身体が教えてくれること。本当に在りたい姿になることに、許可を出すこと。
先日の米アカデミー賞、色々と話題になっておりますが、個人的にはもちろん、レッドカーペットでの装いが一番の楽しみです!
一昔前までは、スタイリストをつけず俳優自らがスタイリングするのが普通だったようですが、いつからか、レッドカーペット専門のスタイリスト達が生まれ、ハイブランドのオートクチュールが目白押しの、ファッション界の文化祭(?)のような様相となりました。誰もがまさに「今」を映す着こなし。個性的な美しさの競演です。
そんな中、女優のクリステン・スチュワートがVogue Runwayに語っていたコメントがとても印象に残りました(もちろん着こなしも。この流した髪型、めちゃくちゃかっこいいー!)
自分自身に正直であること。これがどれほど難しいことか、歳を重ねるごとに身にしみて感じます。これまでに学んだ多くのことを、解除していくような作業にも思えます。常に自分にウソがないように、飾りっ気のない言葉で語るの彼女にはいつも好感を持っていますが、幼い頃からハリウッドで活躍してきて凄まじい人目に晒されてきた人だからこその言葉は、とても胸に響きます。
(上のinstagram投稿の5枚めに、クリステンの全身カラー写真が載っています。)
自分のファッションと向き合うことは、自分の身体と向き合うとも言えます。なんたって、限られた職種で無い限り、自分で服を着せられるのは自分の身体しかないわけですから。
そう考えると、不自由と感じるかもしれません。ああいう身体だったらもっと素敵に着こなせるはずなのに、私の体型だと上手く着こなせない、好きなものが似合わない、などなど…けれども、一度自分の特徴を受け入れると、いろんなことが楽になります。今まではコンプレックスだった部分を活かす発想に切り替えると、それが突然長所に生まれ変わったりします。
ただこれ、言ったり書いたりするのは本当に簡単ですが、なかなか実感をともなって理解することは難しいかもしれません。
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私の友人の話を紹介したいと思います(Aさんとします。)女性として生まれたのだけど、生まれつきあまり丸みのない体型であったことが悩みだったそうです。背も高く、肩も骨っぽくて、くびれも目立たず、お尻も丸くない。まるでボーイッシュな体型なので、わざと少しだけ太って、丸さでコンプレックスをカバーしていたと言います。
けれども、健康のことを考え、やっぱりダイエットを決意したとのこと。そしたらやっぱり、ボーイッシュな姿が鏡の前に現れた。少しだけがっかりした後、Aさんにはこんな想いが芽生えたそうです。
「ああ、これが私なんだ。私は、ボーイッシュでいいんだ。」
これは、Aさんが自分の身体を受け入れ、自分の在り方を、そのままに受け止めた瞬間でした。その時の気持ちは、「なんだか不思議とセクシーな気分だった」そうです。セクシーというのは、たとえばこのまま街に出て、素敵な人に余裕で声をかけられそう、そのくらいの気分の良さ、と説明してくれました(とてもパーソナルな話なので、本人の許可を取ってこのブログに書いています。)
それからAさんは、劇的にオシャレになりました。これまでも素敵でしたが、ああ、きっと妥協していたのだな、というのがはっきりと分かりました。今は、長身でスレンダーな体型を活かした、中性的な魅力を全面に出したファッションを楽しんでいます。とっても魅力的で、まさに自由を手にしているという空気が伝わってきます。
アカデミー賞の話題に戻りますが、同様に「自分の体型」を受け入れたことで、最近凄まじい勢いで美しさを増していると思うのがビリー・アイリッシュ。
見てください、この色っぽい目線!!笑 とても20歳とは思えない!
ご存知のように、彼女はもともと、大きなスウェットなどの体型を隠す「バギー」なファッションで有名でした。それは、自分が身体的特徴によってジャッジされたり、ラベリングされることを避けていたからだそう。それが約1年前、British Vogueの表紙で、「古き良きハリウッド」にインスパイアされたという、大変身した姿を見せてくれました。
そのほぼ直後に行われたMet Galaでのドレスルックも大変話題になりましたが、こちらのインタビューでなぜ彼女が古き良きハリウッド("Old Hollywood")をテーマにしたかったのかを語っています。
このインタビューで、実は子供の頃からOld Hollywoodスタイルのドレスが大好きであった、と語っています。小さい頃は、家で密かにそういう格好をして楽しんでいたとのこと。けれども、それを止めさせてしまったのは「ボディイメージ」だと言います。自分自身の身体に対するイメージによって、自信をなくした、ということです。けれども、きっかけについては語っていませんが、自分の本当にやってみたい姿をやっていいんだと、彼女はどこかで自分に許可を出したのです。本当になりたかった自分の姿は、このOld Hollywoodスタイルだと。若くしてスターダムに駆け上り、世界中からあらゆる目線を浴びせられてきた彼女が、若干20歳でどんどん自分の殻を破っていく姿に、本当に心動かされます。
自分が何者であるのか。
自分が本当に在りたい姿とは何なのか。
自分の自由は、どこにあるのか。
考えるよりも、自分の身体に向き合ってみたり、子供の頃に好きだったスタイルを思い出してみると、教えられることがあるかもしれません。
今日も明日も、あなたの世界が美しさで満たされていますように。
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Header photo by Noah Buscher on Unsplash
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