佐野徹夜

小説家。デビュー作『君は月夜に光り輝く』が漫画化と実写映画化。現在、新作『透明になれな…

佐野徹夜

小説家。デビュー作『君は月夜に光り輝く』が漫画化と実写映画化。現在、新作『透明になれなかった僕たちのために』が発売中です。エッセイ『母へ』漫画『一年に一度しか会えない君の話。』 連載中。

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佐野徹夜『透明になれなかった僕たちのために』(書籍紹介ページ)

あらすじ双子のアリオとユリオ、幼馴染の深雪。ユリオの自殺とある事件をきっかけに、アリオと深雪は離れ離れになる。 大学生になり再会した二人だが、周辺では不穏な事件が連続して発生していた。大学の新歓で出会う蒼、自分と顔が瓜二つの市堰、深雪の叔父の野崎、癖のある人物たちとの刹那的な日々の中で、アリオは生きる意味を探して彷徨う。あるとき自分自身の出生の秘密に気づいたアリオは、虚無的な真実に近づいていく。 生まれてきたことに意味を見出せない少年少女の彷徨、破滅と再生を描く、青春残酷

    • 高校生の頃の話

      『透明になれなかった僕たちのために』という題名の小説を、高校時代に書いた。それは今とは内容が違う短い小説で、おそらく、現在は僕の出身高校の図書室でだけ読むことが出来る。 僕が小説を書き始めたのは中学生の頃。高校に進学すると、選択で小説などの創作をする授業があった。その頃の僕は小説家になるか死ぬか二つに一つだといった思い詰め方をしていて、毎回の課題では誰よりも面白くなければいけないと考えていた。学校の課題で優秀と選ばれないようではプロになんか到底なれないという、今思えば少し傲

      • 『透明になれなかった僕たちのために』作者による完全ネタバレ解説(随時更新)

        小説本文に全ての答えを書くわけにもいかない。 読解して欲しいことだったり、解釈を宙吊りにしたい場合があるからだ。 あえて謎を残し、書き過ぎないようにしているところがある。 だが、そういう書き方をしていると、伏線を回収していない、と思われているらしいと知った。 それは困る。と思ったので、もし分かりにくいところがあれば解説を用意したいと思った。 これも現代の小説の新しいコミュニケーションの取り方なのかもしれない、試しにちょっとやってみることにした。 これから、本作の疑問点について

        • 『透明になれなかった僕たちのために』の感想まとめ(随時更新)

          皆さんの感想をまとめています。

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        佐野徹夜『透明になれなかった僕たちのために』(書籍紹介ページ)

          僕が作家になるまで

          何度か色んな機会に話していることなので、既に知っている人も随分いるかもしれないけど。 僕は中学時代いじめられていた。具体的には授業中にボクシンググローブをはめたクラスメイトに殴られるしそれを担任の先生が笑って見ているという状況だった。両親には言えなかった。僕の学校は私立で、そこに通わせ続けるため、父は東京転勤の辞令を断り会社を辞めて転職していた。 いつ殴られるかわからない状況で毎日学校に通うのも精神的に参るので、僕は時折学校をサボりながら、騙し騙し通学を続けた。半登校拒否み

          僕が作家になるまで