の私は、確かに本人も悪いところがあるかもしれないけど、それを利用したいじめなのでは??と思っていました。

ただ、ミスが多い、動作がてきとう。でも悪意はなさそう。言ってはいけないことを言ってしまう。
前に本で読んだアスペルガー症候群、ADHD、ASD、などの発達障害の人の特徴そのままだった。

でもその先輩からは悪意は感じられず、子どもを見ているようだった。できないことが多くて、他人から指摘されるとその場しのぎの嘘をついて、バレてさらに怒られて、先々を考えられない。でも純粋で人を疑わない、悪意があって人を不快にさせている訳ではない。それがわかった。

私は悪意があるかないか、わかっててやっていたかそうでないかって大事だと思ってます。
例えば、友達の大切にしているモノを壊してしまったとして、それが友達にとって大事なものだとわかっていた場合とそうでない場合って、感じ方が明らかに違いますよね。

わざと大事なものを壊したのなら、壊された事実+悪意で大変不快ですよね。
相手のことを理解しているくせにわからないフリをして「ごめん、わからなかった」っていうのは、本当に罪悪だと思います。
裁判でも悪意があったか、計画的な犯行だったのかが議論されますが、判決を決める時の材料になるものだし、重要なのは間違いない。

だから、ポンコツすぎてとても先輩と思えなかったけど、嫌いではありませんでした。そこまで嫌がらせしなくても…と思うこともあったし、最後職場に置いていったお菓子を皆が放置していたのを見た時はなんだか辛くなった。


なぜ辛くなったかというと、私自身ADHDやASDの傾向があるから。

ただ、学歴や資格はそれなりのものを取れたし、決して障害者扱いされるほどのものではない。普通の人間として(疲れるけど)演技することもできる。たまに出会うコミュ障な人、くらいで済むと思うし仕事も問題なくできる。

だけど、その先輩がなぜミスするのか、しやすいミスはなんなのか、誤解されやすいけど、どうしてこの言動なのかを理解している自分としては、見ていてやるせなかったし、自分と重ねていることもありました。

ちょっと違ったら私もこんな扱いだったのかな、他の人たちはこんなことを考えながら発達の人と接しているんだ。理系である程度の学力がある場合そういう人も多そうだけどそれを受け入れてはくれないんだ…。

ただ、仕事のできない先輩に対して「変わる努力はしてほしい!」とずっと思っていました。その人が叱られることで場の空気が悪くなる。
それも嫌だったし、私も昔はミスばかりしていたり、できないことがたくさんあった。
でも少しずつ注意して、自覚して、勉強して、努力してゆくことで改善されて、今ではミスのない人という見られ方をするようになった。

だから、その先輩は昔の自分に似ていると思いました。
地方都市で仕事を教えてもらえずに、大声を出されたり、今でも訴えたら絶対勝てたなというほどのパワハラ女がいた時の自分。それでもその悔しさや怒りを糧にしてやってできるようになった。最初から普通に教えてくれていれば、たぶん普通にできるようになっていたのに。

私が仕事ができるようになったのは、教えてくれる先輩が現れたからと、環境が変わったから。
教えて貰ったあとはもう自分で成長するだけだった。そうやって努力して変わってきたのに、この人は…。

複雑な気分で見ていました。

その人のポンコツさに対しての不満。
その人に向けられる周りの指摘や悪口が自分にも向けられているような感覚。
わかってもらえないんだという哀しみ。
そこまで言うことないのに。

他のスタッフたちに対しても不信感が出るし、職場での悪口はほんと良いことないですよね。やめましょう。

ある時からそのポンコツな先輩は、スッキリした顔で前向きに仕事をするようになりました。
どうしたんだろうと思ったら、また同じミス、よくなったり悪くなったりの繰り返し。それは変わらないけど、どこか吹っ切れたような感じがして、気がつくと転職するので来月から有休消化に入る、という話を聞きました。

大丈夫なのか…と心配になりました。何目線なのかわからないし、別に今でもその先輩は好きじゃないよりの感情なのですが、あんなに仕事ができないのに転職成功して、県外に行ってしまって、管理職を任されるかもと言っていて…それに、仕事ができない上にミスが許されるような業務でもない。このまま見過ごして、後日悪いニュースになってたら…なんて考えもしました。大変失礼ですけど、それくらいヤバい仕事ぶりだったので。


ただ、その先輩に向けられた「迷惑だわ」「障害者なら障害者雇用に行ってほしい」「こんな奴面倒見ているんだから追加料金欲しいわ」とか、そんな言葉が今でもキツイな…と思う。
本心だったとしても、言ってほしくなかったです。それに社会人としても言うべきではない。

これを言ったのはしっかりした人なのですが、医療系の知識があることや、その先輩がなぜポンコツなのかわかっていながらフォローしないところなどを見てしまって、私はとんでもない人間不信に陥ってしまったのでした。

おろろろろろ🤮

…続くかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?