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結局、“作家”って何なの?

構成作家・放送作家・漫才作家の里村です。
今回は上記3つの肩書それぞれについて「どんな仕事をしているのか?」を綴っていこうと思います。

構成作家・放送作家・漫才作家ってどんな仕事?


まずは構成作家
どんなイベント・ライブをするかを考えたり、その中で行うコーナーを考えたり、単独ライブでは芸人さんと一緒にネタを考えたり、ネタとネタの合間に流すVTRを撮影(時には編集)したりと、劇場周りでの仕事が主となります。

単独ライブなどで特定の芸人にがっつりついている作家を「座付き作家」と呼ぶのですが、僕が今まで座付きをさせていただいた方として、たむらけんじ、ロザン、ガリガリガリクソン、銀シャリ、バイク川崎バイク、学天即、祇園、コマンダンテ、インディアンス、ネイビーズアフロ、8.6秒バズーカー(敬称略)などがいます。統一感が全く無いですね。銀シャリと本格漫才を考えた後に、バイク川崎バイクとBとKとBから始まる言葉を考えるという、温暖差ありすぎの打合せの日があったりするわけです。

つづいて放送作家
テレビやラジオの内容を考える他、ロケハン(ロケを行う場所を事前に巡る)、リサーチ(美味しいお店を探したり、面白い人を探したり、どんな芸人がいるのかを調べたりする)が主な仕事となります。

現在関わっている番組でいいますと「おはよう朝日土曜日です」「松本家の休日」「M-1グランプリ」「24時間テレビ」などにありがたいことに参加させていただいています。こちらも24時間テレビでコロナ禍で頑張る人たちの感動VTRの会議をした後に、松本家の休日でおとなのおもちゃを紹介する会議をします。なんて素敵でアホな仕事なんでしょう。

そして、漫才作家
読んで字のごとく、漫才を考えたり、コントを考えたりします。1から考えることもあれば、テーマが決まっていることもありますし、芸人さんと一緒に考えることもあり様々です。NHKラジオ第一で放送されてる「上方演芸会」で祇園やコマンダンテの漫才を書いてますので、よろしければお聞きください(NHKさん、宣伝しときました。またお願いします)。
企業のCM台本などもたま~にあったりします(お金がいいのでもっとやりたいです。これを見ている企業の方、お願いします)。
それから、ネタで戦うバトルライブやM-1の審査員、NSCや松竹芸能養成所などの講師も行っております(他の事務所もやりたいです。関係者の方、お願いします)。

これが現在の僕の主な仕事となります。振り幅大きくて酔いそうです。
でも全部共通することは「楽しい」ってことです。最高ですね。

作家になるには?


で、ここからは「作家になりたいけどどうすればいい?」というお話に移ります。
別に免許とか資格がある訳ではないので、自分が名乗ったらその日から作家です。でもそれではお金にはならないので、職業としての作家になる方法としてはだいたい以下のパターンかなと思います。

①芸人を辞めて作家に転向する
②作家のスクールに通う
③作家事務所に入る
④ハガキ職人から転向する
⑤芸人と仲良くなる

僕は①のパターンです。「大脇里村ゼミナール」というコンビで5年ほど活動してまして、ローカルの賞ですが受賞歴もあり、M-1準決勝に2回行ったこともあります(ちなみに解散後、相方がのっぴきならない理由で引退しました)。その実績もあってか、芸人を辞めて作家転向3ヶ月で、芸人時代の最高月収を超えました。
仕事量は、芸人時代のランクや実績、人付き合いにかなり左右されます。インディーズ芸人が作家になって、インディーズ芸人のインディーズライブについて、結局仕事になってないのをよく見かけます。

②のパターンは、授業をしてる身から言うのは矛盾しているですが、よっぽど基本的なスキルを身につけたいのでない限りは行ってもしゃあないかなと思います。例えば、舞台の上手下手(かみてしもて)、時間が押してる巻いてる…といった業界用語・舞台用語を知らないレベルなら行ってもいいですが、そうじゃなけりゃ実践あるのみです。学校を出た後は、結局③の作家事務所に入ることが多いです。残りは知らん間にフェードアウトしてるか、売れてない同期の芸人と付き合って別れて辞めていきます。

ですんで、仕事にするなら③のパターンが一番手っ取り早いです。事務所が取ってきた仕事(特にリサーチ)が回ってくるので、1年目からバリバリ働くことができます。給料をほんのちょっとだけ事務所に取られますが、とにかく作家で生計を立てたいという人におススメです。

④のパターンは最近減った気がします。すごい人もいますが、僕の知ってる限り(関西)ではロクでも無い人しかいません。元ハガキ職人の作家の知り合いがいないんで、どういう道のりで成り上がっていくのかさっぱり分からず主観バリバリ入った感想だけです。スミマセン。

⑤のパターンは、好きな芸人にネタを書いて持ち込んだりして座付きになっていくパターンで、特定の芸人が好きな方にはおススメの方法です。そいつがバカ売れした時に一緒に登れます。さらば青春の光の作家はこのパターンですね。こないだツイッターで外車買ったのを見ました。勝ち組です。逆にさっき言った、到底売れないインディーズ芸人を多く抱えると、小忙し貧乏の負け組です。

僕が知ってる限りでは、作家になるのはこんな感じかと思います。
目指している方は、自分が向いてると思う方法を試してみてください。
次回は「どうやって芸人になるの?」について書いていこうと思います。

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