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環境的公正(environmental justice) とは何か
2022年4月25日、杉並での本格的な活動のDAY1は「岸本さとこと共につくる、これからの杉並」という集会で始まった。それは、運命とも思える衝撃的な、25年ぶりの再会で始まったのだ。
25年前、大学を卒業した私は、温暖化防止京都会議(1997年)に向かって、大学生や若者の1年間の全国的な運動を行う中で、戸田清先生の著書「環境的公正を求めて―環境破壊の構造とエリート主義」(新曜社1994年)に出
オランダ語の呪縛から解放する
移民一世のNote - 日本に帰ると決めて私は強くなった3
「オランダ語ができない、はい全然」とごまかしなく言えるまでにアホみたいに20年かかった。20年あれば住んでいる地域の言語を習得するには十分な期間だと誰でもが思う。私もそう思う。しかしできないものはできない。
自分の身体的なハンディキャップを隠すことから自分を解放しよう。オランダ語ができないことを恥じたり、ごまかすことから卒業しよう。自
シングルズウィークエンド
(2018年11月に投稿した記事)
半年に一回、私はベルギー、ワロン地方(フランス語圏)アルデンヌの小さな村にやってくる。この田園地帯の農園ホステルを借り切って、友達のペトラが開催するシングルズウィークエンドのお手伝い要員(クルー)として。シングルズウィークエンドとは、文字通りシングルの男女が集まり、ハイキングやマウンテンバイクといったアクティビティをして、金曜から日曜日の2泊3日の週末をすごすイ
リバプールの2人の天使たち
(2018年11月に投稿した記事)
9月23日、ワールドトランスフォームドフェスティバル(TWT)へ参加するために、イギリス北西部の街リバプールにやってきた。低予算な私の勤務先からの出張はたいてい一人だ。私は荷物を持ったまま、直接TWT会場に行き、3つのセッションを傍聴した。今回は議論の内容はさておき、その後私が直面した危機について書きたい。最終のセッションが終わって午後8時近く、私は仕事をした
イギリスの完全水道民営化って成功例なの?
この記事は2014年に労働組合に依頼されて書きました。数年たった今英国の水道民営化事情のアップデートをしていて、この記事がオンライン上にないことに気が付きました。すでに2014年の時点で英国の民間水道の信頼は崩壊していたことがわかります。今日の水道民営化の議論の一助にとノートで発表します。
1989年イギリスはサッチャー政権下で、電気、ガス、通信、鉄道、航空に続いて水道サービスの民営化を行いまし
150年の民営化を解消し、公営水道の再構築するニース(フランス)
この原稿は筆者が編集した「Our Public Water Future」(2015年4月)のフランス語版の一章であるOlivier Petitjean 氏による「Nice: building a public water company after 150 years of private management」を一部解説を加えた上で抄訳したものである。
2013年3月、フランスの第5番目の都
ベルリン:水道サービス再公営化とその後の挑戦
ドイツの首都ベルリン市は1999年に結んだドイツ最大の官民パートナーシップ契約を2013年11月に解消した。株の買い戻しを市議会で決定し、水道は100%公営に戻ったのである。ベルリン市は市民の根強い運動により再公営化に舵を切ったものの、一度民営化したサービスを公営に戻すために多大な代償を払うことになった。そして民営化の爪痕は深い。再公営化に至った経緯と再公営化後の課題に迫る。
この記事はフィリッ
学校ストライキ!中高生たちが起こす反気候変動の地殻変動
雪が残る1月24日木曜日、気温は1度のベルギー首都ブリュッセルの中心部を中高生が埋め尽くした。気候変動問題のための学校ストライキ(School Strike for Climate)は1月10日に2000人で始まり、翌週の木曜日は1万2000人になった。そして3回目の24日は3万5000人へと膨れ上がった。労働組合や環境団体が関わらない、大学生さえ蚊帳の外の中高生の自発的行動の出現に、大人もメディ
もっとみるいま、イギリス労働党がすごい。入門から一気にコアな議論にご案内 その2
この度の党大会で発表された2つの新しい政策コミットメントがTWTフェスの参加者とメディアの関心を引き付けた。
一つ目は水道、エネルギー、郵便、鉄道の大切な産業の公的なコントロールを取り戻すというもの。これは再国有化とも表現され、2017年の総選挙の際に労働党のマニフェストにも組み込まれた。この政策は国民に大変人気が高く、総選挙の労働党の躍進につながった(保守党が地盤固めのために行った2017年の総
いま、イギリス労働党がすごい。入門から一気にコアな議論にご案内
イギリスの最大野党(2018年11月現在)である労働党はかつての全く違うリーダーシップで勢力を急激に伸ばしている。イギリス最大のポリティカルフェス、ワールド・トランスフォームド・フェスティバル(UK for the World Transformed Festival、以下TWTフェス)の参加ルポをお届けする。
写真はTWTフェスで話す労働党党首ジェレミー・コービン。Photo credit J