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【日本酒、EU域内への禁輸措置を土壇場で免れる。文化としての日本酒】

3/7付けの日経の記事タイトルからですが。

EU加盟国からなる閣僚理事会と立法機関の欧州議会は食品包装の新たな規制として、EU域内で酒を製造・販売する事業者に、「製品の10%で再利用か詰め替えが可能な容器を用いるよう義務付けること」を検討していました。
施行は2030年以降から。

加盟国や企業のロビー活動の結果、ウイスキーなどの蒸留酒やワインは除外されています。

また韓国のマッコリは紙パック包装が多いこともあり、本規制の対象外とされているようです。
韓国は日本酒の輸出量が5本の指に入りますが、紙パック酒の輸出が多いと聞きます。

しかし瓶での扱いしかない酒造会社にとって、海外での再利用は難しいですし、紙パックやワイン瓶への変更は負担増につながりかねません。

ですが何より、日本酒のボトルは単に「アルコール飲料を入れる容器」ではなく。その造りの歴史や背景、イメージを具現化する「美術品」であることも多いのです(写真はデザイン賞を受賞したおしゃれな日本酒)。

環境問題は大事ですが、芸術と文化に造詣が深いヨーロッパで、そのあたりのことが蔑ろにされるというのは驚きでした。

このところ海外を意識したボトルやラベルのデザインに一新される銘柄が増えており、当店の欧米のお客様は、ボトルデザインやラベルの色やデザインで、良くジャケ買いをされます。
「ワインのようでおしゃれだねー」と仰るお客様も多く、それならいっそワインボトルに変更することも選択肢の一つなのかも知れません。

またおしゃれな紙パックや軽量で品質が劣化しづらいパウチなども登場し、
進化を図る時が来ているのかも知れません。

ですが結局、日本政府がEUに適用除外を働きかけ、日本酒は規制の対象から外されたようです。
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しかしもっとも懸念すべきは。
アルコール類の健康に対する各国の解釈と対応です。
こちらは「アルコール類」そのものへの規制となりますから、パッケージを替えるといった対応では済みません。

ベトナムではアルコール度数が15度以上のお酒の販促活動(プロモーション)は禁止されています。

例えば、日本では良く見かける「スーパーなど店頭での試飲」はNGですし、誰もがアクセスできる状態での、ホームページでの販売も禁止されています。
顧客にアカウント登録をしてもらい、購入するという形では販売できます。
当店でもCapichiでのアカウント取得、LINE公式アカウントへの登録、FacebookページなどSMSでメッセージをいただく形での販売はしております。

そんな中先月、日本の厚生労働省では、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が公表されました。

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001211974.pdf

さらにベトナムでは飲酒運転の取り締まりが強化されています。

私たちアルコール類の販売に携わる者は今後ますます、お料理とのペアリング、酒器等のトリプリングなどご提案し。
「酔うための酒」ではなく「文化としての日本酒」を広めてゆければと思っております。

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