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【孫子の兵法】組織規模による五事七計の「法」の違い

「法制のシステムとは、組織の体系とその運用方法であり、軍吏や将校などの階級の権限と役割、食糧を輸送する輜重(しちょう)部隊の経営、御君主が負担することになる国会財政の莫大な戦争費用総額の使い方の問題である。」

「曹操注解 孫子の兵法」中島悟史著

孫子が、他国の戦略を比較すべき「五事七計」(5つの方法と七つの比較)

五事(道・天・地・将・法)の1つである「法」についての説明である。

ここでは組織規模のよる「法」について言及したい。「法」とは「道」を実現する為の、その組織における具体的な方法等のこと。

方法等には、組織における就業規則は雇用契約は当然のこととして、役割を明示しているような組織図や業務手順書等あるゆるものが含まれます。

組織規模による「法」

組織規模を一般的な小企業、中企業、大企業に分けて解説します。小企業から中企業に、中企業から大企業に自社を発展させてたい場合に組織規模により求められる「法」が異なることを予め知っておくことはとても重要なポイントです。

組織規模が不適切だと、組織としてその業界で存続し続けるには最低限の条件がある。その条件を満たしていない組織の体力を削られてしまう。今後想定されるAI時代では、今まで従業員の人数や資本金額等で大企業、中小企業の区別方法では判断ができない、あやふやになる可能性が十分にある。

例えば、従業員人数が、その組織の労力を指すことにならない。資本力が小企業なみでも大企業並みに稼げ、市場に影響力を持てる場合もあり得る。

ここで重要なのは、大企業、中企業、小企業の各々傾向性に、自社が近いのかを把握しておくことです。

1,小企業の「法」

今までは、大企業と小企業とは、市場においてそれぞれが補完的な関係だった。ですが、AI時代に入ると、その様相は様変わりする可能性は十分にある為、今後の市場動向には常に注目している必要がある。
理由としは、AIによって今まで補完的関係だった大企業にとっての小企業の役割を、AI等が担ってしまう可能性があるからです。

そのような立場に追い込まれてしまうのは、やはり小企業にはデータベースがなく、他社が提供するツールを利用する以外にない会社が多いからです。

例えば、X社が提供するAツールを利用していたとします。Aツールを利用することで得られるデータベース等で、今度はX社はAツールを自動化し、更に新たなサービスを提供できるスペックのBツールを販売することになります。その為、Aツールの利用を止めて、Bツールを利用することにしました。そして、Bツールが開発されたようにCツールが数年後に開発・・・・この繰り返しをした場合、次のツールが利用できるまでの間隔が数年ではなく、1年や半年、それより短かくなったら、その速さについていける会社とそうでない会社に別れてしまうことは簡単にイメージすることができます。

その為、小企業はAI等で代替されない立ち位置で市場を占有できる独自路線を、将来を見据えて今から展開していく必要があります。その上で、下記のポイントを抑える必要がある。

1,自社の事業の定義(「五事七計」の「」をする。
2,事業主が、「問題」中心ではなく、「機会(「五事七計」の「」)」中心にマネジメントができる組織構造を持ち、「機会」を体系的に発見し、「機会」を開拓していく。
3,自社の強みを最大限に発揮できる市場(「五事七計」の「」)を見つけ、その市場においてリーダー的な地位を占める。

小企業は、自社の存続が「限界的な存在」にならないようにしなければならない、ことは言うまでもない。

2,中企業の「法」

組織や部署の規模が小さければ小さい程、人の欠点が気になり易い。言いかけたを変えると、そのグループ内でお互いの欠点を補完し合うことがしづらい。逆に、規模が大きすぎると誰が何をやっているのか分かりづらくなる。

そのような意味において、小企業や大企業の利点を持ち合わせている企業規模が中企業と言えるかもしれない。

従業員数がそれなりになると、お互いに協力し合い、又は相互に作業管理し合う組織を構築しやすい。

また、総合的に見たら資源的にも大企業ほどでなくても、自社が成功する為の分野だけ集中することを考えれば、大企業並みに資源を投資することもできる。

そういう意味では、自社が集中すべき分野とそうでな分野を十分に理解している必要がある。

3,大企業の「法」

組織規模が大きくなればなる程、内部構造も複雑になり機動性を欠くことになる。その為、原則として、小さな事業や十分な利益を得られない事業には手を出してはならない。

自然界から学ぶ組織規模の「法」

ここで紹介したい記事がある。
大きい海洋生物ほど、小さいプランクトンを食べる理由

大きな海洋生物が、小さなプランクトンを食べるのか。結論から言うと、プランクトンは生態ピラミッドの底辺で一番生息数が多いからです。つまり、他の生物を競合する必要がない。

勿論、小さなプランクトンを食べることで生命を維持できる条件があります。

カリフォルニア大学海洋科学研究所らの新しい研究では、泳ぐ速度と飲み込める海水量、そしてその生物に必要なエネルギー量の関連が調査されており、これによるとミンククジラが、濾過摂食の最小サイズであり、これより小さいと進化的にこの食餌方法が成立しない可能性を報告しています。

大きい海洋生物ほど、小さいプランクトンを食べる理由 山﨑 実香著

大きな海洋生物が、自身よりも小さい生物と同様にプランクトン以外を獲物にした場合、逆に生命を維持することができない。

また、大きな海洋生物以外は、プランクトンを獲物にしては生命を維持が出来ない為、あの手この手で獲物を狩る必要がある。

この関係は、上記の組織規模による「法」と似ていると思ったので紹介しました。




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