見出し画像

2023 春の美術館巡り w/SIGMA fpL + I Series

この春の季節、観ておきたいアート展示が多く、3月から4月にかけて SIGMA fp L と 4/21 に発売になる I シリーズのレンズ 17mm F4 DG DN | Contemporary50mm F2 DG DN | Contemporary の2本を持って巡っていた。この2つのレンズのファーストインプレッションは以前も note に記しているのでご覧頂ければと思います。

アートを巡るとき、作品鑑賞に集中したい。作品鑑賞の妨げにならないカメラセットがアート巡りには必要だ。以前、SIGMA fp L と Iシリーズ 24mm F2 だけを持って青森に美術館を巡る日帰り旅をしたときの記録を下記の note に記している。このときも鑑賞に集中したかったので、カメラのセットは最小限にした。それでこのアート鑑賞の旅は正解だったと思う。今回のアート鑑賞の相棒は、より広角な 17mm と被写体にフォーカスできる標準域の50mm の2本のセット。アートを鑑賞する際に作品を記録に残して置きたいのはもちろん、アートを展示している空間、建築にも興味がいく。空間も記録として残しておきたい場合はやはり広角が必要で、17mm F4 DG DN | Contemporary  は特にコンパクトさがアートを巡るのに役に立った。
このコンパクトさと、薄暗い美術館の中でも力を発揮してくれる描写力で写した写真をここに記しておく。



第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

今日の地政学的境界、あるいは国境を越えて共通のインフラとなっているインターネット空間を基調としたコミュニケーションのあり方に問いを投げかけ、それをテクノロジーで表現した空間。インターネット空間に居るような、情報が光として自分の中を通り抜けていく様な感覚を覚える。
サウンドデザインは坂本龍一さんというのも今この時、この作品を観ておけてよかった。

Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary

宮島達男『Numerical Beads Painting』

電子回路に携わる人間としては、心ひかれ続けている宮島達男氏の個展『Numerical Beads Painting』。1と9の間を行き来する数字を用い、誕生から死に至るまでの生命、そしてその他者への関係性を、ユニバーサルな記号の反復によって表現しづづけている。先日、直島で観たLED製のデジタルカウンターで表現された "Sea of Time '98 " に続き、新たにキャンバスに引かれたグリット線上の数字で表現された作品を今回初めて拝見することができた。

それは、変化し続ける / それは、あらゆるものと関係を結ぶ / それは、永遠に続く — 宮島達男

Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

へザウィック・スタジオ展:共感する建築

建築に携わる者として共感と刺激の連続だった。展示や模型も素晴らしいが、映像で語られる建築意図の解説が刺さりすぎて全ての映像に見入った。展示も何度も見返し、気づけば夜に。東京タワーを眺めて少し休んで、もう一周。兎に角、情報量が多く、刺激的な展示だった。建築が好きな方は観ておく価値のあるスタジオ展、是非。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

The Original

世の中に深く影響を与えるデザインを集めた『The Original』。全てうなずける The Original なデザインたち。中でも SIGMA dp1 Quattro は自分が手にしているもので、そのデザインにいまだに惚れているカメラなので我のことのように嬉しい。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F5 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

WORKCHOPTM

知り合いの建築家が設計を手掛けた専門学校桑沢デザイン研究所新教育施設 内覧会に訪れた際に、桑沢デザイン出身のアーティストHiroyuki Arikawa 氏の特別展示が行われていた。工業的な素材から構築されたインスタレーションが好きすぎた。図録も手が込んでいて既に手に入らないのが悔やまれる。今後の作品展を楽しみにしたい。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary

東洋文庫ミュージアム

一度訪れてみたいと思っていた東洋文庫ミュージアム。舞台で観た物語の原本を見れたり、紙に記された文字や絵の美しさに改めて気付かされるとてもいいミュージアムだった。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

清春芸術村 『真鍋大度個展 – EXPERIMENT –』

ちょうど山梨を訪れる機会があり、ちょうど清春芸術村で真鍋大度さんの個展が始まったところだということを思い出して足を伸ばした。会場となっていた「安藤忠雄 光の美術館」は、光と影が創る空間が作品までの道のりを演出していて印象的。超高速通信技術と生命知能の概念を探求する実験、実装を行い、一連の過程をリアルタイムで公開していき、会期中もアップデートが繰り返され、さまざまな実験プロセスが見られるようになるそう。
また、清春芸術村はこの時期桜が綺麗で敷地の中心に建つアトリア「ラ・リューシュ」との景観が美しい。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

シャルロット・デュマ『Ao 青』

2015年から与那国島や沖縄の在来種の馬、そしてその情景と少女たちを撮り続けた作品シリーズ。キャプションを読んでからこの作品たちを観ると交わらなそうな馬と少女の写真たちが意味をなして、美しいだけでなく生きることの尊さを訴えかけられる。何度も何度も見返してしまう写真たちだった。

Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

デヴィッド・ステンベック 個展『ドリームスケープ』

スウェーデンのアーティスト、デヴィッド・ステンベックの日本初個展「ドリームスケープ」。彼の描く「夢の中の風景」は全て CGI(Computer Generated Imagery)によって制作されており、現実と非現実、意識と無意識の境界が曖昧になるような錯覚を覚えさせられる。最初に雲をレーザーが撃ち抜いている画を観た時から衝撃が忘れられず今回日本初個展で作品を目にすることができて衝撃を再確認。

Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

玉山拓郎 個展『Something Black』

最初、出口の無い異空間に飛ばされた様に圧倒され沈む感じがするが、しばらく対峙していると母親のお腹の中にいるような感覚に陥る。ずっと居たいような、早く出たいような。前回同ギャラリー(ANOMARY)で開催された個展『Anything will slip off / If cut diagonally』とは全く別の世界でそのギャップにも圧倒された。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

EUGENE STUDIO

機会を頂いて EUGENESTUDIO のアトリエ(場所非公開)にお邪魔してきました。寒川裕人さんからアトリエ、作品のお話を頂いて、幾重にも過程を重ねて辿り着いていて、複雑だけど理にかなっていて全ての話が腑に落ちる。
昨年の東京都現代美術館での個展『ユージン・スタジオ 新しい海』で、連日数時間待ちの盛況だったのが記憶に新しい。今回訪れたアトリエはこの『ユージン・スタジオ 新しい海』での展示を実寸で検証するということを機に新たに開設されたそうだ。壁の色も東京都現代美術館の色に合わせ、床に敷き詰められた石のタイルはこのアトリエから東京都現代美術館に運ばれ、また展示が終わるとこの場に戻ってきているそう。全てに理由があって、全てに無駄が無い作品とアトリエ。理にかなっていて、シンプルで、美しい。
『ユージン・スタジオ 新しい海』については、ぜひ下記の映像を一度観ることをおすすめします。このアトリエでの作品の制作過程が美しく描かれています。

Photo : SIGMA fp L + 17mm F4 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary
Photo : SIGMA fp L + 50mm F2 DG DN | Contemporary

結局、日常を採取するにあたって 17mm と 50mm の組み合わせが使い回しが良くって、ここ1ヶ月ずっとこの組み合わせで出かけている。前は 広角、標準、望遠側と3本持ち歩くことがデフォルトだったが、この組み合わせで日常が少し身軽になった。今回は美術館やアトリエを巡り特にその役割は際立った組み合わせだったが、普段使いの組み合わせとしてもとてもいい組み合わせだと思う。写真が楽しく、アート巡りが楽しい春を過ごした記録でした。

17mm F4 DG DN | Contemporary / 50mm F2 DG DN | Contemporary

<関連記事>



この記事が参加している募集

404美術館

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?