ベイスターズの勝利 「横浜一心」の力

 地元、横浜DeNAベイスターズが今日(5/1)は快勝!なんてハッピーな5月の始まりだろう。3月26日から苦しい1ヶ月。ハートブレイキングな巨人との開幕戦の敗戦から、悪夢に取り憑かれたような毎日だった。7勝21敗4分。でもこの4日間で3勝できた。これからだ!と思わせる試合。これぞ観せて欲しかった戦いだ。

 昔から連敗には慣れているベイスターズファン。でも今年から三浦監督になって、優勝!を期待していた。いくら専門家に「優勝候補」に挙げられなくても。。しかし、勝てそうで勝てなかった。

 ある時は打っても打っても中継ぎが抑えられず、ある時は投手の好投に打線が応えられず、ある時は先発からボコボコにされ、ある時はチャンスに打てずに残塁の山。さらにケガ人まで。最悪なのはエラーの多さだった。毎日1つはミスがある。順番のように、大なり小なり誰かが何かをする。アウト一つを取るのに、高校野球よりハラハラしてしまう程だった。

 全てがチグハグだった。たった一人の気の抜けたプレー。それに加えて新人監督の未熟な読み。我慢しすぎや、早すぎる交代でツキが逃げたことも。それは、ほんのちょっとの意識の甘さだったように思える。選手に対する期待や優しさでもあったのだろうが。。でもプロの世界では通用しない事もある。そしてその少しの差が何倍にもなって返ってくることを、痛いほど見せつけられた。

 1つの勝利の為に、チーム全員が常に自己最高のレベルを目指し完璧に準備をしてプレーする。そういう意識が、スタッフを含め、ベイスターズには不足しているようにしか見えなかった。チーム内で一人でもその意識がないと、油断となり、風船に穴をあける針となって、全てを破裂させてしまうのだ。

 「横浜一心」という今年のスローガンが、皮肉のようにさえ聞こえ、悲しく揺れている気がした。というか、三浦監督は最初からそれが欠けている事に気づいて、この言葉を掲げたのだろうか??だとしたら、逆にすごいではないか!

 そのせいか、1週間程前から、チグハグの中にあっても、少しずつ好守備が目立つようになってきた。もともと全員が気が抜けていたわけではない。一人の好プレーが運気を呼び込み、いい緊張感がチーム内に波及する。全員の気が引き締まり、活力となって、大きなエネルギーになる。まさに「横浜一心」だ。

 オースティンがホームラン後の談話で「一人一人ができる事を精一杯やろう!と試合前にみんなで話していたので、打てて嬉しい。」と言っていた。そう、それこそが私の好きなベイスターズだ!目立つ大物はいなくても、チーム力で倒すのだ。(遅れてきたオースティンがどれだけ待ちどうしかったことか!)

 この数日、三浦監督の決断も少し早くなってきた。この1ヶ月間に、確実に監督としての腕を上げている気がする。「勝つために何をすべきか。」今、監督、選手、そしてスタッフも、忍耐強く踏ん張っているのがひたひたと感じられる。何と言ってもベイスターズの魅力は、いつも楽しそうにプレーしているところ。(これは地元ハマっ子に通ずる雰囲気と感じている。)監督が、ベンチであまり暗い顔をしてないのも、いいのかもしれない。気の緩みさえ出さなければ、これからどんどんチームのエネルギーを膨らませられるはずだ。

 「横浜一心」で戦った一つ一つの勝利は、私たちファンにも日々の大きな力を与えてくれる。出来ないことに挑戦しようなんてエネルギーもくれる。だから諦めずに頑張る姿を見せ続けてほしい。コロナ禍でスポーツの要、不要が問われていたが、勇気や活力を与えてくれるスポーツ観戦は、少なくとも私にとって、人生の必需品だ。

 毎年どうしても1998年の優勝が頭をよぎってしまう。あのマシンガン打線をもう一度。大魔神、佐々木はいたけれど、先発投手も踏ん張り、1番から8番まで、皆で打ちまくって勝ち取った優勝だった。今期、エースこそ怪我で欠けているが、ほかの投手達だって頑張っている。今のベイスターズなら、あの時を凌ぐマシンガンになれるし、上位にだって行ける。そして近いうちに、またあの感動が味わいたい。今はかなり難しい位置にいるが、まだ始まったばかり。ファンは信じている。そして共に戦っている。横浜一心で。。。


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