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自分の弱さを引き受ける

いつも読んでいただき
ありがとうございます。
管理人のさおりんです。


今回は聖書の中の逸話で
かけがえのない師を否認した
イエスの弟子の1人、ペトロについて
ご紹介していきます。


キリストの12使徒の1人に
聖ペトロがいます。
キリストが最も信頼を置いていた
弟子の1人です。


救い主イエス・キリストはガリラヤの町
を回りながら人々に神様の無償の愛を
伝えていきます。


しかし、この時代の人にとって救いとは
自分たちユダヤ民族をローマ帝国の圧政
から解放してくれる権力者が現れる事
でした。


キリストの教えはそういう現世的なもの
ではないから、人々は救い主を目の前に
しながら、教えを受け入れられず、
ついに十字架で磔にしてしまいます。


キリストは処刑される前
後を委ねる12人の弟子たちを集めて
最後の晩餐をします。


これから自分が過酷な運命に
立ち向かうことを宣言します。
弟子たちにとってキリストは誰よりも
尊敬し、大きな望みをかけている存在、
栄光の救い主(メシア)です。


その人が殺されて酷い目に遭うことは
誰もが受け入れ難い現実でした。
1番弟子のペトロもそうでした。
その時のキリストとペトロ(シモン)の
やり取りを新約聖書のルカによる福音書
は伝えています。


「わたし(イエス・キリスト)は
あなたのために信仰がなくならないよう
に祈りました。
だから、あなたは立ち直ったら兄弟たち
を力づけてやりなさい。」


するとシモンは、
「主よ、御一緒になら牢に入っても
死んでもよいと覚悟しております」と
言いました。イエスは言われました。


「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、
鶏が鳴くまでに、3度わたしを知らない
と言うだろう。」
(ルカによる福音書22章32-34節)


キリストは自分が亡き後、弟子たちに
様々な苦難が訪れることを知っていました。
皆の心がしょげてしまうことも
見通していました。
そこで信仰を失わないように
弟子たちのために祈ったのです。


そういう試練が訪れた場合、
まずあなたが立ち上がって他の弟子たちを
勇気づけてやりなさい、お互いに協力して
生きていきなさいというのがキリストの
ペトロに対するメッセージでした。


これに対するペトロの答えは
「たとえ何があってもあなたに
ついていきます。決して裏切ったりは
しません。」というものでした。
しかし、キリストはペトロがやがて
自分を否認するであろうことを伝える
のです。


人々はイエスを捕らえて引いていき
大祭司の家に連れて入りました。
ペトロは遠く離れて従いました。
人々が屋敷の中庭の中央に火を焚いて
一緒に座っていたから、ペトロも中に
混じって腰を下ろしました。


するとある女中が、ペトロが焚き火に
照らされて座っているのを目にして
じっと見つめ、
「この人も一緒にいました」
と言いました。


しかし、ペトロはそれを打ち消して
「わたしはあの人を知らない」
と言いました。少したってから他の人が
ペトロを見て「お前もあの連中の仲間だ」
というとペトロは「いや、そうではない」
と言いました。


1時間ほどたつと、また別の人が
「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤ
の者だから」と言い張りました。
だがペトロは
「あなたの言うことはわからない」
と言いました。
まだ言い終わらないうちに突然
鶏が鳴きました。
主は振り向いてペトロを見つめられました。


ペトロは
「今日、鶏が鳴く前にあなたは3度わたし
を知らないというだろう」と言われた主の
ことばを思い出しました。


そして外に出て激しく泣きました。
(ルカによる福音書22章54-62節)


この時、ペトロがもし
「自分はキリストを知っている」と
答えたら、捕らえられてキリストと
一緒に刑に処せられたでしょう。
つい先ほどまで師のために身を投げ出す
と誓っていたのに、目の前に迫った危機
に恐れおののきながら心ならずも
約束を破ってしまいます。


いままで親しくしていた人に対して
「あなたを知りません」と否認します。
それ以上の裏切り行為はありません。


そのことに気づかせてくれたのが
鶏の鳴き声でした。


ふと我にかえり、迫害を免れたい一心で
かけがえのない師を裏切ってしまった
ペトロの心中はどんな気持ちだった
のでしょう。
きっと激しい自己嫌悪に陥り、
自分自身を責め裁いたに違いないのです。


しかし、キリストは最初からそのことを
知っていました。
キリストがペトロを振り返ったのは、
精神的にどん底に陥ってしまったペトロ
のすべてを受け入れたことを意味します。


その目は人間の弱さを知り抜いた
慈しみの眼差し、すべてを赦す眼差し
でした。一方で、キリストはペトロに
試練を乗り越える力が備えられている
こともわかっていました。


だからこそ、
「あなたは立ち直ったら、兄弟たちを
力づけてやりなさい」
と励ましていたのです。


自分の弱さに気づいたペトロを徹底して
赦し抜き
「きっと立ち上がれるよ。そうなったら
人のために働きなさい」と力づけるのです。
まさに限りない愛に溢れたことばです。


事実、その後のペトロは力強く立ち上がり
キリストの教えを命がけで
人々に伝道していくのです。


ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
管理人のさおりんでした。


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