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#45・犬の恐るべき能力③【適応力】

こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します

【犬の恐るべき能力】シリーズのその③は、ズバリ【適応力】です。

【適応力】と聞くと、ああ、そう言われればね、と納得する方も多いでしょう。
ですが、犬の【適応力】はどれだけ優れているのか。ほかの動物と比べてどうなのか。
それを知る方は少ないと思います。

そのお話を、少しさせていただこうと思います。

【適応力】は、「環境、状況に馴染み、生きていく能力」

です。

かの生物学者・ダーウィンは
「生き物が生き残るためには、強いものでも、大きいものでも、賢いものでもなく、環境に適したものが生き残る」といった言葉を残していますが

犬に対して言えば、この「環境に適する」ことは得意中の得意の能力なのです。

この【適応力】がどこに一番発揮されるのか。
それは、犬たちが生きる環境でだけではなく、彼らが気づく社会的関係にも発揮されます。

この【社会的関係に発揮される】という最大の特徴は、
違う種族と社会的関係を築きながら、同種との関係も同時に構築できるという能力です。

簡単に言えば、犬は人の家庭に食らすようになったとき、人間はもちろん、猫とも、鶏とも、羊とも、馬とも【家族】と認識し、社会的関係を築くだけではなく、同種の犬とももちろん、その関係を築くことができるのです。

そしてこれは家畜化された動物はある程度できるものですが、野生動物ではかなり難しいことになります。

よく、野生動物の赤ちゃんを保護して育て、ある程度になったときに野生に戻すという活動は、人が想像しているより難しいということを聞いたことがあると思います。これは単体で生きる動物より、群れで生きる動物のほうがより、難しくなります。

一度人に対して「社会的関係」つまり、家族や仲間意識を持ってしまった動物が、同じ種族といえど野生動物に受け入れられ、暮らしていくには双方の大変な努力が必要ですし、

時に【群れ】は【異端】を排除し、野生に帰れないまま他の動物の餌食となることは残念ながら良くあることです。

馬、ヤギ、羊、豚、家ウサギ、あひるなどの家禽は、ある程度そこは柔軟ですが、ペットの代表である猫でさえ

犬に比べると【他の種族との社会的関係を強固に築く時期】は遥かに短く、
その時期を逃すとなかなか人に慣れること、他の種族と強い信頼関係やつながりを築くことは困難になります。

オーストリアの動物学者、コンラート・ローレンツが名付けたインプリンティング(刷り込み)行動はあまりにも有名ですが、これは鳥類が卵から孵化してすぐに見た動くものを「親」だと思い込み、親にひたすらついていく、というものです。

これが人間であろうと、犬であろうと、おもちゃの車であろうと、関係ありません。

この【インプリンティング】には【臨界期】が存在し、ある一定の時間がすぎると、この【刷り込み】行動は見られなくなりますし、新しい人に慣れることはありません。

鳥類の【刷り込み】は劇的な例ですが、他の動物にもこの【臨界期】は存在します。

そして犬の【臨界期】については、所説ありますが、第一社会化期と言われる生後3~約14週と言われます。

鳥類の【臨界期】が孵化後2~3日と言われますから、
これは恐るべき長さです。

マウスでは生後22日~35日、猫では約12週と言われています。


結論から言いますと、犬は他の動物よりも

【何か新しいものと、社会的なつながりを持つことに柔軟である期間が長い】

ということなんです。

そして犬の恐るべき能力の一つに、
この【新しいものと社会的なつながりを持つ】ことは、臨界期を過ぎてもなお、可能だということです。

つまり、大人になってからでも、新しい環境、新しい生き物と社会的な関係・・・家族や仲間意識を持つことができるということです。

また、犬はその目的のために人間に繁殖をされてきましたから、犬の本能と習性を用いつつ、人間の社会的行動にも合わせることができるという稀有な動物です。

皆さんは「盲導犬クイール」のお話をご存じですか?

私はクイールを育てた盲導犬訓練士、多和田さんと直接お話をさせていただくことがあったのですが、盲導犬の訓練で一番難しいのは、
ユーザーの指示に逆らって危険を回避すること、だそうです。

盲目のユーザーの指示が誤っていて、指示に従ったら危険と犬が判断した場合、ユーザーの指示をあえて無視することが犬と人、
双方の命を守る唯一の方法なのですが、
これが出来ることが盲導犬の最後の試練なのだそうです。

それは犬が自分の身の危険だけではなく、ユーザーであり飼い主の危機を自らの判断で回避するということです。

これだけ、強い絆を、違う動物種同士で築ける動物が他にいるのでしょうか?


私はこの話を聞いたとき心底驚いたことを覚えています。

これは【犬にとって人とのつながりは、時に同種である犬よりも強い】ことを教えてくれます。

もちろん、人は犬との1万年以上のつながりの中で、より人と絆を強く結べる犬を残し、繁殖を繰り返してきた結果でもあります。

そしてこれだけ犬が人と強い社会的つながりを作れるだけではなく、
犬は犬同士でも用意に【つながり】を結ぶことができます。

さらに、同じ【社会】【家族】を形成する生き物として、人間、犬だけではなく、他の生き物を容易に認識し、絆を結ぶことができます。

皆さんも、犬と猫、犬と鳥、犬と馬、犬と羊・・・・などが仲睦まじく共にいる映像などを見たことがあると思います。

そう、犬の恐るべき能力・・・・人は【それって当然】と思っている、最大の能力はこの【適応力】。

【多種多様な生き物、そして同種とも、同時に複数の社会的関係を容易に築くことができる】だと私は思います。

そしてそれこそが、1万年以上、人の大切なパートナーとして人類の友として歩んできた犬たちの特殊能力なのです。

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