これは僕が1つの生地をデザインする際の流れを説明したものです。 全てがこの様に考える訳ではありません。 僕は梳毛のスーツ生地を扱っています。 これがとても重要で、自分が何屋さんかを理解しないで新たな生地をつくことは、サッカー選手が突然、隣のコートのテニスに参加するようなものです。 まずは自分の場合から。 もしサッカーを覚えたのであれば、サッカーをしながら隣のコートをよく観察してテニスに挑戦するべきと考えています。 僕が新しい生地(柄)を考え出したきっかけはチェックが流行っ
最近はバーチャルファッションが気になってます。 製造工場 ↓ デザイナー ↓ 販売メーカー ↓ エンドユーザー 販売メーカーさんやデザイナーさんは大衆の趣向をつかんで製造工場に依頼する事を得意としている。 (その人が作った服が着たいと思わせるカリスマデザイナーさんは別) 既に眼鏡はネット試着できます。恐らくZ●Z●あたりが洋服のネット試着出来るようにすると思っています。 または大手セレクトショップさんか百貨店さん。 出来た服(現物がある)をバーチャル世界に画像を入れて
テキスタイルデザインの基本①②が理解出来れば 生地がどのように設計されているかわかります。 テキスタイルデザインのここから先は織らなければわからないです。 織る為には糸が必要です。 生地(織物)(布帛)は経糸と緯糸が絡み合い出来ています。 必要量は経糸と緯糸を別々に出します。 経糸 経糸の総本数÷番手(単糸換算番手)=必要量(グラム)/m緯糸 生地巾×打ち込み本数(緯糸の密度)÷番手(単糸換算番手)=必要量(グラム)/mロス分を考えて必要量×1.2くらい(会社
組織図は生地の設計書の一部です。 塗りつぶされた場所は経糸が上にきます。
生地(織物)の幅にはダブル幅(W巾)、シングル幅(S巾)があります。 尾州のウール織物はダブル幅が多いです。 150cm前後です。 生地の企画をする際には150cm以上で織る必要があります。 生地は整理加工(洗い、プレスなど)をして縮む、 又は縮ませるからです。 メルトン(コート生地)は190cm程度で織ってから縮絨(しゅくじゅう)して145cm程度に仕上げます。 巾の設定は仕上げ方で設定しています。 クリア87% フラノ80% くらいです。 クリアなら150cm
テキスタイルデザインと言うと色や柄についてと 思う方がほとんどだと思います。 捺染(なせん)プリントに興味がある方は他のノートを読まれた方が勉強になると思います。 さとう機織研究所は密度から決めていきます。 密度 密度とは経糸、緯糸が1インチに何本あるかです。 私はインチを使いますが、会社によって1センチ、10センチ等を使うところもあります。 決められた長さに経糸何本、緯糸何本かです。 画像a 画像b 画像aと画像bでは緯糸本数はどちらも10本/インチです。経糸本
織りで使用される糸は編みで使用される糸より強く撚りをかけています。 編みは柔らかい生地をつくるために撚りが甘いと思っていました。 が全然違いました。 ulcloworksさんのHP見てください。 https://www.ulcloworks.net/posts/7642007 織りで使用される糸(織り糸、レギュラーと私は言っています。)、その糸に更に撚りをかけたもの(強撚)があります。 編み糸<織り糸<強撚織りは緯糸を打ち込んでいきますので編み糸より強度が必要です
トップ染 先染めの一種です。 綿(わた)で染めます。 染めた綿(わた)をブレンドします。(色を混ぜます) ブレンドした綿(わた)で糸をつくったものをトップ染と言っています。 グレーでも赤みを入れたり、 黄色みを入れてみたり、 各メーカーさんごとに研究されています。 簡単に書きました。 詳細は『ニッケ トップ染』で 検索して下さい。 ここからは趣味ではない方へ。 トップ染の色数はあくまでも各メーカーさんで提案して頂いたものを使いますが、ある程度の量が注文出来れば新色をつく
ファッショントレンドでエシカルという言葉を耳にしますが、本当に意味があるのでしょうか? エシカルhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%83%AB トレンドのエシカルを利用した リサイクルを推進する広告を目にします。 しかし、製品を原料に戻すまでに、 どれだけの石油を使っているか 消費者はわかりません。 スーツやダウンジャケット、 ビニール袋も恐らく、 『石油を燃料して作られた電気』 を
テキスタイルの場合、原価と難易度で価格が設定されます。 しかし職人によって技術には差があります。 簡単な生地を生産した場合、 上手な職人、下手な職人で工賃の差はありません。 上手な人は難しい生地を丁寧につくり工賃を貰います。 下手な職人は簡単な生地をたくさんつくります。 どちらも大切な職人です。
自分がどれだけ凄い技術をもっていても活かせる環境がなければ意味がありません。 ここからが本当に大変で大切です。 工場につくって頂く場合は工賃を支払います。 お客様に製品をお渡しして、工賃を頂きます。 当然、仕事ですのでより多くのお金が欲しいです。 工賃を下げれば出るお金が減りますから、 利益は上がります。 しかし、工場が継続出来なくなってしまいます。 生産工場がなくなれば売るものがありません。 お客様に引き取りの値段を上げて頂いた場合、 製品の価格が上がってしまい、
尾州産地である染色工場が廃業しました。 アパレルメーカーさんから縫製工場が 廃業したから、繊細な糸を使った生地が 縫えないと聞きました。 自分たちがどれだけ凄い技術をもっていても、 その技術を活かせる環境がなければ、 その技術はないもの同然です。 自分だけではなく、多くの人と共に 成長して繁栄出来ればと思っています。