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最高の結婚生活!!… のはずだったのに…【3】謎の人物に会いに行く


次の日、モヤモヤが納まらない私は、

母に愚痴を聞いてもらおうと実家に帰った。



「愚痴ぐらいいくらでも聞くけど……、

この先子供でもできたらもっと大変になるんじゃない?

子育てにだって口をはさんでくるんじゃないかしら」


「そうなの!!

昨日、早く孫の顔が見たいって……

男の子がいいって言うのよ!!

勝手に性別決めないでよ!!

ゾッとしちゃったわ。

確実に子供取られると思う」


「それでいいの?」

「いいわけないじゃない!」


「あっ、そういえば、ママの友達がね教えてくれたんだけど…

素敵なカフェがあるらしいのよ。

なぜだか、そこの店主と話していると問題が全部解決しちゃうんですって」

「何それ!?

なんか怪しくない??

洗脳されちゃうとかじゃないの?

やだやだ、絶対いかない!!」


「友達は、みんな行って良かったって言ってて、

ハッピーに暮らしているのよ。

ママは面白そうだから、行ってみようと思ってるの。

悩みは、これといってないから、

あなたのことを相談してこようと思ってたところなの」



「止めてよ!!

勝手にひとのこと相談しないで!!」

「ひとのことじゃないわよ。

娘のことなんだから」


「絶対に止めてね!!

もう、壺とか印鑑とか買わされるんじゃないの?


「ママ、気をつけてよ。

年寄りは、狙われやすいんだから」


「そんなじゃないわよ。

ほんとうに普通のカフェなんだって…

飲食代しかかからないって…」


「ママが行くくらいなら自分で確かめてくるから、私が行く!!」


「そのママの友達は、信用できる人だから…絶対に大丈夫よ」


ママには強がって、あー言ったけど、藁にもすがる思いで私は早速

そのカフェに行ってみることにした。



扉を開けると、コーヒーのいい香り

落ち着いた空間。いい感じのカフェ…


…来てよかったかも…


「いらっしゃい…お待ちしてたわよ~」

「えっ?待っててくれたんですか?」

「そうよ…さあさあ、こっちに来て座って…」

「うちの母が連絡したとか?」

「違うわよ。わかるのよ。

あなたが来るってことが」


何を言ってるか意味がわからない……


でも、とっても優しそうな

どこか異国のような雰囲気をもっている謎の人物。

歳は、……おばさんのような、おばあさんのような……

いやいや、肌がきれいだから意外と若いかも……

などと、頭の中で想像していると、

「フフフ、いろいろ詮索するのがお好きなようね?」

「えっ!!」

「あなたのお母さまぐらいの歳とだけ言っておきましょうか」


私の頭の中はパニック!!どーいうことなの!!


「今日のおすすめは、ベリーのタルトよ」


ベリーのタルト!!私の大好物……


おばさんがコーヒーとタルトを運んできて私の前に座った。

なんと!!美味しそうなベリーのタルト!!


「あなた、悩みがあってもどこかお気楽というかその明るさがいいわね」

そうだった…

私は、悩みがあってここにきたんだった。

一瞬、ベリータルトに心が奪われていいたわ

ケーキなんか食べてる場合じゃないんだった。

「いいのよ

そうやって、心惹かれることは、素晴らしいことなのよ。

どんなことにも感動する心はとっても大事。

無理に憂鬱になることなんてないんだから…」


あー、私の単細胞がばれてる。

開き直って、タルトを一口食べる…

美味しい!!


おばさんが

「美味しいでしょ~しあわせ感じるでしょ?」

「は~」

「それよ!

あなたがしあわせって

感じることがとても大切なのよ」

「……」


「あなたは、何を悩んでいるの?」

「何って…

姑が強烈で…

この先どうしたらいいのかと…」

「あなたは、どうしたいの?」

「どうって…

わからないから来てるんです!」

「ううん、自分は、

ちゃんとわかってるのよ。


あなたが一番ここちよく

あなたがあなたでいられることを

いつでも、選択したらいいのよ」


「…それがわからないんです」


「ただ、気に食わないって文句ばかり言ってても仕方ないでしょ?

言ったら、嫌われるとか

姑には、口答えしては、いけないとか

あなたが勝手に考えてるだけ…

あなたの視点から見たら最悪なお母さんで意地悪しているようにみえるかもしれないけれど

それは、あくまであなたの視点だからあなたたちのために良かれと思っててしているのかもしれない。


あるいは…ほんとうにあなたに息子をとられて意地悪しているのかもしれない


あるいは…

なーにも考え無しに、ただ自分の思うとおりにしたいことしているのかもしれない…


そこは、考えたことある?」

「う~ん、

わからないです…

意地悪していると思っていたけれど、

そう言われてみたらどういう気持ちでいるのかわからないです」

「じゃあ、宿題!

お義母さんがどんな気持ちであなたに接しているのか…

お義母さんのことをあなたは、どう感じているのか

自分の気持ちに向き合ってみること

あなたが心地よくいることがなんなのか…


よく感じてみてちょうだい。

けっして、損得で考えないでね


自分の気持ちに嘘をつかないで…

自分は、どうしたいんだろうと…感じてみてね」


「はい…宿題やってみます」



そう言って

私は、癒しの空間を後にした。    

【4】につづく

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