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わくわくする個々の繋がりが連鎖すると新たな可能性をつくる:Eストーリー(坂本 美穂子)1

部屋の窓開けると、朝の陽ざしが眩しい中に、冷たい風が吹きこんできた。窓から見える街路樹も色づいてきた感じがする。季節は冬に向かい、まだ秋が名残惜しい晩秋となってきた。
TVでは、秋の野菜を使った美味しそうな料理の紹介が流れている。
そんな朝だが、彼女は昨日の興奮が収まらず、寝不足の朝を迎えた。
坂本 美穂子(さかもと みほこ)28歳、フリーのWebデザイナー。

昨日は、紹介を頂いたネイルサロンのオーナーと新しいWebのページデザインやページコンテンツについての打合せを行い、彼女から面白い話を沢山聞かされた。その内容にわくわくした気持ちで一杯になった。また彼女からの提案も頂き、興奮が今でも収まらないでいた。

紹介されたネイルサロンのオーナ、佐藤 亜希子とは、自分も参加しているビジネスコミュニティで、主催者の佐倉から紹介された。
佐藤は、スタイルもよく自分より少し年上だったが、外見上は年下に見られるくらいの印象を受けた。
ネイルサロン事業の中で、新しい取り組みや今サロンで行っていることをWeb上で表現し情報発信をしたいとの思いで佐倉に相談すると、坂本に相談したらとのアドバイスだったらしい。

美穂子が佐藤のサロンに訪問したのは、昨日の夕方19時だった。サロンの予約が終わって落ち着いて話がしたいとの事で、その時間となった。

(美穂子):佐藤さん、今日はお時間頂きありがとうございます。素敵なサロンですね。色々と面白い情報が壁やテーブルに置いてありますね。見ていて楽しくなります。

(佐藤):坂本さん、こちらこそ私の都合でお時間調整頂き、ありがとうございます。はい、壁やテーブルの情報は、私が興味があることや行ったお店の感じをお伝えしたいと思ってやってるんです。

(美穂子):凄いですね。ネイルサロンなのに、エステのお店とかランチの情報やカフェの情報、ファッションの情報から古着屋さんの情報とかもありますね。

(佐藤):実は、これ佐倉さんに相談した時に、自分がわくわくすることを発信してお客さんに喜ぶ情報の発信をすると自分がブランドになり価値が生まれるから色々やってみるといいですよ。って言われて、私も話を聞いてわくわくして始めてみたんです。

(美穂子):え!そうなんですか?

(佐藤):はい、サロンの近くの美味しいお店やお花屋さんとか素敵だなぁと思ったお店の情報、自分が行ったことのあるお店やヘアーサロンとか古着屋さんやアパレルのお店なんか。。。
始めたら、自分が一番わくわくしてきて楽しくなってどんどん発信したくなりました。

美穂子は、ここで佐倉の話がでたことにも驚いたが、彼のアドバイスをすぐ実行して結果に繋げている佐藤にも驚きを感じた。しかも、佐藤のわくわくしている感情が伝わってきた。

(美穂子):それは、素晴らしいですね。それが、佐藤さんのパーソナルブランディングになってサロンに来る方には、サロンのブランド化に繋がっていくんですね。

(佐藤):はい、やってみるとお客様との会話にも繋がったり、お客様からの情報も頂くので、楽しくなりました。佐倉さんの言われた、価値の作り方が少しわかった気がしました。

(美穂子):なるほど、情報のサイクルができてきてるんですね。素晴らしいと思います。
それで、今日のお話しにも関係しているですね。

(佐藤):はい、それだけでなく、完成したネイルを写真にとってギャラリーにしてインスタで発信したり、ネイルに会うカラーコーディネイトやファッションなんかをサンプル案内しているです。
これも、佐倉さんにアドバイスしてもらったんですけど。。。
インスタでは、お客様もフォロワーになってくれて発信してくれる様になったので、また楽しさが増してきた感じです。
それで、この情報発信をWebでお客様と共有したり、ホームページやランディングページなどで発信することで集客にも繋がる様なことを考えているのですが、佐倉さんに話した時にすぐ佐藤さんのお名前が出て、今回ご相談した次第です。宜しくお願い致します。

(美穂子):ありがとうございます。なんか、感激です。

美穂子は、佐藤の行動力に更に驚いた。発想の面白さや企画力も自分達のマーケティング戦略や価値の作り方、CRM(顧客管理)についも自然と出来上がっている感じだ。

(美穂子):今、お話しをお聞きしていると、既に色々なコンテンツは揃ってきているので、それぞれをまとめて、統合して行く必要があると思います。特に顧客目線というかお客様が喜ぶ情報からお客様が参加される様に進めるのも面白いと思います。それぞれのアイデアの時にどの様な感じで進められましたか?

(佐藤):佐倉さんから言われたんですが。。。思いつくまま、紙にかきだしてわくわくする地図を描いてみて、それで何がお客様に繋がるかを書き出しました。

(美穂子):さすがです。その資料はありますか?

(佐藤):はい、自分でもとても大事なものなので、取ってあります。一様、自分なりにまとめた資料をファイリングしています。

(美穂子の心の声):
ほぼできている!!これは、面白い戦略が作れそうだし、色々な展開を作れる。しかも、サンプル事例としても最適な案件になると思う。ひょっとして、これも考えて佐倉さんは、私に紹介したのではないだろうか?1週間前に、同じコミュニティの佐々木さんと佐倉さんと3人で会った時に話が出ていたチーム制の話も考えると、繋がっている様に思える。

(美穂子):佐藤さん、凄いですね。しっかりと戦略を組んで進められています。戦術の部分でも検討して行動されているので、自己評価だけでなく顧客評価も収集できます。

(佐藤):はい、最初は新規顧客の開拓というか、専門情報サイトからの来店が継続契約に繋がらずに悩んでいて、先輩の赤嶺さんに相談したんです。あ!赤嶺さんからコミュニティ紹介してもらったんです。それで、佐倉さんにご相談して、色々アドバイスしてもらったのを自分なりにやってみたんです。効果はすぐ出てきて、サロンに来られるお客様が楽しいとか面白いと言ってもらえて、契約も取れる様になりました。

(美穂子):なるほど。。。そのファイルを見せて頂いてもよろしいでしょうか?サロンの大事な資料ですので、ご判断頂ければと思います。必要であれば秘密保護契約書なりつくりますが。。。

(佐藤):いえ、大丈夫ですよ。コミュニティの仲間だし、信用してますので。。。

(美穂子):ありがとうございます。

佐藤から渡されたファイルを見てみると、沢山のメモが張られたA3サイズの紙とそれを項目ごとにまとめられたシートが入っていた。それらを見ていくと、佐藤の思いや楽しさが伝わる。思いついたことをまとめるのに、自分でイラストも描かれていて、色鉛筆でカラーリングされていた。楽しい計画書がそこにあった。

(美穂子):佐藤さんが、わくわくしながら作られたことが伝わってきますね。内容もよくまとめられています。
これを、発信する目的を視点にしてまとめて行けば、具体的なWebの製作の設計図になると思います。もちろん、技術的なことも必要ですし、Webだけでなくサロンのマーケティングに繋がる設計図にしたいと思います。

(佐藤):わ~~!凄い!そういうことなんです。そこをお願いしたいと思っていたんです。坂本さんとお話ししていると共感できる部分が多いので、話がしやすいです。私の思いも理解して下さって感謝、感謝の気持ちです。

美穂子は、佐々木のチームでこれをサンプル事例としてできないかと考えついた。しっかりしたコンセプトが出来ており、行動して実績もある。佐藤の了解と佐々木への相談も必要だが。。。

(美穂子);ありがとうございます。それで、ご提案なのですが。。。実は先日、同じコミュニティの佐々木さんという広告会社の部長さんを佐倉さんに紹介してもらって、そこで面白いチームをつくる様な話になったんです。佐々木さんを中心とするチームでWebや広告など戦略的な提案やフォローを行っていくという感じなんです。

(佐藤):面白そうですね。チーム制で作り上げるって、楽しそうです。

(美穂子):それで、今回のお話しを自分なりにまとめてご提案しますが、そのチームのサンプル事例にできないかと、今思いついたんですが。。。

(佐藤):それは嬉しいです。私なんかの小さなサロンでも大丈夫なんですか?

(美穂子)はい、大丈夫です。佐々木さんに相談してみてもいいですか?

(佐藤):是非お願いします。それで、私からもご相談していいですか?

(美穂子):はい、何でしょか?

美穂子は、佐藤の相談という言葉に、何か楽しそうな予感を感じた。佐藤とは話が合うし、彼女のいききした感じにとても好感を持っていた。

(佐藤):先ほどのチーム制というお話で、私も考えていたことをお話ししたくなったんです。
実は、先輩の赤嶺さんとも話ていたのですが、美容と健康とかをテーマにしたチームを作れないかと思っていたんです。ネイルの爪は、健康のバロメータでもあるので、そこから健康のアドバイスに繋げたり、カラーやファッションのコーディネートにも繋がると思っていたんです。
それで、その発信やチーム作りを坂本さんにもお手伝い頂けないかと思ったんです。

(美穂子):え!そんな事を考えられてたんですか?でも素敵な考えですね。

(美穂子の心の声)
 な、な、なんだと~~!凄いじゃないか!ここでもチームの話が出てきた。しかもちゃんとしたコンセプトを持っていそうだ。私も情報発信の専門としては、是非参加したい。この繋がりは、何なんだろ~~。

(美穂子):是非是非、具体的なお話を聞かせてください。

(佐藤):ありがとうございます。まだまだ、構想の段階で、赤嶺さんと定期的にやり取りしているのですが、是非今度参加してもらえませんか?赤嶺さんも喜ばれると思うんです。
佐倉さんには、アドバイザーとして参加して頂こうと思っています。まだ、話してませんが。。。
勢いで佐倉さんを引き込もうと思ってるんです(笑)。

(美穂子):わ~~!楽しみです。赤嶺さんは、コミュニティでご挨拶しました。素敵な方ですよね。赤嶺さんと佐藤さんのチーム、面白いチームになりそうですね。是非、私も仲間に入れて頂ければ嬉しいです。佐倉さん、是非引き込みましょう(笑)

(佐藤):なんかわくわくしたらお腹すきました。坂本さん、この後お時間ないです?食事でも如何ですか?

(美穂子):時間、大丈夫です。食事ご一緒させて下さい。

それから、美穂子と佐藤は、サロン近くのイタリアンの店で食事としっかりワインも飲みながら楽しく時間を過ごした。そこでは、お互いの家族の話やコミュニティの仲間の話で盛り上がり、意気投合した感じだった。そして、今度は女子会をやろうという話になり、コミュニティの仲間やお互いのクライアントやお客様も誘ってみようという話になった。
美穂子は、思いもよらぬ展開にわくわくが止まらなかった。

佐々木が話していた、チーム制の話や佐藤から提案があったチーム制の話。全てが連鎖している。情報から人が連鎖している関係が新しいものを作り上げていくのかもしれない。
一つのことで終わらずに連鎖することの可能性を感じていた。
佐倉が話していた個の連携やコミュニティの話が、ここにきて自分を巻き込んでくる。新しい何かが起こる可能性が更に美穂子の気持ちを高ぶらせていた。


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