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「エッセイ」或るスナックの戯言〜女が敗北を認めた時〜

↑ 物凄くくどいようですが、私の現在の職業です。



今日も私の相棒で親友のミユちゃんの話をしたいと思う。
何故、ミユちゃんの話が多いかと言うと私に女友達が少ないのもあるが……

そう!女性って友達作るのに男性より不利だと思う!ましてや私のように引っ込み思案で人見知りで内気な性格だと(ハイハイ)

女性が結婚すると「嫁ぐ」という固定観念が、今も田舎にはしぶとくはびこっている。
私だって学生時代や社会人の頃には周りに沢山の友人が居た。でも結婚して他市に嫁いだ頃から、段々と女友達と疎遠になってしまった。皆、家事や子育てに忙しい年代だった。
新しい地で友人が出来始めた頃には、主人が倒れて介護生活に明け暮れていた。
そんな訳で今周りに居る女友達は十数人位になってしまった。まぁ、その分密度と男友達で補っているから、いいけどね(苦笑)

あれ?
また話が脱線してる(笑)何だっけ?
あ、そうだ!!
『何故、ミユちゃんの話が多いかと言うと』だった(笑)

それはヤツが異常に面白いからだ。


私は「脳天気」という天性の武器を持っているが、ミユはその上をいく「負けず嫌い」の面白さを放って生きている。
なにしろ、根が「負けず嫌い」だから私に勝ち目はない。私がちょっと面白い事を言ってお客さんを笑わせると「負けず嫌い」は必ず、その上を言ってくる。


先日の事、主人の同級生のYちゃんが(常連さんは何故かYの頭文字の人が多い)上機嫌でやって来た。
って、いつもYちゃんは上機嫌だけど(笑)
そして突然、何を思ったか不思議な話を始めた。

Y「俺の死んだ母ちゃんさ、カラスと話が出来たんだよね~」
私「え?ええええー?!」
Y「カラスってさ、頭いいから分かるのかな?」
私(それは知らんけど)
Y「母ちゃんがさ『あんた、また来たの。今日は何の用だい?』って聞くと」
私(カラスに用事があるのか?!)
Y「そのカラスがさ『カァ〜、カァ〜』って、母ちゃん『ほぉ、そうかい、そうかい』ってエサをあげてたんだよ」
私(うんうん、それで?)
身を乗り出す。
Y「それ見たうちの嫁さん、びっくりしたと思うよ〜。とんでもないところに嫁に来ちゃった!って」
私(そりゃ、そうだ!カラスと会話する姑さんは怖い)
Y「そのカラスね、片方の足が不自由だったのね」
私「へぇ~、いつも同じカラスが来てたんだね」
Y「ある日、隣のおじちゃんがキュッて首締めて一巻の終わりになっちゃったんだけどね」

それで話は終わるのかと思っていたら、今まで黙っていたミユが突然口を開いた。

ミユ「私のお母さんはと話してたよ」
私(ヲイヲイ)
ミユ「私のお母さん、が怖くない人だったからが出ると『ほらほら、この子が怖がるから、あっちへお行き』って、そうするとが『分かった』って目をして、シュルシュルシュル〜って居なくなってくれた」
私(此処はムツゴロウ王国か!ヤバい、私の両親は人間としか喋らないぞ)

Y「すげぇ~な」
ミユ「凄いでしょ」
ひとたまりもなく撃沈される私、木っ端みじんだ。


またある時は、お客さんと「物忘れ」についての自慢話をしていた。
「最近さ、物忘れが酷くなっちゃって歳かな~」
と嘆いている某IT関連の社員
私「何言ってるのよ~、私なんてジャニーズのSnow ManとSixTONESが、どっちがどっちのメンバーだったかゴチャゴチャよ〜(笑)」
ミユ「うん、先日もWBCの源田を二人で権田だと思いこんでたもんね(笑)」

それからは、何を忘れた!あれも忘れた!あっちもそっちもこっちも忘れた!と「物忘れ自慢大会」が繰り広げられた。

ミユ「あっ!とっておきのがあった!」
トドメの一発は、やっぱりコイツが放った。

ミユ「私、この間、物凄いものを忘れた〜(笑)」
私「え?ええ?いったい何?」
ミユ「うん、もう数十年も大好きでスマホの待ち受けにしてる推しを友達が誰?って聞いて忘れてた」
私「……」


ミユ「反町隆史の名前が出て来なかった(笑)」
一同「……」呆然
ミユの一推しは山Pだが二番目の推しを…





完全降伏、ギブアップである。
この人には一生勝てない。
早く病院の門戸を叩いて欲しい。


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