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アイシングの知られざる治癒力

筋トレを長年やっていると関節を痛める怪我をする事が残念ながらあります。もう若くは無いのだから、あまり無理をしないよう気をつけているつもりなのですが、それでもやってしまうんですね。

さて「アイシング」をご存知な方も多いと思いますが、簡単に言えば、関節を痛めるような怪我をした時、氷や冷却スプレーなどで直接患部を冷やし痛みや炎症を抑える応急処置の事です。サッカー選手が接触プレーで倒れた時冷却スプレーで患部を冷やしているアレです。プロ野球の投手が登板後肩をアイシングして筋肉の炎症を防いでいるシーンはTVでもよく見ます。

アイシングはこのように応急処置的な限定的な効果(一時的な痛み止めや炎症予防)しか得られないようなものとして捉えられるのが一般的な認識だと思います。

しかし、私には応急処置どころか、未知な秘めた治癒力があるように思えるのです。そう確信できる体験が過去に3度ありました。筋トレでしくじり関節を痛め激痛で日常生活に支障が起こるような痛みがアイシングにより嘘のようにあっという間に治ってしまったという体験です。

今回はその不思議な体験談です。
最初は肩、二度目は首、三度目は肘です。いずれも50歳以降の事です。アイシングを初めて試みた時は、アイシングというものは知っていましたが、あまりにも肩が激痛だったので藁を掴む思いで初めて試しました。やり方は単純で、冷凍庫の氷をビニール袋に入れてタオルで包み、直接患部に当てるだけです。だいたい20分前後で患部がかなり冷えて感覚が麻痺してきます。凍傷を防ぐ意味でも20分以内というのがアイシングの基本です。しばらく時間を開けて再び20分前後のアイシング。これを断続的に何度か繰り返します。
すると、なんと翌日には、激痛だった肩の痛みが完全に無くなっていたのです。
私にとっては嘘のような衝撃的な出来事でした。アイシングがこんなに効果的だなんて想像もしていませんでした。

それから1〜2年後だったでしょうか? 今度は首を痛めてしまった時の話です。首を酷く痛める数ヶ月前に、肩というか首の付け根の奥の方を痛めて
しばらく(半年くらい)鈍痛が残っていました。そんなある時、また同じ辺りを筋トレで痛めてしまいその周辺を自分でマッサージして揉んでしまったのです。この自己流の揉みマッサージがダメで止めを刺してしまったようで、翌日には首の激痛で頭を動かす事すらできない状態でした。たまらず接骨院へ治療に行ったのですが、接骨院の生ぬるい治療では全然治る気がしませんでした。

そんな時、ふと以前アイシングの経験を思い出しました。
同じように自己流のアイシングを断続的に数回繰り返し、、、そして、翌日。。。なんと、昨日までの激痛が嘘のようにすっかり無くなっていたのです。しかも半年くらいずっと首の奥の方で痛かった鈍痛までもすっかり無くなっていたのです。これはもう奇跡です。

そして、3度目はまたその1〜2年後、今度は肘を痛めてしまいました。
最初はそれほど痛みはなかったのですが、痛みが次第に増して、痛めた方の手では物を持てないどころか、ドアノブを回してドアを開ける事もできないほどの激痛です。ロケを2日後に控えていたので、このままではロケに差し付けると思いアイシングを開始。さすがに三度目にもなると、結果は想定通りでした。翌日には完全に痛みは消失していました。

激痛だった関節の痛みがアイシングの翌日には完全に痛みが消失、という事が3回連続で起こるとこれは奇跡では無く必然です。
似たような事例が無いか ?ネットでざっと調べた限り私のような激痛がアイシングの翌日にすっかり消滅したというような顕著な事例は見つかりません。こんな事は当たり前なので誰もわざわざネットに書き込まないのか?私だけの特別な事例なのか?そこは良くわかりません。

よくわからないけど、いったいどういう事が体内で起こっているのか、私なりに調べて仮説を考えてみました。

人間には傷ついた場所を正常な状態に戻そうとする「自然治癒力」があります。アイシングが「自然治癒力」をより促進させる働きをしていると考えられます。
鍼灸の鍼の治療では、体内に鍼という異物を敢えて入れる事で体の内側から刺激して免疫力や自然治癒力を高めています


「アイシングで、一時的に炎症した患部を極端に冷却する事でショック(血流の阻止)を与え、アイシング中断時にその反発で、血流が一気に復活、反発の勢いで炎症の修復が一気に加速する。こんな事が体内で起こっているのでは無いか?」これが私の仮説です。
一般的にはアイシングは、「炎症を抑える効果」=傷の修復を一時的に抑えるものですから、私が感じている効果はだいぶ違ったもの(むしろ逆)です。

似た話と言えるかどうかわかりませんが、私は、日頃の筋トレ後は、温冷交代浴をするようにしています。
40〜42℃の温水の浴槽と15〜18℃の冷水の浴槽を約1〜2分毎に交互に入り、3〜4回繰り返します。
冷水に浸かる事で一度血管が収縮して血流は悪くなりますが、その後、温水に浸かる事で血流が一気に流れます。手足の毛細血管に一気に血液が流れピリピリするのを感じます。
温冷交代浴の温度差のギャップで全身の血流が非常に活発になっている事がはっきり自覚できます。
特に寒い冬場は顕著で、温冷交代浴後、気温の低い屋外に出ても体の芯からポカポカ発熱して暑いくらいです。
逆に、温冷交代浴をしないで温水のみの入浴の場合、まったく体が温まらず屋外に出たら普通に寒さを感じてしまいます。

つまり、筋トレが筋肉を痛めつける事の反動で筋肉が発達するように、温冷交代浴では、一旦体を冷やして血流を悪くした反動で、逆に血流を良くなる。アイシングでは、炎症した患部を冷やして一旦麻痺させた後、アイシング後の血流の反発の勢いで炎症の修復が一気に促進される。
つまり、適度なダメージを体に与える事で体はそれに勢いよく反発する=自然治癒力が増大する。こんな感じではないか?と、私は思っています。

もちろん、アイシングに関するエビデンスのほとんどは、「炎症を抑える」「痛みを和らげる」という内容がほとんどで、炎症の修復が促進されるという内容のものは見つかりません。アイシングは炎症の修復を阻止する働きをするのでそれがデメリットだとも言われています。
しかし、私が経験した3度の激痛が一晩で消失したという実体験は、痛みが和らいだというよりは、完治したと言える位の劇的な回復です。


アイシングにより一時的に炎症が抑えられた後、アイシングを中断する事で血流の大きな反発が起こりその勢いで炎症の修復が一気に促進される。つまり、「寝ぼけている自然治癒力をアイシングで覚醒させ修復を加速させる。」このように考えないと説明がつきません。

”寝ぼけている自然治癒力”と表現したのは、おそらく若い頃なら2,3日で治っていただろう炎症や痛みが加齢のせいでなかなか治らなくなった寝ぼけた自然治癒力が、アイシングで叩き起こされて目覚めたように感じたのです。

もちろん、こんなエビデンスは存在しません。そもそもアイシングは、怪我をした直後に行う応急処置としての効果があるとされています。
私の3度の経験は、怪我をして2,3日経過しても一向に良くならない、痛みがより悪化したので、アイシングを開始したので、応急処置とは言えない事例です。やはり似た例としては、鍼治療で体にとって異物である鍼を刺してして体の内側から自然治癒力を覚醒させている、これに近い生体反応が起こっていると私は思っています。

もし、筋トレで不覚にも関節を酷く痛めてしまったら、是非アイシングを
試して見てください。
私のようにアイシングで劇的な効果を感じる人が他に居ないとしたら、私は特異な体質の持ち主なのかもしれません。


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