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「下午のまち銭湯」 第五湯~練馬【辰巳湯】

銭湯は昼下がりに行くに限る

昼下がりの練馬


練馬。以前銭湯ファンに有名な桜台「久松湯」に行ったときに、近くにもう一軒銭湯があるのを見つけて、ちょっと気にはなっていた。たまたま西武池袋線に乗る用事があったので空いた時間で沿線の銭湯へとなった。勿論昼だ。

この銭湯の住所は桜台ではあるんだけど、地図上は練馬駅のほうが全然近い。

練馬の駅を降りて池袋側に歩くと商店街通りがあってそこをまっすぐ行くだけなのでわかりやすい。

このあたりは西東京への玄関口といった側面もあって、どこか落ち着いたというか静かな感じが銭湯までの道すがらでも感じられる。

練馬の銭湯文化

練馬から西東京のほうは銭湯巡りでも来た記憶がぼくにはあまりない。久松湯がありはするけど銭湯件数はそんなにないような気がするんだよな。いや元々はあっただろうけど、どんどん潰れて行ってしまったんだろうなぁ。

これは勝手なぼくの感覚なんだけど、東京の銭湯は23区の都会周辺に集まっている気がするんだな。そうゆうところでしか生き残っていけないわけだ。古き良き街文化ではあるが古き良きにはもう銭湯は生き残っていけないのが現状であると思う。

東京の西の方向はほんとに銭湯は少なくなっている。練馬区も23区ではあるが多分その侵攻をうけている。だからこのあたりの銭湯はいつなくなるかわからない。久松湯だって突然ってことはありうる。いけるうちに行っといたほうがいい。




辰巳湯



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「ゆ」マークが出ているのでそれを目印にすれば良いけど、一瞬通り過ぎるところだった。マンション銭湯というやつだ。1階が銭湯で2階からが居住区。

ぼくの知り合いに以前このタイプのマンションに住んでいた奴がいて、そこは入居者は銭湯に入りたい放題というとこだった。ここもそうなんだろうか?だとしたら銭湯好きには最高の物件だ。

暖簾を潜る。松竹鍵をガチャっとやって中へ。フロント番台式で開店時間にいったけど、すでに複数のお客さんがいる。

脱衣場に入る。ロッカーはシリンダー式キーロッカー。古い銭湯でもこのタイプが増えた。鍵についてる輪っかが防水式のバネになってるやつだ。

昔ながらの松竹錠式のも銭湯らしくていいんだけど、ついてるヘアゴムは水をすって肌触りがよくないし衛生てきにもよくないからこっちのがいいかな。

からららー

入場。両壁側と中に一島洗い場があって、カラン数は17。正面奥に浴槽が3つ横並びにあって、左の壁には扉と窓があってその向こうに有料サウナが設置されている。

ケロリン桶を手に取り、浴槽のすぐ前のカランへ行く。ここは東京の銭湯では結構珍しい備え付けのボディソープがない。自分で持ってくるかフロントで使いきりのを買っておこう。ぼくは鞄にオフロセットを入れているのでそこにシャンプーと石鹸を入れてある。

身体を清めてさぁ湯に入ろうかな。

浴槽は3つある。最初はとりあえず白湯から入るようにしてるんだけど、ここはまんなかが白湯・・・だけど入浴剤が入ってる。真っ白。あれれ。でも左端にはちゃんと薬湯があるし白湯って書いてある。う~ん?

よく見るとシルク風呂と書いてある。これはたまにある超細かい泡が排出されているマイクロバブルバスってやつか。細かい気泡が白く見える原因。炭酸風呂に似ているけどあくまでバイブラの一種。

しゃぽん・・・

湯につかると、皮膚の表面に細かい気泡がまとわりつくのがわかる。これで毛穴の老廃物を取り除くらしい。ホワンと柔らかい気泡の感触に包まれる。嗚呼きもちいなぁ。

ぼーっと入っているとふと右のほうにスペースを発見。おお!水風呂があるじゃないか。さらにその奥に露天風呂も発見!!!

まずは水風呂。どれどれ。なかなかいい温度じゃないか~。21度。これくらいの温度が一番好き。サウナには入らないから冷たすぎるのは逆にデメリットなのよね。1分ほど入ってからそのまま露天へ。

へぇ。結構大きい。手足を十分伸ばせる。水風呂からの温度差で皮膚がビリビリする。この日は晴天。これぞ昼銭湯のだいご味。青空のもとの露天はこの時間じゃないと味わえない。空と一体になる感じ。やめられない昼下がりの銭湯。

一応カーポートみたいな屋根がついているので雨天でも入れる。ただこの屋根が微妙に黒く色がついていてせっかくの青空が曇って見えてしまう。これはマイナスポイントかな。

もう一度水風呂に入ってから今度は薬湯に。鮮やかな紫。アサイー果実風呂とのこと。天井を見るときれいに保たれている。清潔感のある銭湯のポイントはずばりここ。脱衣場やカラン周りがきれいになっていても上を仰ぐと天井は汚いまんまってところが結構あるんだ。

薬湯を上がって最後はマッサージ風呂へ。ボディジェット座風呂ジェットバスの2つがせっちされている。ジェットはしっかり両足足裏まで刺激してくれる。

気づくとカランはお客さんで埋まっている。サウナを楽しむ若い客や小さなお子さんを連れたお父さんも。なかなか繁盛しているね。たまに行くなら奇抜な久松湯だけど毎日行く風呂ならこっちだね。

さーてあがるかな。脱衣場に戻り服をきる。身体が火照ってるし、フロントで缶ビールを買おう·····と思ったけどこんなご時世。酒類の販売はなし。しかたないか

店を出る。目の前にスーパーマーケットがある。自然と身体が吸い込まれる。意識はない。Asahiのちょっと苦い炭酸水をレジに持ってゆく。

プシュ~。ゴキュゴキュ。

心地よい喉越しに癒されながら駅までの一本道を帰っていった。

銭湯の詳細

辰巳湯[所在地] 東京都練馬区桜台[最寄り駅] 西武池袋線「練馬」駅徒歩6分

[営業時間] 14:30−24:30[定休日]水曜日[入浴料]470円

[サウナ]入浴料+300円(タオル別料金)
バスタオルセット100円(レンタル)[ドライヤー]20円



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