佐名木 優比

銭湯巡りコラム。昼さがりにブラブラしながら東京街銭湯巡ってます。

佐名木 優比

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  • 「昼下がりの銭湯」~銭湯コラム

    銭湯は昼下がりに行くに限る。街銭湯を巡るコラム

最近の記事

『下午のまち銭湯』㉖たつの湯(練馬区石神井台)

銭湯は昼下がりに行くに限る 普通で特別な銭湯普通の銭湯・・・とはなんだろう。 それは人それぞれ。日ごろ銭湯といえば「スーパー銭湯」という人から見たらデザイナーズ銭湯だってそう見えるはず。デザイナーズ銭湯に通っている 人から見たらマンション銭湯やビル銭湯だってそう見える。 ぼくがなんとなく銭湯として思い描くのは、破風造りの瓦屋根で煙突があってというような銭湯。銭湯巡りを始める前はそんな銭湯が普通の銭湯なんだと思っていたのだけれど、そうじゃなかったんだ。なかなかないのだ。五軒

    • 『下午のまち銭湯』㉕鷲の湯(横浜七島町)

      銭湯は昼まえに行くに限る。 横浜銭湯銭湯処。日本には銭湯が特に集中的に点在しているところがあったりする。ぼくが日々巡っている東京二十三区がまさにそれで、数が少なくなったといってもかなりの数の銭湯が日常に溶け込んでいる。ほかには大阪や京都には数多くの銭湯がまだ生き残っているし名古屋などもそう呼んでもいい。ほかに・・・関東でいうと・・・そう横浜。 東京銭湯の多種多様を味わってしまうとわざわざ多摩川を超えてそっちの銭湯までとはなかなかならない。なんといっても多摩川手前にはかの蒲田

      • 『下午のまち銭湯』㉔アクアプレイス旭(浅草)

        銭湯は昼下がりに行くに限る 浅草銭湯 浅草。かつてこの地に蛇骨湯という天然温泉をフィーチャーした名銭湯があった。大正時代から歴史がある古銭湯。2009年にリニューアルしてちょっとモダンになった。充実した施設に駅近にあるということでアクセスも良く人気でいつも人で賑わっていた。この蛇骨湯ぼくのお気に入り銭湯で、定期的に浅草を訪れてはここの湯を頂いていた。 ここの富士のタイル絵が素晴らしくって、この銭湯の影響で今でも僕はペンキ絵よりタイル絵の方が好き。浅草は和菓子の名店が数多く

        • 『下午のまち銭湯』㉓幸の湯(糀谷)

          銭湯は昼下がりに行くに限る。   東京銭湯メッカ大田区は東京で一番銭湯が密集している区ということらしい。一口に大田区といっても品川あたりの大森、世田谷あたりの雪谷と川崎に近いところはだいぶ印象が違う。銭湯ファンが集うのは川崎側の蒲田。銭湯でいう大田区といえば蒲田なのだ。  蒲田の銭湯は下町の銭湯のそれと若干イメージが違う。施設というか日常の家での入浴の延長というよりかはわざわざ外に出かけてお風呂に入ることを想定した多機能銭湯が多い。街銭湯なんだけれど健康ランドやスーパー銭

        『下午のまち銭湯』㉖たつの湯(練馬区石神井台)

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        • 「昼下がりの銭湯」~銭湯コラム
          12本

        記事

          『下午のまち銭湯』㉒巣鴨湯(巣鴨)

          銭湯は昼下がりに行くに限る 新装開店話題のまち銭湯へ巣鴨に行く。巣鴨の銭湯はいつも駅近くの宮下湯に行っているんだけど今回は別の銭湯に行く。巣鴨湯。ここが今までの建物を改修して新しくリノベーションするということでいってるみることにした。新装開店までの様子をSNSに上げてくれていてどうやらサウナ主体のデザイナーズ銭湯になる感じ。 巣鴨の駅からは商店街を抜けて結構歩く。地下鉄の駅からだとすぐなのでそっちを利用したほうが良いのだけれども、久しぶりに地蔵通り商店街を歩いてみたかった

          『下午のまち銭湯』㉒巣鴨湯(巣鴨)

          『下午のまち銭湯』㉑富久の湯(入谷)

          台東区のまち銭湯で朝風呂銭湯は昼下がりに行くに限るが、たまに午前中に入りたかったりする。 とはいえ銭湯は大体15時開店だったりするので、そういう時はスーパー銭湯かサウナに行ったりする。 都内には数が少ないが、朝風呂を提供してくれる銭湯が存在する。代表的なのが上野にある燕湯でここはその外観もあって東京銭湯の中でもかなりファンがいる湯場。  某日上野と浅草あたりで9:00頃行動中。そうだ燕湯で風呂に入っていこうと思ったけれど、微妙に距離がある。歩いていけるだろうか?と地図アプ

          『下午のまち銭湯』㉑富久の湯(入谷)

          『下午のまち銭湯』⑳ちどり湯(広島市南観音)

          銭湯は昼下がりに行くに限る 地方都市に一泊して地方都市に行った際は無駄に一泊してしまう。この日も広島で用事を済ませ夜の新幹線で帰路につこうかと思ったのだが、せっかくだからと一泊することに。  近くのサウナで汗を流す。「ニュージャパンEX」という施設。大阪にもニュージャパンというサウナがあったのだけれど関係は不明。これがなかなかいいサウナだった。ぼくは銭湯が好きだけど銭湯のサウナを使うことは基本ない。逆にこういったサウナに来ると浴槽につかることはほぼ作業的になる。サウナと水

          『下午のまち銭湯』⑳ちどり湯(広島市南観音)

          『下午のまち銭湯』⑲豊玉浴場(新江古田)

          ある夏の日の日曜日。 新江古田の銭湯江古田駅にやってきた。もうずいぶんの間付き合いのなかった友人から突然連絡が来る。「どうだい?次の日曜、飯でも食わないかい」。あまりに久しぶりなのでちょっと疑う。仏壇でも売りつけられるのかと勘繰ったが純粋な誘いだろうと判断して会うことに。  友人は江古田にある某芸術系の大学に通っていた男で、その時にすっかり江古田という場所の磁場に取り憑かれてしまい卒業後もずっとその地に住みつづけているという男である。以前は彼の江古田の部屋に遊びに行ったこ

          『下午のまち銭湯』⑲豊玉浴場(新江古田)

          『下午のまち銭湯』⑱大黒湯(茗荷谷)

          銭湯は昼下がりに行くに限る 夏、文京区、銭湯  銭湯はどの時期に行ってもその時々に楽しく感じられるのだけれど、中には「この時期はこの銭湯だ」と決めうったものもあったりする。 まだ僕が銭湯巡りを始めたばかりの時。暑い夏だった。その日は文京区にある「富士見湯」という銭湯に訪問していた。 瓦屋根に煙突、内番台といかにもな銭湯。当時のぼくはまだデザイナーズ銭湯なんかの新時代の銭湯に強い影響を受けていて昔ながらの銭湯にややテンションが下がる部分があった。  でもこの富士見湯、その

          『下午のまち銭湯』⑱大黒湯(茗荷谷)

          『下午のまち銭湯』 ⑰小松湯(小松川)

          銭湯は昼下がりに行くに限る 廃業銭湯銭湯は斜陽産業だ。なんでも東京銭湯は週に一個のペースで廃業しているらしい。実際前に前に行った銭湯にもう一度行こうと思っていってみたらもう廃業してたなんてことも珍しくない。ぼくのお気に入りだった浅草の蛇骨湯や北千住の大黒湯なんて名湯だって容赦なくなくなっていく。 こんな感じで各所の銭湯をブラブラあてもなく訪問なんてことをしていると、銭湯の最後の時に訪問なんてこともある。四月某日。今回訪れた小松湯も今月末で廃業するということだった。 江戸

          『下午のまち銭湯』 ⑰小松湯(小松川)

          『下午のまち銭湯』⑯薬師湯(向島)

          スカイツリーから一番近い銭湯 二月某日。 2012年に完成して、すっかり東京の名所に定着している東京スカイツリー。誰の発案でこのスカイツリーを押上に建設しようとしたのかは定かではないのだけれど、ぼくはナイス判断だと言いたい。 変に都心めいたところに造らずに、下町ゾーンに鎮座したことによってこのスカイツリーからは人情を感じる。東京タワーなんかよりずっとずっと人間くさいとぼくは思う。なんかちょっと懐かしく親しみやすい気分になるんだ。 下町といえば銭湯文化。東京の銭湯巡りをし

          『下午のまち銭湯』⑯薬師湯(向島)

          『下午のまち銭湯』⑮アクア東中野(東中野)

          銭湯は昼下がりに行くに限る。 プール銭湯 東中野あたりで銭湯を探していた時の話。当初はほかの銭湯に訪問しようかと思っていた。地図で場所補確認していると近くにもう一軒銭湯の表示が出てきて「ああここにも銭湯があるなぁ」などとなんとなくチェックしてみる。 すると、そこに「ミニプールあり」の書き込みが。気になる。よしこっちに行こう。 事前に仕入れる情報はなるべく少なくしておくのが良い気がする。直前にぱっと表面的に簡単な情報をさっと仕入れてといった感じのことをする。このように「ミ

          『下午のまち銭湯』⑮アクア東中野(東中野)

          『下午のまち銭湯』⑭竹の湯(麻布十番)

          銭湯は昼下がりに行くに限る 東京銭湯デッドスポットへ東京の銭湯の分布地図を見てみると、銭湯が密集してるポイントがいくつかあることに気づく。上野浅草や蒲田など。逆に皇居の西側赤坂あたりを中心に銭湯が全然ない。スカイツリーの周りはたくさん銭湯があるのに東京タワーの周りには銭湯がない。 麻布十番にまち銭湯があるというのは以前から知っていた。六本木にある銭湯と紹介されることもある。いつかはとは思っていたが六本木に来てついでに銭湯という気分にもならず放置していた。だが、あらためて場

          『下午のまち銭湯』⑭竹の湯(麻布十番)

          『下午のまち銭湯』⑬亀の湯(小岩)

          銭湯は昼下がりに行くに限る。 年はじめ湯はじめ小岩 年はじめの寒い時は一年で最も銭湯に行きたいとき。やっぱり寒い時に浸かる湯というのは格別。 新年一発目の銭湯巡りは江戸川区の小岩あたりの銭湯に来ることがここ何年かのぼくの定番になっている。別にこれといったこだわりがあるわけじゃないのだけど自分の中で勝手に作ったルールというものは妙な縛りができてしまうもので困る。 昼過ぎと夕方あたり、各所の銭湯が開店する「下午」の時間に銭湯に行くという日課もなぜかいつの間にやらぼくの中で

          『下午のまち銭湯』⑬亀の湯(小岩)

          「下午のまち銭湯」 第十二湯~神保町【梅の湯】

          銭湯は昼下がりにいくに限る 思い出の神保町 神保町。今日は昼銭湯のためにこの街に来た。 ぼくにとってこの街はちょっと特別な思い入れがある。学生時代を過ごした思い出の街。御茶ノ水駅を降りて楽器屋街を巡り、交差点を右折古書通りを回って後楽園の方へ抜けていく。御茶ノ水→神保町→水道橋。 典型的な不真面目学生だったぼくは講義にもろくに出ないで毎日朝から晩まで飽きもせずにこの「黄金コース」を巡回していた。この神保町は僕という人間の核を作るうえで非常に大きな役割を果たした場所。

          「下午のまち銭湯」 第十二湯~神保町【梅の湯】

          「下午のまち銭湯」第十一湯~北千住【金の湯】

          銭湯は昼下がりに行くに限る 北千住の銭湯事情今年6月、東京銭湯ファンを激震が襲った。北千住「大黒湯」廃業。コレはちょっとした事件である。 大黒湯のような伝統的な銭湯は年々廃業の道に突き進んでいるのは事実だ。しかしあの大黒湯だ。人呼んで「KING OF SENTO」。東京銭湯の王が陥落。時代の波は最も簡単に東京銭湯の顔を飲み込み流して行ってしまった。これが銭湯の宿命なのか。 他の銭湯のようにリノベーションやデザイナーズ銭湯として生き残る道もあったように思える。これだけ

          「下午のまち銭湯」第十一湯~北千住【金の湯】