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娘よ、お誕生日おめでとう🎉

年一回くるお誕生日。
今日は娘の誕生日なのだ。
21歳…長かったようで短いようで感慨深い。
毎年思い出す、
21年前の出産前のドタバタ劇。

出産前日午後5時ごろ、みぞおちあたりに風船がぷぅっと膨れてくる感覚があった。
これは一日前から時々あるなと感じていたが、お腹の中で娘が動いているのだと思っていた。
今から思うと、もう陣痛が微妙に始まっていたんだなと…

やけにその風船が膨らんでくる感覚が何十分かおきにくるようになったから
『コレは来たのか?』と半信半疑だった。
初産の私は、陣痛というものは
「あっ!いたたたた〜い!痛い!」とドラマなんかでやっているのがそうなんだと思っていたから、
『コレは陣痛なの?』と判別がつかなかった。
夕飯を食べ終えてまた、お腹が張る感覚がした。
腰も重い…生理痛のものすごくひどいやつ。

ついに来たんだなぁと思って時間を計り始めた。
キューっと身をかがめるほどの痛みが15分間隔で続いた。
どうしようもない、
なんとも言えない感じ、
ただ耐えるしかない。
この時、実家に帰っていたので母がいた。
もし、一人でいたらこの陣痛には耐えられないと思った。
横に3人も産んだ経験のある母がいたから落ち着いていられたのかも知れない。

だんだん時間の間隔が短くなって10分くらいになった。
午後10時、トイレに行ったら少量の鮮血が出ていた。
鮮やかな血の色だったから何も知らない私はびっくりした。いわゆる"おしるし"がきたのだった。
母が教えてくれた。

そこから1時間後、10分を切る間隔で陣痛がきていたので、産院に
「陣痛が10分くらいなのでそちらに行きたいんですけど…」と電話した。
「〇〇さん、大丈夫ですよ、初産だからもう少し待ってみましょうね」
「え、えぇぇぇ〜!!!」

『いつまで待てばいいんだあぁぁぁ………』

それからまた1時間後の12時。
5分間隔? もう時間の間隔を計れないくらい覚えていない。すぐ陣痛がやってくる。
「もうそちらに行かせてください、お願いします…」と力なく懇願した。

母がすぐさまタクシーを呼んでくれた。
しかし、この実家の周りの道は細くて車が入って来られない。しかも夜中の12時。
仕方なく、200m歩いた。しかも上り坂を…
やっとの思いでタクシーに乗り産院へ向かう。
運転手さんが「お産ですか?」と聞いてくるが答えられるわけがない。
母と呑気に世間話をしている。
『うるさい!喋るな〜人が苦しんでいる時に!』と心の中で叫んだ。
声に出してはいない、そこは冷静。

産院に20分で到着した。
地獄だった。
到着して車椅子に乗れるかと思いきや、夜中ということもあり、看護師さんは少ない人数だったのだろう。
出迎えがない。
しかも、その産院は一階が診察室、2階が分娩室と入院する個室の様式になっていて、目の前に階段がある。
『上るしかないんか〜い!』
『どこまで歩かせる気なんか〜い!』

やっとベットに寝かせてもらえて、看護師さんが診てくれた。
「子宮口が7cm開いてますね、朝方くらいかな」
「えーーっ!」
母…「ユンケル持ってきたからコレ飲みな」
それからすぐ、分娩室に入りヒッ、ヒッ、フーの呼吸をやれているんだかいないんだか、踏ん張って意識が朦朧としている中
「ぅんぎゃー!!!」
という泣き声が聞こえた。
「女の子ですよ」
女の子というよりおかちめんこ(娘よ、こりゃ失敬🤣)

産院に到着してから1時間半。
『危なかったぁ。朝じゃないでしょ、夜中だよ!
家の中じゃない、タクシーの中じゃない、産院で生まれた。良かったぁ』

不思議だった。
今目の前にいる娘が数分前まで私のお腹にいたんだ。
私の人差し指で娘の手のひらをちょんちょんとすると、ぎゅ〜っと握ってきた。

感動。

3月11日 午前2:08の出来事。

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