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【掌編小説】夜に棲む日々


追記・2023/12/22 5:57一部書き直ししました。

月を大きな雲が包み隠そうとしていた。久しぶりに浴びた自然の光のような気がするが、このままだともうじき真っ暗になる。自然光とはまたおさらばだ。月は昔から好きな天体なのでこういうときは郷愁のような感覚に襲われる。

自分は夜型の生活をしている。現在すべての仕事は部屋のパソコンで行い、食事は適当にコンビニで買って食うだけ。お日様は見れず、ほぼ一日部屋の中に缶詰。それが現在の自分の棲む世界のすべてともいえた。リモートワーカーが当たり前になった現在、こういった人間も珍しくはなくなった世の中なのだ。

とはいえ、さすがにデスクワークのみで殆ど運動もしていないと、自分の健康が心配にはなってくる。テレビで体操とか見ているととくに。そんなわけでなんとはなしに通販でダンベルセットとダンベル体操の本を買った。買ったのは1kgのダンベル……、だったが思いのほか自分にはそのダンベルが負担になったようで、まともに持ち上げられなかった。仕方が無いので500gのダンベルを買い直した。見栄をはって無駄な買い物をしてしまった。1kgのダンベルはそのうちフリマアプリかなんかで売ろう。

とりあえず体操の本をぺらぺらとめくり、はじめてなので負担の軽そうな体操を選んでみる。適当に選んだ体操で2~3回ダンベルを持ち上げたが、それだけで疲労困憊となり体がまっすぐを保てなくなったもんだから、一気にベッドによろける。目は天井を見つめてぐるぐると回るだけだった。健康で文化的な最低限度の生活を営む権利……、それってどこの国のルールの話だったっけなあ、とかぼんやり思う。

夜に棲むものというやつは、神話なんかだと大方悪役を背負わされる。 大体この日本においたって太陽神が最高神なんだから。 じゃあ、太陽の下に出ていくのか?と言われると、一度染みついたサイクルはそう簡単に変えられるものではない。なんだかんだで今の仕事は稼げている。それに正直この仕事は性にあっているのだ。

まあ太陽ではなく、時々お月様が拝めるのを最良とする生活も、悪くはないだろう。と、思い直し、勢いを付けてベッドから体を起こすと、またパソコンの置いてある椅子に座り、エンターキーを押し、パソコンのスリープモードを解除させたのちおもむろにキーボードを触り始めた。再びキーをたたく音が部屋中に響き始めた。

【了】

最近掌編小説がアイディア全く浮かばず書けなかったので、アイディアをAI画像で召喚することに。私はAIにこういう感じで助けて貰う使い方が好きです。

で、私は一部なら無料で使える『Dream by WOMBO』を愛用しております。このサービスは画像がテンプレートとなるフィルタ形式に沿って出力されるので、曖昧なイメージを具体的な形にしやすいのです。日本語も使えます!有料フィルタも多いけど、無料フィルタも沢山あります。ユーザー登録とか必要ないので気軽に使えます。

今回の画像は『anime v3』フィルタで召喚。呪文は「夜空に浮かぶ大きな満月の下に、タバコの煙がゆらいでいる」。月が雲に隠れるイメージを期待してこんなのを打ち込んでました。

最初他のフィルタで絵画的なものを期待して出力してたのですが、なんか最近はanime系フィルタがかなり使いやすくなり、日本アニメの背景美術っぽいものが召喚されるようになりましたね。このフィルタでの出力が一番しっくりきたのでこれでいくことに。

なお他の画像も出力すると、『Simple Design v2』だと同じ呪文でもこうなる。

なんかとある谷を放浪している人っぽいのが出てきましたね笑 これもかなり琴線に触れたのですが、その後anime v3で出力したもののほうが好みだったので。

ついでにこれも。『Dreamland v3』で出力。

……なんかこれク○○○フっぽくない?とか思った。怖いやつ。フィルタの名前がそもそもDreamlandだからなあ……。

さて、既にかなりの人がタイトルの元ネタはおわかりかと思いますが、司馬遼太郎氏の小説『世に棲む日々』です。私は歴史ファン的には異端っぽくて、司馬遼太郎氏の作品をほぼ読んだことない(短編集の『豊臣家の一族』だけ読書感想文用に読んだけど内容覚えてません……)こともあり、誰の話かも知らないが←おい (今調べたら吉田松陰の話でした)。
うーん、かつてはリアル本で読むしかなかったから読みにくかったのかなあ、今なら電子書籍あるからそれで読めばもうちょっと読めるかな、と思ったり(私は軽い読字障害もちです……、読字障害とは知能に問題がないけれども文字が読みづらくなる障害です)。とりあえず斎藤道三の小説『国盗り物語』が読みたいです。斎藤道三好きなんですよ。

もともとタイトル、中学のとき読んでたみのり書房のアニパロコミックスで高橋なの氏が作品にこんな風にもじったタイトルを使ってたことから、知ったのはそちらが最初なのです。高橋なの氏は歴史小説系のタイトル(大河化したものからでしたね殆ど。ちなみに当時インターネットはない!)を多く使ってらした。そもそも高橋なの氏が描いてた大河ドラマ『独眼竜政宗』のパロディ漫画、『ダンディドラゴン』が歴史の入り口でした……。まだちゃんとコミックス持ってますよ。

なお自分は完全に昼型の生活しかできない人間です。今自宅で療養中ですけどそれでもきちんと昼型。なんというかテレビ番組がいい具合にタイマーになってる。睡眠時間をきちんととらないとダメな病気をかかえていることもありますが、0時過ぎは殆ど起きてませんね。深夜アニメはビデオサービスか録画して見る物です。
夜型の生活したこともありますが体調がめっちゃおかしくなりました。慣れなかったし……。なのでこの作品はほんとファンタジーな感じです。

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