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49.学生をビジネスパーソンにする|高村一光さん【応援note #9】

「学生が4月に入社して、『社会人楽しい』って言ってくれる人が増えたらうれしいな」

そう話してくださったのは、Zoomで毎週『仕事塾』を開催している、高村一光さん。

普段はパーソルキャリアに勤めながら、ふたつの社会人スクールに通っているという。

私が一光さんのことを知ったのも、『仕事塾』がきっかけだった。
以前参加させていただいたが、内容も面白いし参加している学生もレベル感の高い子が多かった。

今回は、一光さんがされている仕事塾について、その内容、なぜ始めたのか。さらに、「社会に必要な力とは?」「仕事を楽しむには?」と言った話にもこたえていただいた。


↓高村一光さんTwitter

↓仕事塾/高村一光さんInstagram

↓仕事塾HP


■仕事塾とは

仕事塾とは、「社会人よりも社会人になる」をビジョンに、参加している学生が社会に出たとき「楽しい」と思えるよう、社会で必要なスキルを学ぶ場になっている。

講義の時間は毎週日曜日18:00~19:00。
内容はその回によって、政治・経済・営業スキル・マーケティングスキルから自分を知るスキルなど様々。

また、月々1,000円の投資をしてはいれる限定コミュニティ『ビジネスクラス』に参加すれば、さらにオプションが体験できる。

一光さんは2種類のビジネススクールに通っていて、そこでの学びと社会でのリアルな学びをカリキュラムに落とし込み、全10単位のビジネススキルを取得できる。


先ほど、講義内容で「政治・経済…」と羅列したが、これらはすべて、「社会で必要な力」を身に着けるためのもの。

「では、社会で必要な力をズバリ一言で言うと何だと思いますか?」私の質問に、一光さんはこう答えた。

「キャリア形成力です!!!」

キャリア形成力。キャリアをつくる力。
つまり、「自分で自分の働くを選択する力」のこと。

一光さん曰く、この「キャリア形成力」は下のように成り立っているそうだ。

キャリア形成力=相手理解×自己理解×提案

「相手理解」の相手というのは、世の中であったり経済であったり、お客さんのこと。つまり、「相手」自体を知り、そこにどんな課題があるのか知っていること。
そして、それに対して自分ができることが何かを把握している状態。これが「相手理解×自己理解」。

「相手理解×自己理解」の大切さは、MBAでも言われているそうだが、一光さんはこれに「提案」がないと社会では評価されないと教えてくださった。

相手理解で「相手がこれに困っている」と分かり、自己理解で「その解決のために自分ならこれができる」とわかっても、相手に提案することがなければ『思っているだけ』で止まる。

つまり、提案がないと相手を喜ばすことができないし、社会を動かすことができない。結果、社会人としての価値も上がらない。


また、一光さんは、普段の講義でのインプットとは別に、「アウトプット」の場として仕事塾でのインターンシップも行っているそうだ。

仕事塾インターンシップを活用することで、インプットの環境とアウトプットの環境を両方整えることができるわけだ。


このように学ぶ場としての環境を整えていき、将来的には「社会人になる前の学校」を目指しているのだそうだ。

「社会人よりも社会人になる」ことを目指し、仕事塾を卒業した学生が社会に出たとき「楽しい」と思えるような学びを提供する。

そんな、学ぶ環境としての仕事塾をどんどん整えていくのだと一光さんはおっしゃった。
そして、「『学生の投資家』になりたい!!」と。



■始めたきっかけ

だが、どうしてここまでキャリア支援に力を傾けられるのだろうか。そのきっかけを尋ねてみた。


最初のきっかけは、社会人になって初めて、大学時代のゼミの仲間と忘年会に行った時だったそうだ。

13人集まった忘年会で、そのうち一光さん以外の12人はみな「仕事が楽しくない」と話していたらしい。

「みんなが口をそろえて『仕事が楽しくない』というのがとても悲しかったんです。だってずっと一緒に就活がんばってきた仲間だったし、就職先が決まったときは泣いて喜んでたのに…って。
だから、そんな人を増やしたくないと思ったんです。でも、どうしていいかわからなくて、しばらくモヤモヤしていました」


一光さんは時間がたつほど、そのモヤモヤが大きくなっていったようだ。

それは、一光さんの本業・中途採用支援の仕事中にさらに大きくなった。

営業でヒアリングしているとき、「どんな方を採用したいですか」と聞くと、
「30代くらいの社会経験のある人かな。それ以外は特にこだわりはない。お給料はとりあえず20万からかな…」
という答えが返ってきたそうだ。

30代で初任給と同じ金額の提示に一光さんははじめ驚いたそうだ。

「社会経験5年10年選手が『転職しよう』と思った時に、新卒と同じ給料の求人に応募するとは思えなかったんです。
ですが、世間を見渡すとそのような求人はたくさんありました。
そういう求人も確かに誰かを助けていると思いましたが、僕は選択肢を選べない30代になりたくないし、学生にそうなってほしくないと思ったんです。」

一光さんは、お話の中で「社会人の評価は給料」ということを一貫して話してくださった。

給料は、その人がどれだけ社会に貢献できているか、つまり、困っている人を見つけ、その人に提案する力の表れだという。

「お金を稼ぐのは悪いこと」とか、「お金をいただくのは申し訳ない」と思う人もいるかもしれない。

しかし、友達からの相談を受けたとき、お礼としてジュースをおごってもらった経験がある人もいるはずだ。
本当にうれしいことや困りごとを助けてもらえた時はお礼がしたくなるものだ。

そのお礼に、社会では「お金」を使っている。
お金をいただくことは、悪いことではないのだということも話してくださった。

社会を5年以上経験し、それでもなお新卒と変わらない給料。
つまりそれは、社会からの評価も、新卒のころから変わっていないことになる。

そこで一光さんは「なぜ価値が変わらないのだろう」と考えた。
そして、「勉強量が足りないのではないか」と思ったそうだ。

社会や仕事、自分に対しての知識が足りない。
だから、誰にでもできる仕事しか回ってこない。

知識があれば、自分の価値も、自分が解決できる社会の課題もわかるはず。
新卒と同じ評価で社会に出ることはないだろうというわけだ。

実際、年収2000万円以上の人の5割は社会に出てからも学んでいるというデータもあるそうだ。


そして、これらの気づきを「仕事塾」の形にしようと思ったきっかけは、社会人に対してマイナスイメージを持っている学生との面談だったらしい。

「面談した時、僕のたった1年間の社会人経験でも、学生が『働くの楽しみになりました!』って言ってくれたんです。それがすごくうれしかったし、『たった1年の経験でも学生にとっては学びになるんだ』って気づいたんです。
そこで、ちゃんと自分の経験が学生の学びになるような環境を整えようと思いました」


仕事を楽しめていない友人に違和感を感じ、本業の中で30代にも関わらず新卒と同じ給料(評価)しかもらえていない人がいることに危機感を感じた。
そして同時に、勉強することの大切さに気がついた。

その後、マッチャーで学生と話しているとき、入社1年間の話でも学生にとっては学びになることへの気づきが、「仕事塾」を形にするきっかけになった、ということだ。

学生が社会人基礎力を学ぶことは、よりよい就職にもつながると一光さんは考えている。

「採用されるときって、『学生』として採用されると思いますか?それとも『社会人』として採用されると思いますか?
…そう、社会人として採用されることが多いです。理由は、即戦力になる可能性が高いから。
今までは、学生を採用しても教育する余裕がありました。終身雇用・年功序列の風土なので。だけどこれからはもう難しい。
だから、学生のうちから社会に出て必要な力を身に着けておいた方が良いと思っています」

だからこそ、仕事塾は「社会人よりも社会人になる」ことを目指し、「仕事塾」は社会人になる前の学校になろうとしている。

↓仕事塾HP



■仕事を楽しむために

「学生が社会に出たときに『仕事って楽しい』と思ってほしい」

仕事塾の代表である一光さんの、願いのひとつだ。

では、仕事を楽しむためにはどうすればいいのだろうか?
一光さんに、仕事を楽しむためのコツを尋ねてみた。

仕事の定義を持つことです」

一光さんには、「仕事とは、人助けをして対価を得ること」という定義があるそうだ。

人助けは、お互いがウィン・ウィンになる。

助けてもらった数は「助けてもらえてありがたい」と思うし、お金をいただいた側は「もっと頑張ろう」と思う。

その「ありがとう」の数が、一光さん自身の楽しさにつながっているそうだ。

実際、一光さんも、入社当初は「仕事は楽しくない」と思っていたそうだ。
だが、契約をとって、初めてお客さんの課題を解決できて「ありがとう」と言われたとき、「楽しい」という実感がわいたそうだ。


ただ、「ありがとう」をもらえるかどうかは、職種や業種によって変わってくる。お客様と顔を合わす機会の少ない仕事もあるはずだ。

だが、そういった業種であっても、例えば「仕事とは、世の中に形を残すものである」など、自分なりに定義を持てるはずだ。


定義を持とうとすることには、努力がいる。

小中学生の義務教育の内は、「勉強はしなければいけないもの」と、やらされていた。
社会に出てからも、その延長で、「仕事はしなければいけないもの」になっている人が多いのではないのだろうか。

「やらされている」から、楽しくない。

だから、自分や仕事や社会について学び、考える時間を設け、「自分にとって仕事とは」を問う時間を持つ努力をする必要があるのだろう。


楽しむために学ぶ。
社会に出て楽しむため、即戦力として入社するため。

その学ぶ環境のひとつの選択肢として、日曜日の18時から仕事塾がある。

もし、参加してみたいという方は、HPを覗くか、一光さんに声をかけてみてほしい。

新しい世界が見えてくるかもしれない。

↓仕事塾HP

https://www.shigotojyuku.com/

↓高村一光さんTwitter

↓仕事塾/高村一光さんInstagram



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