どうなる相模国分寺跡<高層マンション建設レポート> in 海老名

エ? 相模国分寺跡の南側隣接地に14階の高層マンションが建つ?! そんなことがあり得る…

どうなる相模国分寺跡<高層マンション建設レポート> in 海老名

エ? 相模国分寺跡の南側隣接地に14階の高層マンションが建つ?! そんなことがあり得るの?? 降って湧いたような話に地域は騒然となっている。 事業者は明和地所(東京都渋谷区神泉町9-6)。 今後、この問題をレポートしていく。この問題は決してローカルな問題ではない。

最近の記事

#136 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑧ 地盤沈下問題

 周辺が同じような高層ビルであれば、周辺も基礎もしっかりとしているだろうから地盤沈下は起きまい。しかし、明和地所が高層マンションを建設しようと計画した場所は住宅地なのだ。一般住宅の基礎は一般住宅適応のものだ。それほど深くはない。隣接地に高層マンションを建設すれば、将来、地盤沈下を起こす恐れがある。  明和地所の住民説明会で、地盤沈下に対する質問が出た。担当者は「その際は誠意をもって対応致します」と回答した。  会場内は5秒間くらいの沈黙に包まれた。  説明会参加者の頭のなか

    • #135 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑦ 防衛省 うるま訓練場新設断念との比較

       防衛省は沖縄県うるま市石川のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を新設しようとしていた。このゴルフ場は住宅地や教育施設に隣接しているもので、地元では保革を超えて多くの住民からの反対の声があがっていた。  木原稔防衛相は4月11日、以下の発言をして白紙撤回すると表明した。 ⚫「住民生活と調和しながら、訓練所要を満たすことは不可能と判断した」 ⚫「地元に対する説明は丁寧に行ってきたと思う。土地取得は沖縄だけでなく全国でやっており、プロセスはちゃんと踏まえていた」「結果として地元の

      • #134 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑥ 50センチ問題

        「ねえ、ねえ、知ってる?」 「なに? なに? なに??」 「今度、相模国分寺跡南側隣接地に14階建てのマンションが建つっていう話」 「それは知ってるよ」 「それがさあ、日影の問題を法的にクリヤーするために、マンションを南側境界線ギリギリに建てるんだって」 「へえ〜」 「境界線から50センチだって」 「へえ〜、怖いね。高さは40メートル以上あるんでしょ。上から物が落ちてきたら危険だね」  当時、こんな会話が住民の間で交わされた。  50センチとはどれほどのものか。1円玉の直径

        • #133 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑤ 日影問題

           高層マンションによる日影の問題。明和地所はこの件について住民説明会の場で時間をかけて説明をした。陰に入ってしまう家屋とその時間帯が分かる視覚的資料を作り、日影の問題を法的にクリヤーしていることを主張した。日影の問題をクリヤーするためにペンシルビルにしたことが理解できた。日陰に入ってしまう十数軒の家屋の住民は、そんなものなのかなぁと受け止めた。  更に明和地所の担当者は、相模国分寺跡の広場に落ちる影についても、住宅と同様であるとの説明をした。影は一箇所に留まるわけではなく刻々

        #136 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑧ 地盤沈下問題

          #132 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ④ 企業としてのあり方

           海老名駅周辺には30階建ての高層マンションを始め、大型の建築物が林立している。14階建てなんて高層でも何でもないよ…という雰囲気だ。  しかし、相模国分寺跡南側隣接地に14階建てマンションを建設すれば、相当インパクトがある。かなり話題になるだろう。周辺には最高で5階建ての集合住宅が1棟あるだけで、3階建てが少々あり、他は2階建て以下ばかりなのだ。  14階建ての計画に驚いた住民が説明会で質問をした。「14階は高すぎる。せめて7階建てを2本、両端に凹型に建てられないものか?

          #132 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ④ 企業としてのあり方

          #131 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ③ 歴史認識不足

           建設業者に言わせると、相模国分寺跡周辺の土地は喉から手が出るくらい欲しいものらしい。  相模国分寺跡南側隣接地には2棟のアパートが建っていた。それぞれの所有者から土地を買い取った業者が、その土地をまとめて売りに出した。一括にされて広くなったその土地に、大規模建設が可能だと明和地所が飛び付いた。高台で目の前には広々とした空間がある。ここに高層マンションを建設すれば注目を浴びて人気が出るであろうと。  明和地所は広々とした空間が相模国分寺跡であることは知っていた。しかし、相模

          #131 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ③ 歴史認識不足

          #130 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ②

           海老名市にある相模国分寺跡は、国分寺跡として知られるというより、「隣接地に高層マンション建設計画がある国分寺跡」として全国的に有名になってしまった。そして、「高層マンション建設計画が中止になった国分寺跡」として更に知られることになった。先日、歴史散策のグループ十数名が集まり、「ここに壁が立たなくて良かったわねぇ〜」と話していた。やはり「壁」が有名になったのだ。  何故、あれだけ強気だった明和地所が建設を断念したのか。その理由は未だ不明だが、考えられることを記録として残して

          #129 子どもたちの叫び声

           子どもというものは、どうしてこうも、キャーキャーと声を上げながら走るのだろうか。楽しさと喜びを全身で表現する。  相模国分寺跡の午前中は園児たちの声で溢れる。その様子を見て、癒やされているという声をよく耳にする。午後になると小学生・中学生がやってくる。時期によっては高校生が集団で集まり、ダンスの練習をやったりする。こんなにも多人数の子どもたちが日常的に集まる場所は、海老名市に他にはない。  子どもたちだけではない。ラジオ体操、犬の散歩、日向ぼっこ、ウォーキング、歴史散策のグ

          #128 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ①

           明和地所が相模国分寺跡南側隣接地で予定していた高層マンション建設を中止にしたことが新聞で報じられてから3週間が経った。しかし、明和地所がどのような経緯で建設を中止にしたのかは不明のままだ。全国・各方面から、その経緯について筆者は質問されているが、何も答えられないでいる。  新聞に記載されていることしか情報がないのが現状だ。因みに、新聞報道は以下の3件だ。(太字処理は筆者) ◆神奈川新聞 同社は計画中止の判断について神奈川新聞の取材に、「近隣の皆さまの意向に沿う形で検討した

          #127 史跡隣 マンション計画中止 朝日新聞

           明和地所による第3回住民説明会が開催されたのが2022年9月21日。それから1年4カ月間、明和地所からは具体的な情報提供も説明もなかった。何人かが海老名市に問い合わせをしたが、海老名市にも何も情報は入っていないとのことだった。  それが、いきなり事業廃止届の提出。朝日新聞の記事によると、廃止届を提出した理由は別業者への売却とのことだが、どのような経緯で計画を中止にしたのかは不明のままだ。市民には全く何も知らされないまま、この件は終了となった。  1年4カ月間という時間。  

          #126 高層マンション建設断念 明和地所

           1月27日の東京新聞によると、明和地所が開発事業廃止届を海老名市に提出したとのこと。土地は既に別の会社に売却されており、一戸建て住宅が建てられるようだ。  明和地所は建設計画を大幅変更すると昨年の5月に発表した。変更内容が決定したら住民説明会を開催すると言っていたが、説明会は開催されず、土地は既に別の会社のものになっているという。明和地所がどのような経緯で変更を決定したのか、詳細は不明だ。不可解さが残る。  内野市長は市議会で「私も市会議員を16年間やってきて、マンション

          #125 右左折禁止の理由は如何に 大型建築物の建設は極めて困難

           この道の入口に立っている標識。7時から19時までは左折禁止だというもの。反対側には右折禁止の標識がある。つまり直進のみが侵入を許されるが、それが許される家々は数軒しかなく、実質7時から19時までは一方通行となる。  では何故このような標識があるのか。それには大きな理由が2つある。  一つは道が狭いこと。車道の幅は約3メートル、歩道は約1メートル。対面通行ではない。車が停車していると、それを通り過ぎる車は歩道に乗り上げることになる。ましてや大型車が止まっていようものなら、ギリ

          #125 右左折禁止の理由は如何に 大型建築物の建設は極めて困難

          #124 住民説明会 相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)

           相模国分寺跡南側隣接地に高層マンションを建設しようとしている明和地所。「建築基準法には違反していないから建設を止めることはできない」と議会で発言した内野市長。  住民・市民は成す術もなく、明和地所の倫理観と良識に期待したが、3度開催された明和地所による住民説明会で、その期待は打ち砕かれた。  そこで地域住民が、建物の高さを制限する条例を作ろうと立ち上がった。それが相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)だ。海老名市に前例のない取り組みだ。  どのような条例を作ろうとしているの

          #124 住民説明会 相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)

          #123 「心ある人が守ってきたんですね」

           昨日、東京に住むA氏が仕事の関係で我が家を訪問した。A氏とは初対面で、来宅は初めてだった。打ち合わせが終わり、以下、帰り際の会話だ。 A:あの広場は何なんですか? 随分と広々としていますね。 私:国分寺跡です。奈良時代の。あの礎石が七重の塔のものです。 A:何という国の国分寺ですか? 私:相模の国です。 A:広々としていますね。よくマンションなどが建ちませんね。 私:それが、いま、ここの隣接地に高層マンションを建てようと計画している業者がいるんです。 A:そうですか。それ

          #122 Iさんのこと

           相模国分寺跡南側隣接地に明和地所が高層マンションを建設しようとしている。その建設予定地から数十メートルの所にIさんのお宅はある。地元で生まれ育ったIさんにとって、相模国分寺跡はいろいろな意味で貴重な存在だ。  Iさんは、明和地所主催の住民説明会の場で質問・意見を述べ、建設に対する強い反対表明をした。住民説明会が開催された国分コミュニティセンター。時間切れを待っているかのような進行をしておきながら、「会場の使用時間が迫っておりますので、これで説明会を終了させていただきます」と

          #121 冬至 その日の影はどうなる? 

           12月22日、今日は冬至だ。  相模国分寺跡南側隣接地に明和地所が14階建てマンションを建設すると、冬至の日、相模国分寺跡公園には、下図のような影ができるとのこと。1時間毎の影の位置が記されている。これは「海老名市住みよいまちづくり条例」に基づき、明和地所が住民説明会用に製作したものだ。  明和地所の担当者は、この影は建築法には違反していないということを説明会で力説していた。法律に違反しないよう、建築物の横幅を小さくしたらしい。影の横幅は約20メートル。長さは12時頃で約7