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ロシアのクルマ産業2/6

代表的な自動車メーカーАвтоВАЗ(AvtoVAZ/アフトヴァース)について。
 
名前の由来と背景
 Авто(Auto/アフトー)は「車」の意、ВАЗ(VAZ/ヴァース)は、Волжский Автомобильный Завод(Volzhsky Automobile Plant)の頭文字を取ったもの(=「ヴォルガ自動車工場」の意)。
 1966年、ヴォルガ川沿岸のトリヤッチ市(※1)にて創業。工場名は川の名前に由来している。
 イタリアの自動車メーカー「Fiat/フィアット」との協力で建設された。最初に生産された「ВАЗ-2101(VAZ-2101/ヴァース-2101)」は、「Fiat 124(フィアット124)」を参考に設計されたが、オリジナルとは多くの点で異なる。
 この工場は乗用車の生産に特化している。工場のロゴには小舟(rook boat/ルークボート=古代の帆船)が描かれている。
 1971年以降には、輸出向けの生産も開始した。輸出用の車は「Lada(ラーダ)」と呼ばれ(ладья(ラジヤ=rook boat/ルークボート)に由来する)、ヨーロッパ、アフリカ、南米、カナダ、オーストラリア、オセアニアなどに輸出された。厳しい気候地域での利用が可能であったことから、「Lada(ラーダ)」は特に北欧諸国(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、アイスランドなど)で人気を得た。
 1990年代まで、ソ連時代の国内市場では「Жигули(Zhiguli/ジグリ)」という名称で販売されていた。このブランド名は、トリヤッチ市の近くにあるジグリ山塊(※2)に由来する。その後、「Lada(ラーダ)」という名称は国内市場向けにも使われ始めた。
 「Lada(ラーダ)」は、世界ラリー選手権(WRC)である「1000湖ラリー」(旧称;現在は「ラリー・フィンランド(Rally Finland)」)、「アクロポリス・ラリー(Acropolis Rally)」、ダカール・ラリー(Dakar Rally)にも参加した。
※1:サマラ州の都市
※2:山脈から離れた塊状の山地、一つに集まった一群の山岳
引用元:https://ru.wikipedia.org/wiki/АвтоВАЗ
 
時系列でみる近年の動向
 2007年、フランスの自動車会社ルノーがАвтоВАЗ(AvtoVAZ/アフトヴァース)の株主となる。
 2014年、АвтоВАЗ(AvtoVAZ/アフトヴァース)は「ルノー・日産」アライアンスの傘下に入る。
 2012~2022年、「Lada(ラーダ)」以外にも、「ルノー」、「Datsun(ダットサン)」、「日産」などの車種も生産する。
 2022年、ルノーと日産がロシアから撤退。АвтоВАЗ(AvtoVAZ/アフトヴァース)は、国営企業「НАМИ(Научно-исследовательский автомобильный и автомоторный институт)/ NAMI」の管理下に入る。輸入部品工場の供給停止に伴い操業も停止するが、数ヶ月後には、現地で最も馴染みのある車種「Lada(ラーダ)」の生産を再開。
 2023年、中国から供給された部品で新型「Lada(ラーダ)」の生産を開始。
引用元:
https://ru.wikipedia.org/wiki/АвтоВАЗ
https://www.autonews.ru/news/63adaccc9a79472fbac7fc9e
https://car.ru/news/automobili/222576-avtovaz-zaplaniroval-uvelichit-proizvodstvo-avtomobiley-lada-v-2024-godu/
 
経営状況
生産台数:平均して約55万台/年(2010~2020年)
ロシア市場でのシェア:およそ20%
平均収益:約2000億ルーブル/年(※3)
ただし、今は収益性に問題を抱えている。2013~2017年は、2020年と同様、赤字経営だった。さらに、1000億ルーブル(※4)を超える債務も抱える。
※3:日本円で約3000億円(1ルーブル=1.5円で換算)
※4:日本円で約1500億円(1ルーブル=1.5円で換算)
引用元:
https://ru.wikipedia.org/wiki/АвтоВАЗ
https://www.rbc.ru/business/04/02/2022/61fd23b89a7947705c43323e
https://expert.ru/expert/2022/19/avtovaz-snova-russkiy/
https://www.autostat.ru/news/53925/
 
人気車種「Lada(ラーダ)」
 特に、「Lada Niva/ラーダ・ニーヴァ」のモデルが挙げられる。このモデルは1977年から現在まで生産されている、コンパクトな3ドアSUVである。当初からの生産モデルで、過去46年間にわたりその外観もほとんど変わっていない。モデル名も「Niva/ニーヴァ」(広大な耕作・作付け地、の意)から来ている。「Lada Niva/ラーダ・ニーヴァ」は史上、最も成功した輸出モデルとされる。これは、ダカール・ラリー(Dakar Rally)、ファラオ・ラリー(Pharaohs Rally)、ラリー・チュニジア(Rally of Tunisia)など、権威あるラリーで勝利を収めているためである。2022年1月、「Vlada 4×4 Classic」の名で日本向けに変更を加えた「Lada Niva/ラーダ・ニーヴァ」を東京モーターショーで紹介した。「Vlada/ヴラーダ」または「V-Lada/ヴィ・ラーダ」の命名は、ウラジオストク(ロシア語読みのVladivostok=ヴラヂヴァストーク)にあるロシアの工場で生産されたという背景がある。日本への輸出にはSUMOTORI Japan株式会社が仲介した。
引用元:
https://ru.wikipedia.org/wiki/Нива_%28автомобиль%29
https://techincom.lada.ru/news-dealer/9060197
https://www.drive2.ru/b/632436065713539108/

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