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誰かが紡いだ言葉を、「自分の言葉」にするために

見えない心というものを相手に

私たちにできることはあるのか

伝えるしかないんだと思う

想いを言葉にして

でもきっと想いの半分も伝わらない

言葉という道具は曖昧で

その上使いこなすのが難しいから

それでも伝え続ける

今伝わらなくてもいい

いつか心に届く日があれば

そう信じて言葉にし続ける
劇場版コードブルー/白石恵

金曜日、春学期の授業が全て終わった。文学部だからか、自分がそういう評価方法の授業ばかりとっているからか、期末には試験ではなくてレポートを課されることが多い。締め切りギリギリの提出になったりしながらも、何とか山場を越えて、一息つけたのがこの土日だ。宿題を計画的に終わらせていた昔の自分は、どこに行っちゃったんだろうか。

とにかく、冷静に考えてみると、合計2万字近くをレポートに紡ぎ出した。それに加えて、作品や文献を読み込んだりもしたから、ここ最近の短期間で、むちゃくちゃな量のインプットとアウトプットをこなしたことになる。そのせいで今は、言葉のアンテナの感度みたいなものが、高くなっているような気がする。ある種のランナーズハイみたいな状態かもしれない。

そういうわけで、まずは芥川賞・直木賞の受賞作を勢いで買い、『おいしいごはんが食べられますように』は昨日一気に読み終えた。『夜に星を放つ』は今から読もうと思う。それと、最近は良質なドラマがたくさん始まったので、心惹かれるセリフを書き留めては、インスタグラムのストーリーに載せまくった。素敵な言葉に出会うと、誰かに伝えたくなる。

心に残ったドラマのセリフを記録するようになったのは、浪人している頃だったと思う。しんどい時、支えになったのは「言葉」だった。あれから今に至るまでの約3年間、スマートフォンのメモ帳につくった「備忘録」に、いろいろな言葉を残し続けてきた。ものすごくストックがたまってきたので、公開してみようと思う。

長い間、こつこつセリフを書き留めていると、気づくことがたくさんある。自分はこういうタイプの言葉や考え方が好きなんだな、とか。自分は同じ脚本家のドラマばっかり見てるんだな、とか。この脚本家は作品が変わっても、共通するメッセージを伝えようとしているな、とか。

誰かが紡ぐ言葉にばかり惹かれるんじゃなくて、「自分の言葉」みたいなものを持っておかないとダメだと思ったりもする。でも、そもそも「自分の言葉」って何なのか。人間は、言葉を持たずにこの世界へ生まれ落ちてくる。僕たちひとりひとりの語彙や言葉遣いをつくりあげるのは、他でもなく、自らが見聞きした言葉だ。自分以外の誰かが紡いだ言葉でも、自分なりに、うまく心の中に落とし込めれば「自分の言葉」になっていくはず。そう信じながら、日々書き留めている。心が動くような言葉を見つけてもらえれば嬉しい。



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