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#44 相模国分寺跡史跡隣接地マンション問題掲載 <読売新聞> 記載内容に誤り

 東京新聞に続いて、読売新聞にも相模国分寺跡史跡隣接地マンション問題が掲載された。結構大きな記事だ。以下、要点を抜粋する。

史跡隣にマンション計画 ※海老名・相模国分寺跡
住民 景観を懸念
業者 基準は順守

◆計画では南側に隣接する2100平方メートルの敷地に、延べ床面積4810平方メートルで計47戸が入居する建物を建設する。西側は14階で高さ43メートルだが、東側は景観にも配所して最大4階相当にしてある。建設工期は2023年2月から25年1月末の予定だ。
◆市の条例では、建築物の色や材質などを規制することはできるが、高さを制限する決まりはない。
◆近くに住む住民(筆者注:新聞には実名掲載)は「全国の国分寺跡の中でも有数の景観。せめて高さを低くできないか。今後の乱立を防ぐためにも歩み寄りの姿勢を見せてほしい」と語る。
◆明和地所の担当者は読売新聞の取材に「計画変更の予定はない。法令に基づいて事業を進める。住民には誠意をもって対応する」と話し、住民との間で意見は平行線をたどっている。
◆内野市長は「景観としてどうかとは思う」との考えを示しながらも、「淡々と事務を進めざるを得ない」と撤回は求められない状況だ。
◆内野市長は「助言はできるが、指導はできず、お願いするしかない」と困惑を示す。
◆景観計画や歴史の街づくりに詳しい日本大学の阿部貴弘教授(49)は「街づくりの教訓として、条例の見直しを図るとともに、景観審議会にアドバイザーを選任しておくことが重要だ」と指摘する。
************************** <以上、抜粋>

 2点、記事の内容に誤りがあるので指摘しておく。
 記事には東側は景観にも配所して最大4階相当にしてあるとあるが、これは間違っている。東側が4階相当になっているのは、景観に配慮したのではなく、日影の問題をクリアするためである。日影の問題が発生するから5階以上にはできなかったのだ。景観に配慮したのではない。更には、日影の問題をクリアするために14階部分が細いペンシルビルとなっている。
 また、記事には市の条例では、建築物の色や材質などを規制することはできるが、高さを制限する決まりはないと書かれているが、これも正確ではない。市の条例では、景観とは色・形状・材質などをいうとあり、ここで問題になっている建物の高さは、形状に含まれるとも考えられるのだ。
 特に1点目は大きな間違いである。明和地所が読売新聞社に対して、そのように説明したのか、それとも読売新聞社の記者が聞き間違えたのか不明だが、いずれにしても、事実と異なることを報道されたら読者は混乱する。読売新聞社には、この点を明確にするよう要望する。

 それにしても、内野市長は「お願いするしかない」と言っているが、その後、お願いしたのだろうか。まだであれば、いつ頃お願いするのだろうか。
 また、明和地所の担当者は、「住民には誠意をもって対応する」と話しているそうだが、どのような誠意を見せるというのか。いまのところ、そのような対応はない。
                             (22.11.6)

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