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2022.7.9 ウクライナ侵攻で崩れ去る日本国憲法

ロシアによるウクライナ侵攻は、今後いろいろなことを変えそうです。

ウクライナ侵攻の本質は、
「こちら側が何もしなくても、いきなり侵略されることがある」
ということ。

一部の人は、
「いやいや、アメリカやウクライナが悪い」
と言います。

プーチンはこの戦争について、
・ウクライナのNATO加盟を阻止するため
・ルガンスク、ドネツクのロシア系住民を守るため
・ウクライナの非ナチス化、非軍事化
・ロシアが攻撃しなければ、ウクライナが攻めてきた
などと説明しています。

これらの理由については、今まで過去記事に何度も書いてきたので、ここで詳細は触れません。

ホントの部分もウソの部分もあります。

いずれにしても、ウクライナ侵攻が国際法違反であることは間違いありません。

国際法には【合法的戦争】もあります。

すなわち『自衛戦争』。

どこかの国が自国を攻撃した場合、これに反撃することは国際法上合法です。

例えば、2001年に始まったアフガン戦争は、『自衛戦争』と解釈され、ほとんど批判はありませんでした。

もう一つは、『国連安保理が認めた戦争』も合法です。

例えば、1991年の『湾岸戦争』(対イラク戦争)は、全常任理事国が支持した戦争だったので合法です。

しかし、今回のウクライナ侵攻は自衛戦争ではありません。

ウクライナは、ロシアを先制攻撃していません。

国連安保理の承認を得ていません。

というわけで、完全に国際法違反の侵略行為です。

それはそれとして、今回の侵略は、
「国際法、国際機関、経済の相互依存を強化することで、戦争を回避できる」
という、いわゆる『理想主義』が無力であることを証明しました。

もちろん、日本は国際法を守るべきでしょう。

しかし、
「国際法を全然守らない核大国がいる」
という現実をはっきり認識すべきです。

ウクライナ侵攻で崩壊する【平和憲法教】

『理想主義者』は日本にもたくさんいます。

例えば、
「平和憲法が日本を守ってくれる」
と信じる平和憲法教徒。

私たちが平和を掲げていれば、誰も攻めて来ない?

もし、それが本当なら、なぜ中国は、日本人よりも平和的なチベットに侵攻し、120万人を虐殺したのでしょうか?

日本国憲法の前文には、こうあります。

<日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。>

これ、私たち日本国民の安全と生存は、外国が<平和を愛している><公正で><信義がある>ことを<信頼することで><保たれる>というのです。

ですが、外国が“戦争を望んでいて”“ウソばかりついていて”“信義が全然ない”場合は、安全と生存は保てません。

ということは、プーチン率いるロシアのような隣国がいれば、日本国憲法の前提は完全に崩壊するのです。

根本的におかしい日本国憲法

私は、憲法の専門家ではありませんが、
「これは、根本的におかしい」
と思うことがあります。

それが、9条2項です。
そもそも9条には、何が書かれているのかというと、

<第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。>

……既に日本は戦力を保持しています。
自衛隊は戦力ではないというのでしょうか?
戦力でなければ何なのでしょうか?

この疑問を自衛隊の方に聞いてみると、
「どこからどう見ても自衛隊は戦力です。どこからどう見ても自衛隊は軍隊です」
といった回答でした。

三島由紀夫は、自決前に言いました。

「法理論的には、自衛隊は違憲であることは明白であり、国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によって誤魔化され、軍の名を用いない軍として、日本人の魂の腐敗、道義の退廃の根本原因を為して来ているのを見た」

どうでしょう?

国の最高法規である憲法の中に、とても重要なウソが書かれています。

もし、貴方に対し、小さいお子さんから、
「ねえねえ、お父さん。憲法に、『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』と書いてあるけど、どうして日本は戦車や戦闘機や軍艦を持ってるの?憲法違反じゃないの?」
と聞かれたら、なんと答えますか?

ロシアによるウクライナ侵攻によって、改憲の機運が生まれつつあるようです。

これは良い事だと思います。

しかし、改定の中身が国民の知らないところで決められることがないよう、何をどう変えるのか、オープンに議論して頂きたいと思います。

憲法改正が日本を救う

ところで、憲法問題について考えたことがない人も多いかと思います。

しかし、これから間違いなくトレンドになるので、社会人として知っておいた方が良いでしょう。

そんな方にお勧めなのが、下の書籍です↓↓↓

西村幸祐著『九条という病 憲法改正のみが日本を救う』

この書籍は薄くて、平易な言葉で書かれているので、非常に読み易い本です。

しかし、いろいろ興味深い情報があります。

例えば、
・憲法に不戦規定があるのは、日本だけではない
 だから、「9条にノーベル平和賞を」と言わないで下さい。

・「ウクライナはロシアに降伏しろ!」との主張が悲惨な結果を生む理由

・三島由紀夫の自衛隊観

・同じ敗戦国でも、ドイツは戦後、59回憲法を改定している!

・アメリカは日本の憲法改正を願っている

・西村先生の『超シンプル憲法改正案』=一項を変えるだけ!
等々。

繰り返しになりますが、ウクライナ侵攻を経験した世界で、
「外国は、平和を愛し、公正で、信義を重んじる」
「それを信頼することで、日本は安全でいられる」
というのは、あまりにもナイーブです。

日本が末永く生存し続けるためには、変わらなければなりません。

最後に、一つ加えておきますが、私は、
「戦前の体制に戻せ」
とは言いません。

『戦前の体制』は“負けた体制”です。
『戦前の体制』に戻しても、日本はまた孤立し、負けてしまうだけです。

日本は敗戦の教訓を活かつつ、中露北に侵略されない体制を築いていくべきです。

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