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短い日

16時過ぎに目が覚めた。体を起こすのが難しい。目を開けておくのが難しい。毎日、気付けば夕方まで横になっている。

目に水が溜まって腫れている。押すと、ぐじゅぐじゅと音がする。ほどなくして涙と呼ぶには足らない程度の水が睫毛を濡らして視界がぼやける、おはよう。

外は晴れている、部屋の中は暗い。夜になっても星の数が減ったのは、視力が落ちただけだ。自分には見えないものが、きっと他にもある。

ぼんやりと考える。遠くにいる人たちのことを考える。会いたい人のことよりも、会いたくない人の顔や声や言葉が多く浮かんでしまって嫌になる。これからは、会いたい人のことをたくさん考えて生きていたいと時々思う、いつもそう思えるわけではないけれど。

会いたい人や好きな人が、喜んでくれるような文や写真や何かを出来たらいいと思うけれど、人の心なんかわからない。押し付けがましいし、なんかなぁ、と思う。

今、どこで、誰と、何をしているのかとか、知る由もない。そう、あなたが、僕がこうして毎日を這っているのを知らないように、僕もあなたや、あなたたちの生活を、あまり多くは知らない。

今、どこで、誰と、何をしているのか、少し気になる人の顔を見付けた。誉められたいと思った。

わけもなくやって来る感情と、わけもなく去ってゆく感情とが、ちょうどすれ違う瞬間を、一時停止にした状態、その一時停止にした状態を眺めている形のある生き物、それがきっと僕です。

あっという間に夜になる。日付が変わる。また眠る。本音を言えば「元気になりたいよ」。

…と、本音を一言だけ文字にすると、また視界が滲んでぼやける、今度は涙と呼ぶにふさわしいきれいな水が目に溜まる。

おやすみ、またいつかどこかで会いたいよ。



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