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2021.12.05 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)好きの解像度があがっていくとき。

わたしはたぶん人と比べて「やりたいな」とか「欲しいな」と思ったことがあっても、「わたしは本当にそれがやりたいのか?」「わたしは本当にそれが欲しいのか?」と自分の本気度を疑ってかかりがち。

そんなこともあってか、小さい頃からなにか習い事を「やりたい」と思い立つと、いそいそと父母にプレゼンテーションするための理由を考えて、料金設定表とも睨めっこして初めて「ねぇ、〇〇をやってみたいんだけどさ」とお願いをしてきた。

ここまで説明するくらい本気なんだと、どこかで自分自身を納得させたかったのかもしれない。そんなわたしは、ひとつの習い事をそれなりに長く続けるタイプ。

習い事だと、バレエ(9年間)、ピアノ(半年)、スイミング(4年間)、塾(5年間)。
部活動だと、吹奏楽(6年間)に、茶道(現時点で2年め)。

大人になって、仕事のほかに習いごとになんて行けるのか?と疑心暗鬼になりながらやっと始めたのが、この茶道。今回は両親の承諾がいらない分、全部自分で判断しないといけないこともあって、かなり悩んだ(その期間、約1年半!)。

そして、やっと決断して習い始めてから、はや2年半が過ぎようとしている。世の中が不安定だったこともあって、飲食物を扱うこの習い事も何度かのお休みを経ているため、実質2年くらいなのだけれども。

そんな昨日、小習のお点前をしながら先生とお話をしていると
「もう入門して2年半が経つわね。年が明けたら、四ヶ伝のお稽古を始めましょう」
とお声が掛かった。

わたしが習っている茶道裏千家は、下の図のような段階でステップアップしていく。(厳密には、上がったり下がったりしながら前のお点前を確実にしながら緩やかに、3歩進んで2歩下がるようなお稽古をしている)

裏千家ホームページより

https://note.com/sanmari_store/m/m168efb7a5a77

今年に入って、お稽古のときに感じたあれこれをこうやって「七十二侯と茶道のお稽古記録」で言葉にしてきたけれど、実はまだまだピンク色の入門の段階。この次のお手前から始まる「茶通箱」「唐物」「台天目」「盆点」の4つが四ヶ伝と呼ばれ、ここからは教本ではなく口伝でお手前を習得していくことになる。

今日のお稽古の途中、薄茶を飲んでいると先生が口を開いてこう仰った。

「コロナでお休みも多いけれど、あなたは本当によく頑張っているわ。年が明けたら、四ヶ伝のお稽古を始めましょうね。お稽古日誌の準備をしていらっしゃい」

初級の段階を、「まあ、ある程度できるようになってきたわよ」と認めて頂いたも同然のお言葉。先生から褒めてもらえると、毎週お稽古を頑張ってきてよかったな……と思う。

るんるん気分で、彼にも「今日は、お茶のお稽古に行ってきたんだよね」とラインをすると、すぐに返信があった。「お休みの日にえらいじゃん。頑張っているね」と。

茶道を始めたきっかけは、わたしの日本文化に対する「好き」」の解像素を上げていきたいなと思ったことが大きな理由で、誰かのためだったり仕事のためだったりするわけではない。だから本当に純粋に「わたしがやりたいから」やっている。

ただやりたいからとお金を払ってまでやっている習い事だから、褒められることを目的にしているわけではない。それでも、褒めてもらうということで得られるモチベーションはとても大きい。

そして、こうやって日々のお稽古の頑張りを先生に認めてもらえたり、好きな人から「よく頑張っているね」と褒めてもらうと、「よし!次も頑張るぞ!!」という気持ちがメラメラと湧いてくる。

茶道を通して、日本文化だったり季節の移り変わりを愛していくことだったり誰かと場を共有することだったり、自分自身と向き合ったり……そんな時間を過ごすことが好きなんだというわたし自身を知りながら、そのための努力をこうやって大好きな人たちから肯定してもらえるってものすごく幸せなことなのかもしれない。

好きが褒められてもっと好きになっていくこの連鎖のあるこの場所は、わたしにとって居心地の良い場所のひとつなんだと思う。

だから、仕事にしろ趣味にしろ、これから長い人生の中で「わたしは何が好きなんだろう。それをどれくらい好きになれるんだろう」を突き詰めながら、わたしにとって生きやすい世界を模索していきたい。なんてことを、お茶のお稽古を通して考えている。

そしてわたしも、彼が好きなことを見つけたときに、それを頑張っているときに、彼のテンションが上がるような言葉を選んで伝え続けられる人でいられるといいよなぁ。大好きな人だから、彼にも好きの解像度がより高い世界で生きていてほしいし、その一部にわたしがいたら、それはこの上なく幸せなことなんだろうなぁと思うから。

【参考】
裏千家ホームページ


追伸:見出しのお菓子は、昨日の主菓子。「聖樹」の名のついたクリスマスツリー。

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