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アカリトラクゴト

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記事一覧

「お」から始まる言葉が言えなくとも

誰も興味はお持ちでないでしょうが、7月18日からこっち、複雑な気持ちを整理できずなにも書け…

佐野明李
6か月前
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初代国立劇場グランドフィナーレ さよなら四景

わたしと国立劇場(半蔵門)との出会いは、おそらく2015年2月の文楽公演。たしか、高校生のと…

佐野明李
7か月前
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白銀の美しい世界と、雪をもとかす真心の交歓|柳家さん喬師匠「雪の瀬川」

柳家さん喬師匠の「雪の瀬川」を約三年ぶりに聴くことができました。 前回聴いたときにとても…

佐野明李
1年前
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2022年、ふたつの「芝浜」 | むかし家今松師匠と五街道雲助師匠

年の瀬に駆け足でnoteを更新中ですが、すでに2022年の落語納めを済ませてまいりました。今年の…

佐野明李
1年前
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心中ものを聴いて初めて嬉し涙を流した話|むかし家今松師匠『心中時雨傘』

もう1ヶ月も前の話になるが、むかし家今松師匠の独演会にお邪魔した。 寄席で聴いたのは一度…

佐野明李
2年前
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忘れえぬひと、忘れえぬ言葉──柳家喬太郎師匠の『芝カマ』を聴いて

柳家喬太郎師匠の「芝カマ」を聴いた。正直、落語を聴いて、こんなにも自分の過去の記憶を刺激…

佐野明李
2年前
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“鑑賞”する姿とは、『百川』の若い衆みたいなものかもしれない

落語「百川」──日本橋の料亭百川(ももかわ)に一人の田舎者・百兵衛(ひゃくべえ)が奉公に来ることから始まるこの噺は、百兵衛さんの田舎訛りを店の客があれこれ勝手に解釈して話が噛み合わなくなっていくさまがなんとも愉快な一席だ。 大体笑い転げて聴き終わるのだけれど、百兵衛さんの一言二言を大袈裟に解釈していく河岸の若い衆を見て、ある日急に「あれ、こういう人見たことあるな……てかこれ、私じゃない?」という気持ちになった。 目の前にあるものを疑うより先に、想像力が爆走初めて百兵衛さん

ちいさな日常のなかにあるあたたかなもの|五街道雲助師匠『初霜』

五街道雲助師匠の「初霜」を観た。 「初霜」は、宇野信夫さんという劇作家が、雲助師匠の師で…

佐野明李
3年前
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