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2022.2.14 日本で最初にできた島は?

日本神話は、日本の国土が神様によって作られていくところからスタートしますが、1番初めに作られるのが淡路島と言われています(※諸説あります)。

神話という現実からは遠いイメージのようなものですが、今回の記事を読み終えられた頃には一気に身近な話となって、面白さと共に驚きを感じられるかもしれません。

それでは、皆さまにどのようにして淡路島ができ、その後どのように日本が
作られていったのかを紹介していこうと思います。

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遠い昔、日本の国ができる前のことです。

澄み渡った高い空の上に、高天原たかまがはらという神々がお住まいになっているところがありました。

ある時、神々は下界に新しい国を造ることをご相談になられました。

そこで、伊邪那岐命いざなぎのみこと(以下、イザナギ)と伊邪那美命いざなみのみこと(以下、イザナミ)の二柱の神様に国造りを命じられ、あめ沼矛ぬぼこという矛を授けられました。

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二柱の神様が下界の様子を眺めてみると、日本はまだ水に浮いた油のように漂っていました。

早速、二柱の神様は、神々より授けられた矛を海水の中に刺し降ろすと、海水を力いっぱい掻き回し始めました。
しばらくして矛を引き上げてみるとどうでしょう、矛の先より滴り落ちる潮が、見る間に積もり重なって於能凝呂島おのごろじまという島が出来上がりました。

そして、二柱の神様は、その島に降り立つと、あめ御柱みはしらという大変大きな柱を立て、柱の周りをイザナギは左から、イザナミは右から、それぞれ柱を回り合いました。

そして出会ったところで、
「ああなんと、立派な男性だこと」
「ああなんと、美しい女性だろう」
と呼び合い、二人で多くの島々を生みました。

初めに淡路島、次に四国、そして隠岐島、九州、壱岐島、対島、佐渡島を次々に生み、最後に本州を生みました。

八つの島が生まれたところから、これらの島々を大八島国おおやしまくにと呼ぶようになりました。

これが日本の国土の始まりです。

日本の国土ができると、イザナギとイザナミは多くの神様を生みました。

ところが、最後に火の神様を生むと、イザナミは大火傷を負って亡くなってしまいました。

悲しさのあまりイザナギは、死者の国である黄泉よみの国へイザナミを連れ戻しに出かけて行きました。

しかし、黄泉の国で食事をしてしまったイザナミは、もう元の国には帰れません。

イザナギが迎えにきたことを知ったイザナミは、くれぐれも自分の姿を見ないようイザナギに言い残し、黄泉の国の神様の許へ行き、元の世界に帰れないか相談に行きました。

もうどれくらい経ったことでしょう。

待ちきれなくなったイザナギは、髪に差していた櫛をとって火を灯し、辺りを見回しました。

すると、何としたことでしょう。
妻の姿が見るも恐ろしい姿となって、そこに横たわっているではありませんか。

あまりの恐ろしさに、イザナギは逃げ出してしまいました。

自分の姿を見られたイザナミは、髪を振り乱してその後を追いかけました。

黄泉の国の入口まで逃げてきたイザナギは、大きな岩でその入口を塞いでしまいました。

イザナミは自分を見ないでという約束が破られたことを悔しがり、イザナギに向かって、
「あなたの国の人を一日千人殺してしまおう」
と言いました。

これに対しイザナギは、
「それならば、私は一日に千五百人の人を生もう」
と告げました。

それ以来、日本では一日に多数の人が死に、より多くの人が生まれるようになったということです。

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神話というフィクションのような話の中に、淡路島や四国など現実世界の話が入り混じり、また、死んだ妻に会いたいという人間味溢れる行動をする神様の姿が、日本神話には描かれています。

もし、日本神話が実在していたとしたら…。

今回は、太古の神話と現在が結び付く、ロマン溢れる話でした。

最後までお読み頂きまして、有り難うございました。

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