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限りあるキャパを有効活用|少食のすすめ

ここ数週間ずっと出張が続いており、同僚からも「忙しそうにしてるね」と声を掛けられるようになりました。

出張先は名古屋で、職場の近くに外泊して週末だけ帰ってくるという日々を過ごしています。

楽しんでいる側面も大きいのでそこまで心配されなくても良いのですが、そういう印象を持たれているのは事実のようです。

そうなるとみんな優しく声掛けをしてくれて「せめて美味しいものでも食べてきてよ」と言われることが増えました。出張先が名古屋なので「名古屋めし楽しんでください」といった声掛けが非常に多いです。

「名古屋めし」と言えば、味噌カツ、手羽先、ひつまぶし、名古屋コーチン、きしめん、味噌煮込みうどん、小倉トーストなどが有名ですが、他にもあんかけスパゲティ、台湾ラーメン、名古屋カレーうどんなど、数えきれないくらいのラインナップがあります。

確かにこれらはどれも美味しそうで、この機会に全て試してみたい欲求が湧き上がります。「名古屋めしを制覇したい」という人は多いのではないでしょうか。

しかし、僕は過去に胃の全摘出手術をしているので、こういったラインナップを前にしても少食のためひるんでしまうのです。

本来だったら朝は喫茶店でモーニングの小倉トーストを食べ、昼にあんかけスパゲッティを食べ、夜は手羽先と味噌カツをビールと一緒に頂くような、名古屋めし三昧な一日を過ごすことが可能なはずです。

それでも、そんな好条件の立地にいるにも関わらず、実際には朝マックでソーセージエッグマフィンをコーヒーで流し込み、夕方前くらいにカロリーメイトをつまんで、夕飯だけは味噌カツを食べてみたりしている程度です。

また別の日には、モーニングだけ小倉トーストをがっつり食べて、仕事のランチではカロリーメイト等の軽食で栄養補給をし、夜は安いビールを飲んでカップ麵を食べて寝てしまったりしています。

僕の身体では効率良く一日三食を名古屋めしで埋めきることができないのです。名古屋めしはボリューム満点なため一食で充分に満腹になってしまいます。

少食であるため一日三食をモリモリ食べることが難しく、がっつり食べるのは一日のうちに一食だけということが多いです。それが夕飯だったり朝食だったり、それはその日の気分で変えています。

これは僕にとっては名古屋めしに限ったことではなく、食生活全般に言える課題です。食べることができる量が極端に少ない身体でありながら、世界でも有数な食事の美味しい国である日本に住んでいるため、一回の食事で何を食べるべきか、必要以上に入念な検討をしてしまうのです。

この様に限られたキャパの身体で何年も生活をしていると、一回の食事を非常に大切に考えるようになり、更には計画的に食事をするようにもなります。

一日に何食も名古屋めしを食べるのではなく、今週末は夜に手羽先を食べて、来週は昼に名古屋コーチンを食べて、再来週のどこかで朝に小倉トーストを食べられる喫茶店に行こう、といったように、限りあるキャパのなかで食事のやりくりをする習慣が身に付きました。

そのためか、一回の食事の度に「有難み」を感じることができて美味しさも増したように思います。何でもかんでも制覇するように試せばいいわけではないんだな、と実感しました。

これは食事に限った話ではないように思います。

弾丸旅行を繰り返して色々な国に片っ端から行ってみたり、全国の温泉地を全て巡ってみたり、名作映画を全部観ようとしてみたり、こういった「制覇する」観点で網羅的に試すよりも「今回はこれにしよう」と入念に検討したうえで試してみた方が、本当の魅力を味わうことができるのではないかと思います。

人生は一度きりであるからこそ、急いで制覇したくなる気持ちをグッと堪えて、入念に物事を選んでいった方がいいのかもしれません。

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