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クリスマスアドベント 2021年12月12日 p.3

※Salvador Coffee クリスマスアドベント2021 の特典ストーリーです。

タイトルの日付になると無料公開されます。

【コーヒーの種類】
エチオピア イルガチェフェ コチャレ アリーチャ地区
原生種 ナチュラル

エチオピアのコーヒーを一言で表現すると、「魔法」だ。
コーヒー発祥の地、エチオピア。その実力は伊達ではない。

「華やか」「フルーティ」で紅茶のような印象が先行していますが、実は浅煎りも深煎りもいけて、甘味、酸味や苦味もバランスも、すべてオールマイティに演じるスーパーコーヒーだと思っています。

温度高く淹れても香りが素晴らしく酸味が美しい。
一方で温度低めに入れても、まったりとした甘さが長く続く。

テロワールや原種のDNAに左右されるフレーバーは、ストロベリーやブドウのような果物であることもあれば、シトラスやレモンのような柑橘になったり、マンゴーやピーチのように南国的な甘みを発揮することだってあるし、チョコレートのようにピュアな甘さ、酸味を感じることだってあります。

今回お送りしたエチオピアは深煎り。こちらも普段は浅煎りで提供しているコーヒーですが、ストーリーでは深煎りのシダモ/リムが登場するため、特別に深煎りで仕上げています。どうぞお楽しみください。


【レシピ 1】きっちりした方向け

1杯分 豆15g お湯94℃ 225g使用想定ドリッパー ハリオV60 耐熱ガラス 01
ペーパー CAFEC製 ORIGAMI用 円錐フィルター
サーバー KINTO SCS-S02 600cc
ケトル YAMAZEN YKG-C800-E (6000円くらい)

1. ドリッパー内の挽いた豆の表面に出来るだけ近づけて優しく注ぎましょう。
2. キッチンスケール等で注ぐお湯の量を測ります。
3. 45gずつ注ぎます。30~40秒の間隔を空けて5回に分けて注ぎましょう。
4. 最後まで落とし切ったら完成です。


【レシピ 2】めんどうくさがりな方向け

1杯分 豆15g お湯 沸騰(98℃)
お米計る用のコップ1杯半くらいの水を沸かします。
想定ドリッパー Melitta アロマフィルターシリーズ AF-M1×2(5~600円)

どんなに面倒でも、ここまではマストです。

1. 沸かしたお湯を1分待ってから注いでいきます。
2.全量を優しくドリッパー内に注ぎます。溢れないように!
3. うす味が好きなら1回で注ぎます。だいたい落ち切るの2分ちょいです。
4. 濃い味が好きなら4~5回に分けて、4分間かけてください。


【ストーリー p.3】 酸味が美味しいという体験。


大学を卒業して、スペインに留学をして、帰国したのちに札幌へ1人で引っ越してきました。さて、札幌で仕事は何をしようか。そう考えている時に「マツコの知らない世界」という番組で「コーヒーの世界」が特集されていました。

ゲストはコーヒールンバの平岡さん。
サチオピアコーヒーやSCAJの司会などでお馴染みの、猿田彦珈琲の広報担当です。

コーヒーって、面白そうだな。
スペインで通い詰めたバルやカフェテリアのような、カウンター越しのコミュニケーションやカルチャーを体験してみるのもアリかもしれない。

23歳、国立大卒フリーター。好きなことできるうちに、やってみよう。

そんな考えで、私はスターバックスコーヒーという会社にアルバイトで入社することになりました。これが20代の人生の大きな岐路となります。

入社して最初の研修は「ファーストインプレッション」と呼ばれ、ストアマネジャーなどが担当します。

スターバックスのミッションとバリューについてのお勉強です。

「コスタリカ アルサシア農園」というスタバの研究用農園で作られたコーヒーを飲みながら、スタバの哲学を学びます。良い意味でスタバらしくない、飲みやすくてバランスの取れたコーヒーでした。今だとリザーブ店で飲むことができますね。

40時間にわたる新人研修は学びがとても多く、今でも自分の哲学に関わる部分があります。

それはいつか話すとして。

研修の中ではコーヒー産地別の特徴について学ぶセクションがあり、フレンチプレスで抽出した「中南米」「アフリカ」「アジア」のコーヒーを飲み比べしました。

まんでりん男の私は、ダントツでスマトラが好きに決まっていると盲信していましたが、実際ブラインドで飲んで好きだったコーヒーは「エチオピア」でした。

シトラス系の酸味で、どう考えても好きではないはずのエチオピア。
なぜか感動的に美味しくて、マンデリンとか比じゃないくらいファンになったのを覚えています。

ずーっと酸味を敵だと思ってきました。
コーヒーは苦味こそが主役、酸味は副産物!コクが命!
とか思ってました。

だけど、実際は違ったのです。

「酸味があるけど、嫌な酸味じゃなくて美味しい。」
「どうしてなんだろう?何が違うのだろう?」

考えるようになりました。
出勤時のテイスティングのたびに、コーヒーの味の違いを積極的に理解しようと頑張るようになり、フレーバーを言えるように訓練するようになったのです。

グアテマラは複雑な酸味だなあ、とか。
ケニアはグレープフルーツじゃないか!とか。
コロンビアはナッツで、コモドドラゴンはハーブで。

そんな違いがポツポツとある中で、好き嫌いが生まれました。

今までの私は「酸味があっておいしくない」とか、「薄くて苦い」くらいのペラッペラな感想しか言えない人間だったのですが、「このコーヒーはこんな酸味や甘みを感じて、こういう食べ物とペアリングできそうで、個人的には好き(or 苦手)かもしれない」という評価基準を作るようになりました。

コーヒーを、「ただの飲み物」から「嗜好品としてのコーヒー」に昇華させた瞬間でした。

初めてエメラルドマウンテンのコーヒーと出会ってから10年。
マンデリンフレンチと出会ってから3年。

コーヒーを楽しむ自分がそこにはいました。
「消費するだけ」のプロダクトではなく、「好きなもの」として楽しむプロダクトになったのです。

Salvador Coffeeのお客さんたちは、きっと多くがこのフェーズに来ているのだと思います。

ただの眠気覚ましや、付き合いで飲んでいたものが、こんなに面白いなんて。
まだまだ分からない世界だけど、コーヒーって楽しい!

そう思ってくれているのではないでしょうか?

そうだと嬉しいんだけど。笑

半分以上のコーヒーファンは「エチオピアの魔法」にかけられてこのフェーズに入っていきます。エチオピアのコーヒーには、人の価値観を変えてしまうほどの魔法を持っています。これは間違いないと思います。

原点かつ頂点のエチオピア。
ゆっくりと、冷めるまでじっくり楽しんでもらいたいです。

そしてコーヒーは安売りで苦いやつ!という周りの知り合いに、
ぜひエチオピアを振る舞ってみてください。
彼らに強い魔法をかけてあげてください。笑


次回予告!
コーヒーの概念が変わる!

お楽しみに!

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