妖怪ウォッチワールド、ヒカキンのチュートリアル動画が強い話

ゲームのチュートリアルは制作側からすると意外と工数のかかるもので、離脱率が売り上げに直結する基本無料のソーシャルゲームやブラウザゲームでは特に頭の痛いものとなる。

なにしろチュートリアルのフローというものは例外処理のオンパレードで、その割にユーザーは一回しか通らない。説明をシンプルにするとユーザーが低い理解度のまま放り出されてしまうし、かといって説明を多くしすぎるとウザがられてしまう。ならばということで画像数枚にまとめたり、簡単な動画にしても、ユーザーは基本的に見ないものと考えた方がよい。

しかも日々運営されるソーシャルゲームでは、割と短いスパンで新機能や新たな成長要素が追加されていく。その場合、チュートリアルをメンテナンスしなければ、運営が進むにつれてゲーム内容との乖離が進む。メンテナンスするとなると、また例外的な処理を入れ込んでいかなければならない。

昨日リリースされた妖怪ウォッチワールドでは、チュートリアルの一部でなんとヒカキンが、Youtubeで展開するあのノリそのまま、動画で説明をする。衝撃。強い。この発想はなかった。これは強い。Youtuberによるチュートリアルは先述の諸問題の多くを解決する可能性がある。

なにしろチュートリアルを見ること自体が娯楽になってしまう。学習の機会としてのプレイングの失敗もネタとして自然に入れこめる。新要素が実装されたら、新しい動画を作って再生すればよい。

しかもこの方式のチュートリアルは、ある程度の喋りと編集の技術があればゲームごとに応用が効く。ヒカキンに抵抗のある層がターゲットであれば、今ならVtuberがやってもいいし、ゲーム中のキャラクターをVtuberに仕立ててもいい。なんなら機械音声でゆっくりライクにやってもいい。

要は、Youtuberのあの食い気味の、速いテンポのカット文化がチュートリアルととにかく相性がよくて、その文化がそのまま流用できるのが強い。失敗もネタになるから、わかりにくい要素を「わかりにくいよね!」と素直に言える。なんなら「わかりにくいけど改善するよ」という制作側のメッセージも直接伝えられる。今のムーブメントとも潮流が合っている。メリットだらけ。

この方式、これからスタンダードになってくといいなあ。

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