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【初めて着物のすゝめ】フリマアプリで中古着物を買うのをオススメしない理由

こんにちは、着物コーディネーターさとです。

私はアンティーク着物と呼ばれる昔の着物が好きです。
2010年代中盤くらいまでの購入ルートは、
・中古の着物を専門に取り扱う「リサイクル着物店」
・神社などで定期的に開催されている「骨董市」

などでしたが、
その後急速に「メルカリ」などのフリマアプリが普及しました。

結果的に、今は私もフリマアプリを使用するようになりましたが、
「リサイクル着物店や骨董市で買い物をしていた時と、事情が随分違うな、これは万人にオススメできないな」
と感じる事が多々ありました。
でも、これだけ普及していたらフリマアプリで初めての中古着物を買う人も出てくると思うんですよね。

今回は「中古の着物」に絞ってお話させて頂きます。



さて、タイトルの通り、
私はフリマアプリで「初めての中古着物」を購入することをオススメしません。
何個か理由があるので、分けて説明しますね。


①売ってる人の知識が乏しい場合がある


メルカリは自社サイトなどの誘導を禁止する、などの対策を取って出品登録が可能になっていますが、
フリマの場合、売っている人はその品物の元々の所有者なだけで、
多くの場合は、当然ながら製造や販売に携わっていませんよね。

つまり端的に言うと、
「売ってる本人もよく分からないまま販売している」可能性が高くなります。
着物って特にそうで、自分で好きで中古品を買い集めた人だけではなく、
家族に出品を依頼されて出品するようなケースも多々あります。
私は「女性物」として出品されていた浴衣を買ったら、男性物だったことがあります。笑

②状態の判断がしにくい


着物って「管理と保管」が難しい衣服です。
以前こんな記事を書いたのですが、
着物って一見綺麗に見えても「保管臭」がヤバいケースが本当に多いんです。


フリマアプリだと当然ながら、保管臭については「自己申告」です。
良心的な人は商品の概要に書いていらっしゃいますが、
マジで気にならないのか、「こんなもんでしょ」と思って言うのか、
たまに「保管臭やべぇ」と思う着物に当たる事があります。笑
こればかりは写真では判断できませんからね…



当たり前の事ですが、
フリマアプリは基本的に、所有者が「不用品」とジャッジしたものしか販売されていません。
それゆえに、価格と質が伴わない可能性も多々あります。
一定数「古着は全部アンティーク」「10年も前の着物だから十分アンティークでしょ」と言う人もいると思います。
実際にそこまで古くない着物を「アンティーク着物」として出品している人も多いですからね。

でも、この「アンティーク=希少品、価値がある」という価値を創造してきたのは、
骨董品を専門に取り扱う人達なんですよね。
この人達が定義してきた「アンティーク」と、
不用品を手放したくてフリマアプリで「アンティーク」と書いている人達、
全然違う目的で「アンティーク」という単語を使っているんです。

フリマアプリが普及する前は、
「骨董市で着物を買う」という人が今よりも多かったように思います。
その頃は「この山全部ウン百円」みたいなのの中から可愛い色柄の着物を探し出すのを楽しんだり、
「掘り出し物!」と言う人もいましたね。笑

でも、モノにはその値段が付けられている理由というのが勿論あって、
そういう山になって売られている着物には、値段が付かない何らかの事情があるだけなんですよね。
自分のニーズに一致したらラッキーですけど、それも個人差がありますし。
フリマアプリも骨董市も、そういう構造は同じだと思います。

フリマアプリも骨董市も、楽しいは楽しいのですが、
そういった背景を理解せずに買い物をしようとすると、当然「買って失敗する」事も多くなりますよね。
どんな手段でも、各自で自分に合った方法で活用すると良いと思います。
(私は何も知らずに突然買って失敗しまくりました。笑)