“鑑賞”する姿とは、『百川』の若い衆みたいなものかもしれない
落語「百川」──日本橋の料亭百川(ももかわ)に一人の田舎者・百兵衛(ひゃくべえ)が奉公に来ることから始まるこの噺は、百兵衛さんの田舎訛りを店の客があれこれ勝手に解釈して話が噛み合わなくなっていくさまがなんとも愉快な一席だ。
大体笑い転げて聴き終わるのだけれど、百兵衛さんの一言二言を大袈裟に解釈していく河岸の若い衆を見て、ある日急に「あれ、こういう人見たことあるな……てかこれ、私じゃない?」という気持ちになった。
目の前にあるものを疑うより先に、想像力が爆走初めて百兵衛さん