#48 いちばん向かない職業
誰にも職業の向き不向きがあると思いますが、僕が一番なれそうにない仕事は何かと考えると、それは公務員ではないかと思います。僕をよく知る人たちはきっと大きく頷くはずです。
自然に振る舞うと…
note でも「本当は〇〇したいけど、なかなかできない」という記事を見かけるのですが、「みんな日本文化に合わせて行動していて、すごいなあ」と思います。というのも、僕は次の通りだからです。
上司を飛び越えてその上に相談するのはよくないと思われがちですが、そのやり方で問題を早期解決していたので、誰にも何も言われませんでした。会社にとっての利益は問題の早期解決であり、順番に話を上げることではないはずです。自然に振る舞っているとこうなるので、誰がどう見ても「日本の公務員は無理」ですね。
研究員の社会的立場
先日、今日9月1日からのダルムシュタット工科大学での研究員としての雇用契約書にサインをしました。大学事務の責任者から説明を受けたのですが、最初に釘を刺されたのが、
その後少し茶目っ気のある表情になった彼女は、
彼女はドイツ生まれではなく英語ネイティブの方ですが、あまり使わない normal people という言い方をしたのが印象的でした。ということで、晴れて?今日からドイツ、ヘッセン州公務員です。公務員用の交通パスをもらったので、州内の交通機関はドイツ新幹線以外、すべて無料になりました。
宣誓の記録
ドイツでは(日本でもそうかもしれませんね)、公務員になるにあたって宣誓を求められます。本来はドイツ語のはずですが、僕の場合は英語のものが用意されていました。全文をここに載せることは控えますが、最後の部分は次の通りです。
と声に出して宣誓文を読み上げました。その確認は、「大学責任者との握手による」と書類に明記されています。「お行儀良くしなきゃいけないんですよ!」の彼女と握手をして宣誓を終え、無事契約が完了しました。文字にするとうまく伝わりませんが、実際にやってみると、重みを感じました。
厳しい服務規定
その後、服務規定についての説明を受けました。
そんなに厳しいのか……確かに、博士号が取得できるかどうかの最終判断は教授によるので、おみやげが贈収賄とみなされるというのも理解できる。さらに釘を刺されます。
ダルムシュタットには日本人はほとんどいませんが、中国や韓国からの留学生はそこそこいるので、中国・韓国と日本なら、文化的に「よろしくお願いします」的な贈り物はあり得そうです。それも、周囲のドイツ人から見れば「これでいい評価をお願いします」に見えてしまうのだと思います。これは本当に、気をつけようと思います。「あなたは学生ではなく、大学の研究員」と繰り返し言われました。
「お行儀よく」の中身
最後に、「お行儀よく」のもう少し深い意味を説明してくれました。ここは、少し感動した部分です。
同じくドイツに留学している人のブログなどを読むと、「週末はフリーパスを使ってお金をかけずに州内の他都市を訪ねてまわっています」というような記事を読むことがあります。そういうことか……少しだけ分かったような気がしました。説明してくれた彼女は、いつか日本の熊野古道を歩くことが夢だそうです。
* * *
こんな経緯で、日本では務まりそうのない公務員を、なぜか海外でやることになりました。今日はまだフィンランドにいて、勤務開始日が出張中とはなんだか妙なスタートではありますが、お行儀よく進んでいきたいと思います。
今日もお読みくださって、ありがとうございました🇩🇪
(2023年9月1日)
サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️