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委ねるリーダーシップ/米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方


この本には何が書かれているか

命じるリーダーシップに疑問を感じていたマルケ艦長が潜水艦「サンタフェ」で行った委ねるリーダーシップについて書かれている

委ねるリーダーシップへの挑戦

マルケ艦長が、サンタフィッシュでペレーズ艦長に言われた「なら、やればいいじゃないか」と言われ、委ねられる喜びを感じた、そこからマルケ艦長自身が「委ねる」リーダーシップとはなにかを試行錯誤していく。

しかし、ウィルロジャーズの機関科長で、権限の委譲を部下にするが、効果が出ず挫折。

そこからサンタフェの艦長に命じられ、再び委ねるリーダーシップに挑戦する

権限ではなく、自由を与える

この本では、権限の委譲に対して、十分ではないと言います。権限の移譲とは、裏側に権限を「譲ってやる」という考え方があります。結果、実はトップダウンと変わらないのです。

本文には

「積極的に行動しろ、主導権を持て、自分から関われ、と熱心に忠告したり、ただ単に権限を与えようとしたりするのは、上っ面をなでているだけ」


とあり、なんか経営者視点を持てっていう企業と似ているなーなんて思いました。

では本当に必要なのは何かというと、自由であると述べています。
自由とは何かというと、自分が主体的に動く、自分の能力を十分に発揮できることを意味します。環境が整い、高い技能と正しい理解が備わった時に、自然と自由が生まれます。そうすれば、そもそも権限を委譲する必要がなくなります。

委ねるリーダーシップの三つの理念

委ねるリーダーシップには三つの理念があります。

- 支配からの解放
- 優れた技能
- 正しい理解

支配からの解放は、自律的に動くための文化づくりです。
例えば、「三つの名前ルール」という「乗員が艦内で訪問者と出会ったら、挨拶に訪問者の名前、自分の名前、艦の名前を必ず入れること」というルールを導入しました。自分の名前、艦の名前をいうことで自分の艦に誇りを持ってもらう、まず言動から変えてみるという試みです。

また委ねるには、委ねられる・自分で判断できるための優れた技能が必要です。技能が優れているというのは、「専門的な知識があり、自分で決断を下すことができる状態にあること」です。
委ねられるだけの知識や技術はありますか?それを高めるために日々成長していますか?
そんなことを考えされられます。

あと必要なのは、私たちが何を目指すかの正しい理解です。
自分たちの目的を理解し、何を何のために行うのかを思い出せば、使命の達成に協力を惜しまなくなり、ただ失敗しないためだけに仕事をしていたときとは違う行動になります。大事なのは、目的・目指すものの共有、そしてそれをきちんと理解することです。

委ねるリーダーシップの試行錯誤の追体験

マルケ艦長は「委ねる」リーダーシップを行うため、時には失敗を体験しながら、それを材料に自分の方法を創造していきます。
とにかく、何か問題が起きたら、とことん話し合います。「我々は話し合った」という表現が幾度となく出てきます。
マルケ艦長自信、命令をしたくなる衝動に駆られたり、イライラしてしまったりするのを必死に抑えようとしています。この葛藤も含めて、マルケ艦長がどうサンタフェを強い組織にするか、そんなストーリーが楽しめます。

原子力潜水艦の知識はなくても、スイスイ読めてしまいます。
ぜひ一度手に取ってみてください!

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