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数学の時間

勉強

中学の頃、幾何学の証明が面白くてハマった。
いや別に幾何学が得意だったわけじゃなくて
クラスのみんなが休み時間に証明問題で遊んでいた。
中学生が作る問題だから大したことは無いのだが
いや、だから楽しかったのか。
たまには何人かで頭を突き合わせて「難問」に立ち向かった。
ああじゃないか・こうじゃないか・補助線をどう引くか…
頭を突き合わせていることで
一つの図形を、文字通り違った角度から見たのもよかった。

授業で、黒板に描かれた図形問題を解くのに
生徒が言う証明を先生が描いていったことがあった。
「頂点から垂直二等分線を引いて…」
長い証明になって、途中で先生が笑って「ずいぶん描かせるなあ」
そのうち生徒が「あっ!…」と絶句。
何となく、間違ってる…?と気付いていたみんなは爆笑。
証明問題はパズルのようで面白かった。
成績は良くなかったが。

ところがこれが因数分解や方程式や関数等々の計算問題になると…
山のような計算問題を必死の形相で解いて
たとえ答があっていたとしても
幾何学の証明の達成感とは程遠かった。
ナンなんだよー…この計算…意味わかんない…

目で形が見える図形と
数字に抽象化された数式と
計算と幾何学の証明では、使っている頭の部分が違うのに違いない。

そんな自分も今では地下鉄に乗るたびに
塾の広告の中学入試問題を解いて楽しんでいる。

学校から出て
余裕ができたおかげで勉強の楽しさを知るなんて
ちょっと不幸なんじゃないか。
いや
ずうっと知らないままの人よりは幸せか。

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