見出し画像

松本家の休日ありがとう

構成作家・放送作家・漫才作家の里村です。

第1回から最終回まで6年半担当させていただいた「松本家の休日」がついに今日終わりました。これだけのメンバーが出演するレギュラー番組にガッツリと関わるのは初めてだったので大変貴重な経験となりました。

番組が始まる3か月前くらいに、たむけんさんとご飯を食べてると「もうすぐ吉本からビックリするような連絡来るで」と言われ、数日後にマジでビックリしました。

まず、松本さんが関西で番組をやることがビックリですし、宮迫さんまでいてビックリ、こんなメンツなのに作家が実質2人しかいないのもビックリ、しかも放送時間が木曜深夜2時なこともビックリ、何から何までビックリでした。

そこから急ピッチで会議が行われました。ちなみに最初の会議で聞いたんですが、家族設定でやりたいと言ったのは松本さん本人でした。先輩後輩では気を遣って言いにくいことも、家族では言えるやろうって。確かにそれが上手く作用してましたよね。松本さんのスゴさにもビックリ!

そして自分たち的には万全の準備をしたものの、どんな感じになるのかスタッフ全員がドキドキする中、当日を迎えたんですがそこでもビックリ。プロデューサーがデッカイ看板とレッドカーペット敷いて大歓迎

画像1

画像2

(↑あまりの驚きに写真撮って残してました)

そこに松本さんが登場しました。もうね、ラスボスでしたね、威圧感。パワプロなら絶対「威圧感」ついてる。その威圧感に自分一人では挨拶に行けず、たむけんさんと一緒に行くことにしました。そして楽屋に入る時もドアの外まで威圧感があるんで、ドアを思いっきり開けて入れず、最小限のドアの隙間から入ろうとしてドアに肩をぶつけました。松本さんと対照的な、絵にかいたザコキャラですね。「ピンチ×」です。

そしたら松本さんがソファに座ってスマホを触ってたんですが、それもまた威圧感がスゴい。自分から声をかけれないんで、たむけんさんが見かねて「こいつが作家です」と助け船を出してくれたので、それに乗っかって「作家の里村です」と挨拶したら、松本さんがスマホを置いて立ち上がって


「はじめまして、松本人志です」

いや、知ってるて!日本中で知らん人おらんて!あと、わざわざザコキャラにスマホ置いて立ち上がって挨拶せんでいいって!

そして続けて「自分、アレやんな?」

え?何?アレ?もしかして実はどこかで会ってる?やとしたら忘れることある?マジで 何!?

と、頭を高速回転させたものの答えは出ず、シンプルに「な、なんですか?」と言ってしまいました。特殊能力「ノミの心臓」も発動です。すると松本さんが

「さっき、入ってくるときにドアにぶつかってたやんな?」


見てたんかい!スマホに集中してたんちゃうんかい!コナンくらい細かい行動も見逃さんな!

もうその時の僕は、真っ黒な全身に目だけが描かれたコナンの犯人のようにうろたえるしかなかったのでありました。そしてうろたえた末、出ていく時もドアに肩をぶつけました。すると後ろで松本さんの笑い声が

やった!松本さん笑かした!天然やけど!方法はともかく、笑いの天才が笑った!

と一人テンションが上がりました。

後からたむけんさんに聞くと、たむけんさんも松本さんとの初対面の時がそうだったらしいんですが、全然売れてない時にたまたま喫茶店で松本さんに会った時「たむらけんじと言います!」と挨拶すると「よく存じています」とボケてくれて「そんなわけないでしょ!」とツッコむことで緊張がなくなったそうです。

全然いい人やった!ピッコロじゃなくて界王様の方やった!

他にも、ロケで疲れ果ててメガネが鼻の先までズレ落ちてロケバスで座っていると「時計職人のソレか」とたとえツッコミしてくれたり

松本さんがどうしても思い出せないゲームがあると言うので、ゲームに詳しい僕が特徴を聞いて「アクトレイザーです」と答えるとテンション上がったり

と、いい思い出が詰まった6年半でした。

しかし色んな人から色んな大事なものを奪ったコロナは、街ブラが生命線である松本家も終了させました。松本さんもツイッターに「大好きな番組です」と書いてくれていました。いつかコロナが終息して「ほな行こか!」がまた聞けることを望んでいます。

おわり!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?