2022.2.25 【3分で解説】ウクライナ情勢の「いま」
とうとう、ここ数か月で恐れていた事が起こってしまいました。
皆さんご存知の通り、ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始しました。
ざっくり書きましたが、今回は、この侵攻がどういう意味を持ったものなのか、もう少し詳しく書いていこうと思います。
ロシアが国家承認したルガンスク、ドネツクとは?
まず、今週初めの2月21日、ロシアは、『ルガンスク人民共和国』と『ドネツク人民共和国』を国家承認しました。
これ聞いて、
「なるほどね〜。ルガンスク、ドネツクをね〜。知ってる知ってる」
という人は少ないでしょう。
ルガンスクとドネツクはウクライナ東部にあり、ロシアと国境を接しているルガンスク州、ドネツク州になります。
この地域はロシア系住民が多く住んでいます。
2014年3月、ロシアはウクライナからクリミアを奪いました。
その時、ルガンスクとドネツクの一部の人が、
「俺たちもロシアの一部になりたい!」
と考えたのです。
そして、2014年4月、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の建国宣言がなされました。
重要なのは、ルガンスク人民共和国は、ルガンスク州の全土を支配しているわけではありません。
上の地図でも分かるように、州の半分くらいを実効支配しています。
同じくドネツク人民共和国も、ドネツク州の全土を支配しているわけではなく、州の半分程度を実効支配しています。
ロシアはクリミアを併合しましたが、2014年9月5日のミンスク議定書での合意もあり、ルガンスクとドネツクの独立は今まで認めてきませんでした。
おそらく、“一気にやると、あまりにも国際社会から孤立しすぎる”と恐れたのでしょう。
ですが、8年を経て、遂に『国家承認』に踏み切りました。
そして、ロシア軍がドネツク、ルガンスクに入りました。
プーチンは、
「派兵するかどうかは状況次第」
と語っています。
しかし、欧米は、
「すでにロシア軍が入った」
と見ています。
こういった状況は、人工衛星を見れば明らかになります。
私見ながら、またプーチンがウソを言っているのだと思います。
まあ、
「兵は詭道なり」(戦争は騙し合い)
と孫子も言っているので、“プーチンは、孫子の教えを忠実に守っている”とも言えます。
プーチンの立場は、
「二つの新しい独立国家から軍隊派遣の要求があった。だからロシア軍がルガンスクとドネツクに入るのは合法だ」
というものです。
しかし、ウクライナも国際社会も、
「ルガンスクとドネツクはウクライナ領だ」
という認識です。
だから、ロシア軍がルガンスクとドネツクに入ったことは、ロシア軍が
「ウクライナ領に入った」
ことになるので、
「侵略だ!」
というのです。
これからの注目点
では、これからどこに注目していくべきなのか?
ルガンスク人民共和国は、ルガンスク州全土を支配していません。
ドネツク人民共和国も、ドネツク州全土を支配していません。
こういった状況から、ルガンスクとドネツクの両共和国は、
「支配領域を広げたい!」
と考えるかもしれません。
そうなると、それを阻止したいウクライナ軍と戦闘になるわけです。
すると、ロシア軍が介入して、
ウクライナ軍 vs ルガンスク・ドネツク人民共和国軍+ロシア軍
の全面戦争になりかねません。
すでにウクライナの首都キエフが攻撃されましたが、戦いが激化すると、ロシア軍がキエフを制圧するかもしれない、ということです。
ロシア軍が行動をエスカレートさせていく過程で、欧米日の制裁はどんどん強化されていき、ロシア経済はさらにボロボロになるでしょう。
そして、キエフまで侵攻すれば、プーチンは、『現代のヒトラー』と呼ばれ、その悪名は人類史に永遠に刻まれることになるでしょう。
ウクライナにとってもロシアにとっても破滅的な全面戦争…。
ここまでの戦禍が起こらないことを願いましょう。
先日のAbemaTVで今回の事件をどう報じているか、ご参考にご覧下さい。
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