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【読書記録#1】反応しない練習/草薙龍瞬さん

一昨日の備忘録(https://note.com/samurai_orange/n/n61dfe9cafc58)で触れた本について読書記録をします。

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」/ 草薙龍瞬さん
(
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321501000178/)

たまたま見つけた草薙さんのインタビュー記事を読み、その内容が当時の自分に刺さったため、勢いのまま購入したのがこの本との出会い。
この本では、仏教の開祖であるブッダの教えを紐解きながら、シンプルに生きるための考え方を紹介されています。

今回の読書記録では、特に感銘を受けた内容を3点に絞って書いていきます。


1. 全ての悩みは“心の反応”から始まる

“心の反応”って見慣れない言葉だが、
状況や出来事, 他人など外界から受けた刺激に対して感情が動くことを指します。
満員電車に憂鬱になったり、人前でプレゼンする前に緊張したり…。

刺激に対して、心がつい動いてしまうことで悩みを産み出しています。
だから根本的に解決するには「ムダな“心の反応”をしない」ようにしましょう。
…がこの本の中で一貫して説明されている礎となる考え方です。

まずは「悩み」を「理解する」ことから始まります。

①「悩みがある」⇒②「悩みには理由がある」⇒③「悩みには解決策がある」と、順を追って理解していく

『反応しない練習』(2015) p.16

「私には悩みがある」と自覚することで一歩前に進められる…が個人的に刺さった部分の1つです。焦って解決法を探そうとするのを止めて「今悩んでいるんだな」と理解しただけで不思議と落ち着くものなんだと気づけたのは大きな発見でした。

次に考えるのは「この悩みの正体は何だろう?」
これが「心の反応」になるわけですが、「心の状態を見る」習慣を持つことで「ムダな心の反応」を抑えられます。
この本の中で紹介されていたのは…

  • 心の状態を言葉で確認する

  • 体の感覚を意識しながら感じとる

  • 頭の中を分類する

特に「頭の中を分類する」は悩みの理由を考える上で考えすぎるとネガティブに陥りがちな人には有用なのではないかと思います。
(上の2つは日頃からの意識の積み重ねが必要になります)

求めすぎ期待しすぎになってないか(貪欲)、不満不快を感じていないか(怒り)、頭の中でぼんやり考えてないか(妄想)…悩みの理由を詳細に深掘りするのではなく、心の状態を“分類”するだけで、すっきり軽くなります。

2. 注意すべきは“妄想”

この本ではブッダの教えに準えて、人生のことを次のように表現しています。

①まず“求める心”があり、②それが“7つの欲求”を生み出し、③その欲求に突き動かされて、人は反応する。④ときには欲求を満たす喜びが、⑤ときには欲求がかなわない不満が生まれる。そういうサイクルを繰り返しているのが、人間の人生である

『反応しない練習』 (2015) p.26-27

「このままじゃダメだ」「何かが足りない」と得体のしれない不安や焦りは、「心は求め続けて、何時までも渇いている、満たされないもの」と理解するだけで、「人生はそういうもの」と自身も含めた広義的な肯定ができる。

この本の中で特に記述が多かった、つまり多くの人が注意しなければならないのが“妄想”です。

「意味があるのか?」「どちらが優れているか?」と決めつけたり思い込んだり、「どうせ自分なんて」と自虐したり、「ついてない」と失望したり、「上手くいかないのでは?」と不安になったり…
こうした判断が多くの悩みを生み出しますが、突き詰めれば頭の中にしか存在しない妄想です。

また人が「自信」を欲しがるのも、妄想に囚われているからです。
(自分はできると思いたいだとか、不安を打ち消したいだとか)
勝ち負けや優劣を競わせる社会の情報や価値観すら、厳密にいえば「妄想」でしかないのです。

他人の目が気になる心理も“承認欲が作り出す妄想”です。認められたいからこそ、「どう見られているのだろう」と妄想してしまうのです。

「今、妄想している」と言葉で確認して、体の感覚に意識を集中することでムダな妄想をリセットすることができます(=「心の状態を見る」習慣)。

3. 「自分自身」と「正しい生き方」のみを拠り所にする

人はつねに何かを追いかけます。手に入らない現実に苦しみます。失われる現実に悩みます。しかし、そうした「現実」の中にあって、「現実」にのまれない心を持とう。

『反応しない練習』(2015) p.216

この本には拠り所となる「正しい生き方」のヒントが散りばめられています。

  • 「快の反応」を大事にして、「不快な反応をしない」ように努力する

  • どんな時も「自分のモノゴト」に集中する

  • 今立っている場所から、できることを積み重ねる。改善を重ねていく。


今まで「できるか?できないか?」「やるか?やらないか?」と考えて決断しないと行動できなかったけれど、やりたいこと・できることを積み重ねていけばいいんだ。この本を通じて「できるかできないかではない、やるかやらないかだ」の意味を初めてきちんと理解できた気がしました。


最終章の一番感銘を受けた文章を引用して、この読書記録を締めようと思います。

日々の仕事や家事も、「自身が納得できること」を基準にすれば、外の世界に振り回されることは減っていくでしょう。
もちろん、ままならない現実、わかり合えない人間は、これからも現れてくるでしょう。しかし、そういうときこそ、いたずらに反応せず、ぐっと目を閉じて、心を見つめて、「正しい心がけ」に戻りましょう。そうすれば「納得」が残ります。

『反応しない練習』(2015) p.216


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